作者:Elika


アルト:18歳くらい、無鉄砲で実力無視の剣士、熱血バカだけどまっすぐでやっぱりバカ
シエラ:28歳くらい、魔力で治癒するお姉さま、先の戦役で恋人に先立たれた過去を持つ



シエラ「いーかげんさー、自分の実力ってものを考えたらどーなの?」
アルト「うっるさーい!いいのっ、オレは強くなるんだから!!」
シエラ「はぁ……あんた、学習能力ないでしょ?」
アルト「バ、バカにすんなよ!?年下だからって!!」
シエラ「はいはい、勢いだけのヒヨっ子さんね。ほら、動かないで」
アルト「あ……」
シエラ「ふぅ。はい、治療完了、っと。もう大丈夫でしょ?」
アルト「あ、あぁ……ありがと────」
シエラ「ありがとうございますー、でしょう?」
アルト「シエラ、やっぱすげーよな。ヒーラーの力って、すげーよな……」
シエラ「こらー、年上を呼び捨てにするなー。ちゃんとシエラ先生って呼びなs」
アルト「なぁシエラ、その治癒ってやつはどういう仕組みなんだ?」
シエラ「あんた人の話聞いてんの?その耳はアクセサリーショップで?」
アルト「教えてくれよ!!」
シエラ「はぁ……前にも説明したけどさ、あたしの治癒能力は法力じゃなくて魔力なわけ」
アルト「ええっと確かー……法力は、神様に力を分けてもらってー……」
シエラ「そう。魔力は自分が持ってる言葉の力とか、周りにある力を利用してるって感じ」
アルト「法力は神聖で、魔力は強引、みたいなもんか」
シエラ「その解釈はどうかと思うけど……まぁ、あらかたそんな感じね」
アルト「オレ、治癒とかよくわかんないんだけどさ」
シエラ「己の実力すら把握できてないもんねー」
アルト「真面目に聞いてくれよ!!」
シエラ「っ?!」
アルト「オレ、強くなって、シエラを護りたいんだよ」
シエラ「な……自分の身ひとつ守れないヒヨっ子がなにナマいっt」
アルト「お願いだから!!……ちゃんと、聞いてください……」
シエラ「……で?」
アルト「オレには法力とか魔力とか、そんなのは全然、わからないし、できないけど────」
シエラ「懸命な判断ね……」
アルト「でも、あの戦役からずっと、ずっとひとりで辛そうにしてるシエラを、護りたいんだよ!」
シエラ「その話はやめて!!」
アルト「オレぐらいじゃどうにもならない事もわかってる、でも!!でも────」
シエラ「あんたむちゃやりすぎて脳までいってんじゃないの?今日はほら、もう帰っt」
アルト「はぐらかすなよ!!オレの本気から逃げるなよ……頼むよ、シエラ」
シエラ「──けなぃ……ぇ」
アルト「へ……?」
シエラ「ふざけないで、っていってんのよ!オレの本気から逃げるな?!
    自分ひとりすら守れないヘボ剣士のクセして、バカいってんじゃないわよ!!」
アルト「だから強くなるためにこうやって毎にt」
シエラ「あの人は──クラウンは、あんたよりずっと強くてずっとかっこよk」
アルト「だからって死んだら意味ねぇんだよ!!!」
シエラ「うるさい!!!もう……もうやめてよ……!!」
アルト「恋人を残して死ぬやつが強いだなんてオレは絶対認めねぇ!!
    護るべき人がいるんだったら、どんなにかっこ悪くてもどんなに卑怯でも、生き抜くことが強さだ!!」
シエラ「────っ!!」
アルト「オレは、死なない!!シエラを残して死んだりしない!!絶対死なない!!!」
シエラ「だったら、もう少し強くなりn」
アルト「今までだって死ななかった!!銀竜相手にだって、大蛇相手にだって、必ず生きて帰ってきた!!」
シエラ「バカ!倒せなかった上に危うくあんた、死ぬところだったじゃない!!」
アルト「結果だ!!結果、オレは生きて帰ってきたんだ!!オレはずっとシエラのそばにいる!!!」
シエラ「アルト────」
アルト「確かにオレは無鉄砲だし、実力だってない、でもオレは死なない!生きて必ずシエラのそばにいるから!!」
シエラ「そうよ──あんたバカだし計算ないし弱いし」
アルト「でもしぶとい!!」
シエラ「しぶとさだけは認めてあげるわ……だから、あまりあたしを心配させないで」
アルト「え……それじゃあ」
シエラ「銀竜10体」
アルト「へっ?!」
シエラ「銀竜10体よ、ビタ一文まかんないわ。銀竜の牙10対もってきたら、考えてあげるけど?」
アルト「なっ、そ、そんな無茶苦茶だああ!!」
シエラ「うーるーさーいー。デカい口たたくなら、それくらいの覚悟しときなさいよ!」
アルト「ぅ……や、やったろうじゃんかよ!!!」
シエラ「おー、やってもらおうじゃない?やれるもんなら、ねぇ?」
アルト「っっ……くっそーーー!!みてろよシエラ!?後悔させてやるからな!!!」
シエラ「あーはいはい、いってらっしゃいいってらっしゃーい」
アルト「余裕あるのも、今のうちなんだからなーーーー!!!」

シエラ「ふふ……バカなんだから。──さて、と。シルドラールタリスマンの作り方、どこだったっけな……」
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最終更新:2009年08月08日 20:38