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   題名:剣客無双時代 Another edition
   作者:うっすい。





タイトル ~剣客無双時代~Another edition「ボイドラ用」

~登場人物~

柳生十兵衛(♂)34歳:やぎゅうじゅうべえ
刀:大典太光世(おおでんたみつよ)
流派:柳生新陰流(やぎゅうしんかげりゅう)
強者(つわもの)を求め全国行脚する剣客
強者を見つけると死合う事しか考えなくなる
豪快な殺気を放つがそれとは裏腹に繊細な洞察力も持っている
元現人神護衛指南役筆頭

佐々木小次郎(♂)25歳:ささきこじろう
刀:備前長船長光(びぜんおさふねながみつ)
  別名「物干し竿(ものほしざお)」
流派:巌流(がんりゅう)正確には「岩流」
毎日、自らに更なる磨きをかけ高みを目指す剣客
普段は優男風に見えるが、死合いともなれば
その冷静さと冷酷さを露にする

沖田総司(♂)19歳:おきたそうし
刀:加州清光(かしゅうきよみつ)
  大和守安定(やまとのかみやすさだ)
流派:北辰一刀流(ほくしんいっとうりゅう)
   天然理心流(てんねんりしんりゅう)
剣の腕を磨き続け剣豪と呼ばれるようになる。
日課は山森の温泉での湯浴みである

チヨ爺or婆(不問)?歳:ちよ
沖田総司と佐々木小次郎のお世話係
優しさの中にも剛直なまでの信念を持っている

~役表~

柳生十兵衛 (♂):
沖田総司  (♂):
佐々木小次郎(♂):
チヨ爺or婆(不問):
読み手はチヨと被り。


001読み手 『現人神(アラヒトガミ)であるはずの天皇は、

        自らは神では無く人であると

        世に知らしめ、死に、幕府や、政府、現人神の下に動いていた者

        全てが下克上に晒される。

        そう・・・。

        秩序が崩壊し、俗世は力が支配する

        世へと変わり果てていた。

        力が全てを支配し、力強き者が栄華を誇れる。

        力無き者は虐殺、陵辱といった様々な苦しみを強いられ、

        弱き者は奪われる事が当然になっていた。

        ある者は強者(ツワモノ)の下につき、ある者は強者を破り、

        腕に覚えのある者達は我先にと競って腕を磨き、自分の強さを

        誇示する。

        至る所で争いが起こり、互いの命を奪い、奪われる、

           悪鬼・羅刹のはびこる・・・そんな現世(うつしよ)。』

002総司  「ぜぇぁあ!!」(←気合入れて)

003チヨ  「総司様、そろそろ御朝食の刻限ですよ。」 

004総司  「ん?、もうそんな刻限なのか。」

005チヨ  「いつもいつも精が出ますなぁ~」

006小次郎 「私がいつもしつこく言っていますからね、修練は裏切らない。」

              まさか、剣術指南をやらされるとは思っていませんでしたけれど」

       「まぁ、あのように毎日しっかり修練を行って下さるから、

        こちらとしてもやり甲斐がありますがね。」

007総司  「出来るだけ早く、強く有名になり、強者(ツワモノ)達と

        死合いたいのだ!」                                     
       「命を賭し、何も考えず剣を振るう、一体どんな感覚なのか

        俺は知りたい!」

008チヨ  「そんなっ、命がいくつあっても足りませぬぞ!?」

009総司  「この前、山林で見た死合い、アレは凄まじい闘いであった!」

       「命のやり取りをしている最中(サナカ)に、笑っておるのだぞ!?」

       「俺はその高みまで昇り詰め、知りたいのだっ」

010チヨ  「・・・はぁ~全く、人の話をお聴きにならぬ人じゃのぅ。」

       「チヨの身にもなって下さらぬか?」

       「総司様!早く御朝食を済ませて下さいな、食器が片付けられませぬ!」 

011総司  「そんな大きな声で言わんでも、聞こえとる。」

012小次郎 「あの様子からすると、温泉で湯浴みですかねぇ。」

       「私の言いつけを守ってくれてればいいのですが・・・」

013チヨ  「まぁ~たく、総司様のお陰で一日の予定が狂ってしまいましたぞい。」

014総司  「おおぃ!チヨ、小次郎、俺は湯浴みに

        行ってくるから後は頼んだぞ、俺の、加州清光と

        大和守安定を持ってきてくれい」

015チヨ  「はいはい分かりましたよ総司様、気を付けて行ってらっしゃいませ。」

016総司  「なんだ今の棒読みは、心がまるで籠っとらん、切り捨てるぞ?」

017チヨ  「ひょっひょっひょ、それは勘弁してくだされ。」

018小次郎 「ハッフッセイッフッセイッフッフッフッセイヤ!」

       「もぅ巳の刻か、では、私もそろそろ切り上げますか・・・。」

019チヨ  「修練もいいのですが、あまり無理はなさらずに。」

020小次郎 「そうですね、では、町へ行ってまいります、後は任せました。」

021チヨ  「お任せくださいな、安心していってらっしゃいまし。」

022総司  「よし・・・辺りに人の気配は感じられぬ・・・。」

       「さぁて、早く温泉に浸かってさっぱりしたいわ!」

       「そう言えば小次郎の奴、我が邸でいつも何をしとるのかのぅ?」

       「・・・っん!?何奴っ!!」

023十兵衛 「なぁーんじゃ、剣気を頼りに此処まで誘われて来てみれば・・・」  

       「まだまだ小僧ではないか。」

      (SE:水の「ジャバ」って音と刀を抜く「カチン」て音)

024総司  「ぬっ!?野盗かぁっ!!」

       「っく!足場が悪い!突きの鋭さが足りぬ!」       

025十兵衛 「片足が湯の中じゃ、当然じゃわい。」

       「ぬぅん!」       

      (SE:ギィン!刀を弾く音)

026総司  「何だと!?足場が悪いとはいえ、俺の突きを弾くとは!?」

       「っく、一生の不覚!!」

027十兵衛 「お主、先程の放った剣気と、突きの鋭さの落差がありすぎのぅ」

       「ここで斬ってしまうには惜しい」

       「儂は柳生新陰流の柳生十兵衛と言う者ぢゃ、お主の名はなんと申す?」

028総司  「俺は天然理心流、並びに北信一刀流の沖田総司と申す」

029十兵衛 「ハッハッハッこんな田舎にまでは、儂の名は響いてはおらぬか。」

030総司  「聞いた事はある、鬼神とまで言われる剣豪・柳生十兵衛。」

       「私が聞き及ぶ処によると、十兵衛は隻眼と聴いておるが、そなた

        は隻眼では無いではないか、俺を謀ろうとすると承知せんぞ?」

031十兵衛 「がぁーーっはっはっはは。そんなんは噂じゃよ噂。」

       「噂にはよく尾ヒレが付きモンじゃろう?、ソレじゃよソレ!」

       「それよりも儂は腹が減ったぞい、近くに街があるはずなんじゃが?」

       「腹が減ってしまってのぅ、三日前に食った飯が飯らしい飯、最後での」

032総司  「わかり申した、その町まで俺が案内しよう。」

       「剣客の町・野安(のあ)を教える為に、此処まで連れて来たのだ。」        
       「これで先ほどの借りは帳消しであろう?」(←おどけながら)

033十兵衛 「やぁ~っと着いたわい~」

       「腹が減ったのう~、はよぅ何処かの飯屋へ行こうではないか」

034総司  「焦るでない。ココの先にある蕎麦はこの町一番の美味さだ。」

       「それなりに値も張るがなぁ。」

       「俺には目の前にいるお主が、あの鬼神と名高い

        柳生十兵衛だとは未だに信じられぬのだ。」

       「この様な砕けた奴が鬼神とは、とても思えないっ。」

035十兵衛 「そんな事よりも飯じゃ飯じゃ~ぁ」   

       「お?ここかここかぁ、楽しみじゃのぅ」

036総司  「店に入るのが速すぎる、蕎麦は逃げないからゆっくり入れ」

       「なっ!十兵衛っ!店に入るなりいきなり剣気を放つとは!」

037十兵衛 「ほーぉ、儂の剣気を物ともせず、まだ酒をあおり続けるか、

        あやつやりおるな」

038総司  「ん?小次郎ではないか、お主も此処にいたのか」        

039小次郎 「ええ、総司様こそ何故ここへ?しかし凄まじい剣気でしたね。」

       「驚かさせられましたよ」

040十兵衛 「儂にはそぅはみえなかったがなぁ?」(←半笑い)

041小次郎 「そう言えば、このお方はどなたでありますか?・・・。」

       「総司様、ご紹介願えませんか?」

042総司  「柳生新陰流・柳生十兵衛と申すそうだ。

043小次郎 「十兵衛殿・・・私は、巌流・佐々木小次郎に御座います。」

046十兵衛 「!?っ 佐々木小次郎だと!?」

       「その名、諸国にも知れ渡る剣豪の名!」

       「がっはっはっは!そうか、おぬしがあの佐々木小次郎か!」

047総司  「そうだな・・・今宵は、私の邸(やしき)で夕食を

        馳走しようではないか。

        邸に帰れば、丁度半時程で、夕食の刻限だろう、

        詳しくは、その時に説明しようではないか・・・。」



      (SE:虫の鳴き声、水の音、歩く音、木々のザワめき)


048小次郎 「よくお命を失わずに済んだものです!」

       「十兵衛様がお手を止めて下さらなければ、

        今頃はどーなっていた事か!」

049総司  「小次郎よ、あまり言うてくれるな、これでも傷ついているのじゃぞ?」

050小次郎 「いいえ!申し上げさせて頂きます!

        湯浴みをしている最中が最も危険!」

       「そう、何度も申し上げたはずです!

        あたりの警戒を怠っていては剣客として失格!」

051チヨ  「さぁさぁ、お話はソコまでに・・・御夕飯が出来てございますよ」 

       「今日の献立は麦飯に山菜の味噌汁、胡瓜と茄子の漬物と、

        牡丹肉の燻製にございますぞ。」      

       「さぁさぁ!折角の食事が冷めてしまいますぞ」

       「早速いただきましょうぞ。」

052総司  「いただきます」

053十兵衛 「いただきまする」

054小次郎 「いただきます」 



       (暫しの間、食事中)                       



055総司  「突然だが、俺から十兵衛殿に申し上げたい事があるのだが・・・」

       「みな、心して聞いてくれ・・・」

       「天然理心流並びに北信一刀流の名に懸け、我、沖田総司が、

        柳生新陰流・柳生十兵衛殿に死合いを申し込む」        

       「七日後の今日、俺の邸の庭、寅の刻でどうだろうか?」

056十兵衛 「断る理由なぞ無いわ、その死合い確かに受けた」

       「お主も、剣客の修羅道に魅せられるか魅せられぬか、楽しみだわい」 



 少し間を空ける。BGM「早朝っぽい物」←フェードアウト


      (SE:フェードイン鳥の鳴き声やさえずり)



057総司  「いよいよ、十兵衛と死合う日か・・・。

058チヨ  「小次郎様、何故、総司様の死合いをお止めにならなかったのですか?」

059小次郎 「それは、既に総司様は私よりお強いからですよ。」

060チヨ  「な、なんですと!?」 



           緊迫したBGM←和風で



061小次郎 「・・・・・・(深呼吸)・・・・・・・はじめぇぇい!!」


      (緊迫感の伝わる二人の息遣いを少しの間入れる。)
      (和風BGM闘いのテーマ)

十兵衛・総司「ふぅぅぅはぁぁぁぁ・・・。」



062十兵衛 「ほぅ、二刀流か、やりおるのぅ隙が見当たらぬ。」

       「コレだから強者との闘いはやめられぬわ!」

       「だが、待っているだけではラチがあかんからな!」

       「疾(シツ)っ。」

       「柳生新陰流・瞬幻歩法(しゅんげんほほう)

        剛脚と-飛び出す刹那の機を同時に利用し脚力として、

        一足で敵の間合いに飛び込む技」

       「マズは、これで奴の実力を確かめるとするかのう・・・」

063総司  「天然理心流・天地陰陽の構え」

       「天と地の理を持って解となす」

      (SE:ぶつりあう金属音と空振りの音)

064十兵衛 「流石だ、我が初太刀を片腕で受け流し、と、同時に

        斬撃を放ってくるか・・・。」    

       「やはり、後の先(ごのせん)の構え・・・。」

       「ある程度は読めていたからのう、脇腹に掠り傷ですんだわい。」

       「鍔迫り合いか・・・ならば・・・

       「ぬぅおりぁ!柳生新影流・虎突(コセン)!」

       「油断したか?柳生新影流は剣術のみに在らず、ぢゃ」    

065総司  「っく!手刀だとっ!?」

       「身を捻るが精一杯!」

       「ぐっ、左腕をやられたか!」

066十兵衛 「続けていくぞぉ!柳生新影流・乱れ虎突-(ミダレコセン)!」

       「我が強靭な膂力による神速の突きの連撃じゃ!

        反撃まで手が回るまいて!」

067総司  「身体じゅうが恐ろしい速さで削られていく!」

       「天地陰陽でも捌ききれぬ!」

       「ぬぉっぉおぉお・・・っくっく、ぬはぁ!!」

068十兵衛 「この連続突きにたえられるか!?」

      (SE:金属同士が凄まじく連続でぶつかり合う音)

       「ずうりゃぁぁぁああ!」

       「どうじゃ、これなら躱しきれまいてぇ!」

069総司  「おぬしのその技!長くは続くまい!消耗も激しいと見た!」

070十兵衛 「んなっ!?乱れ虎突の止めどころを読まれた!」

071総司  「天地逆転・陽!」

       「っしっせいっ!」

072十兵衛 「下段を払っておいての袈裟斬りか!」

073総司  「天地逆転・陰!」

074十兵衛 「っく、今度は袈裟斬りからの逆袈裟斬りとは!?」

       「右脇腹をやられたわい!がっはっはっは」

       「そして、切った後は、必ず天地陰陽の構えに移行しておるわけか」

       「柳生新陰流・裏虎突!」

       「果たしてこの攻撃、いなせるかのう!?」

       「ぬぅん!!!!」

       「柳生新陰流・瞬幻歩法の力を最大限利用した低姿勢からの上中下段、

        三択を迫る神速の突きじゃ!」

       「いなしたり躱したりが、はたして出来るかのっ!?」

075総司  「速い!」「まさに神速!」

       「っく、右腿をやられた!」

       「守ってばかりでは、勝機はつかめぬ!」

076小次郎 「もしやあの技は!?私にも一度しかお見せしてもらえなかった技!」

077総司  「北信一刀流・一足の間」

078小次郎 「あの歩法で相手の間合い内に入り、突きを繰り出す技!」

       「天然理心流と、北信一刀流を、独自に組み合わせ完成させた技!」

079総司  「正中線六連突き!!」 

080小次郎 「北信一刀流の必殺の技、三段突きを両腕で、人体の急所である、

        額、喉、胸、腹、右胸、そして左胸を一瞬で突くのです!」

081十兵衛 「うおぉ!ぬぐぅぅ・・・」

       「やられたわい、まさかそんな神技を隠し持っておるとはのぅ」

082小次郎 「しかし、十兵衛殿も凄い!」

       「初見で、あの神速の突き6つのうち5つも、捌いておられる!」

       「しかし、流石の十兵衛殿でも全ては、躱せなかったようです。」

083総司  「さすがに全ては躱せまいて!」

084十兵衛 「ここからが本当の剣客修羅道よ!」

       「言ったであろう?柳生新陰流は剣術のみにあらず・・・・と」

085小次郎 「十兵衛殿が素早く納刀し、総司様の刀を素手で握っている!?」

086総司  「なんだとっ刀が動かせぬ!?」

087十兵衛 「儂の膂力を舐めないで欲しいのぅ」

       「ずぇりゃっ!」

088総司  「ぐはっ!蹴りだと!」

089十兵衛 「がっはっは!儂にしか出来ぬ芸当であろうな!」

       「せい!せい!そりゃ!ぬぅん!」

090総司  「ぐは!うぐ、がはぁ!ぐふっ・・・・。」

       「ずぇりゃあ!!」

091小次郎 「一足の間で、十兵衛殿の水月に肘打ちを!」

092十兵衛 「ぬぐぅ・・・。」

093総司  「はぁはぁはぁ・・・。」

094チヨ  「総司様の動きが明らかに鈍りましたぞ!?」

095小次郎 「肋骨を痛めたのでしょうか・・・」

096チヨ  「・・・・そ、総司さ・・・ま・・・・」

097十兵衛 「お互い次が最後の攻防ぢゃろう。」

       「今まででの攻防で、消耗が激しかったからの」

098総司  「望むところ・・・」



     (SE:心臓の音、BGM:緊迫感あるこれから逝くぞ!って言う曲)


  十兵衛・総司(同時)
099十兵衛 「ずぇりゃっあ!」
100総司  「はぁあ!」    
                 (SE:刀と刀の激しくぶつかる音)
101十兵衛 「がはぁっ!」

102総司  「ぐはぁっ!」

       「右肩を・・・持っていかれるっ!」

       「ぬぅぉぉぉおぉぉぉっ」  

103十兵衛 「ぐぁばぁぁっ」



激しいぶつかり合いのあとの静寂の中、二人の激しい呼吸音だけが聴こえてくる・・・。
    十兵衛・総司「はぁはぁはぁはぁはぁ・・・・・。」



104小次郎 「これ以上動ける気配は無いようですな・・・そこまでぇい!!」

105チヨ  「凄まじい・・・死合いでしたな・・・・・。」

106小次郎 「総司様!」

       「明らかに右肩口を完全に貫かれている・・・

        総司様、生きておられますか!?。」

107総司  「こじ、ろう・・・」    

108小次郎 「良かった、総司様!」

109総司  「右肩を犠牲に十兵衛の動きを止めつつ、両手で一刀を持ち、

        逆袈裟斬りを放つしかなかった・・・・・・・。」

110十兵衛 「がっはっはっは、実に見事ぢゃったぞ!」

111小次郎 「おぉ!十兵衛殿!」

112十兵衛 「儂は、お主と死合えて良かった!」

113総司  「左様か!」

       「これが、死合いなのか・・・・・。」

114十兵衛 「お主が最後に放った逆袈裟斬り、完璧な間であったわ!」

       「これが死合いなのだ・・・がっはっはっは!」

       「儂も、疲れたし、ソロソロいくかのう・・・がっはっはっは。」

115総司  「そうだな」

       「ん?どうした?十兵衛?・・・十兵衛?」

       「豪快な笑顔のまま、立ちはだかり、絶命している、だと・・・。」

116小次郎 「どうやら、最初の傷が思いのほか、深かったようです。」

117チヨ  「さぁさぁ、十兵衛様の供養をせねばなりますまい、

        葬儀の支度は全てチヨがいたします、総司様は邸で傷の手当と、

        心を落ち着かせていて下さいまし。」

118小次郎 「今は精神を統一して落ち着き、十兵衛殿に感謝していて下さい。」        
119総司  「悪いなチヨ、小次郎、そうさせて貰うぞ・・・・・」

120チヨ  「十兵衛様と共に大典太光世の葬儀もつつがなく終わり、

        総司様の傷も完治すればまた、刀を振るう事も出来まする。」


            (SE:鳥の鳴き声やさえずり)


121チヨ  「いやはや、昨日の今日、あんな凄惨な死合いをして、傷を負っても

        刻限にしっかり稽古とは・・・チヨは参りましたぞい。」

122総司  「命を賭して剣を交える意味、少しは、理解できた気がする・・・」

       「ぜぇぁあ!!」(←渾身の気合入れて)

            (SE:鳥の羽ばたき、去っていく鳥)


123読み手  各して柳生十兵衛との激しい闘争を終えた沖田総司、その胸中は

        如何に変わり、闘いの中で何を得、何を知り、何を忘れ、

        何を捨てたのか・・・・。

        果たして、総司が生死の狭間で視えた物とは?

        そして、沖田総司を巻き込みつつ運命の歯車が廻り始めた・・・。


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最終更新:2013年12月20日 06:07