『魔法のぱんつ』


私だけの魔法のぱんつ。そろそろ届いているのかな?
インターネットのアレなサイトで見つけた、
私だけのとっておき乙女力(おとめぢから)ブースター!オーダーメイドなの。

キンコンカンコン、チャイムが鳴った!
教室を飛び出しクラウチングスタート!ダッシュ!ダッシュ!走れ!!
階段跳び降り玄関蹴破り校門を突き抜けて
アスファルト踏み割り4トントラックを弾き飛ばしホームルームをすっぽかし
ズサァァァッと土埃巻き上げ、ゴーホーム!アイムカミング!
全てはぱんつを履くために!!!!!

郵便受けが輝いている。
夕日を映して輝いている。
私の宝物がここに在る。一日千秋、待ち焦がれた物がここに在る。
その名はぱんつ、魔法のぱんつ!

ついに出会えた、やっと出会えた、
純白、シルクにレースをあしらい、格調高くも芳しく、これぞ青春、魔法のぱんつ!
出会えたことが嬉しくて、思わず頬ずり。1、2、3。
とたんに白い煙が立ち昇り、ターバンかぶった半裸のデブが登場、刹那に宣いやがる。
「あなたの願いを3つ叶えま」
知るか!
私の願いはただ一つ!ぱんつを履くぞ、それだけだ!!

お呼びでないデブはうっちゃって、いよいよぱんつを履くわけですが、
ここにきて湧き上がる強烈な迷い、もとい、貧乏性。

――特別なぱんつには、履くのにも相応のシチュエーションがきっとある。
  それがどんなものか今の私にはわからない。
  いつか私にもわかる日が来るのかな?
  その日が来ることを信じて。今はおやすみ、魔法のぱんつ――。

なんて言うとでも思ったか!
私は乙女!乙女は今!今この瞬間こそ私、乙女ちっく全盛期!
今履かずにはいられない!
ええい、履くぞ、いや、履いた!
直ちに湧き上がる不思議な魔力。魅力。応力。青春係数。恋愛暴走。唯我独尊。乙女力。
これより世界征服を開始する!

こうして私は魔王になった。
魔王も履いてる魔法のぱんつ。
希望小売価格8980円。今だけのお買い得プライス!税込みです。

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最終更新:2011年11月29日 21:47