『チンコは外に出す』


 「ダンボールでオナニー。チンコは外に出す」
 ……いや、意味が分からない。誰だよこんな意味不明なこと書いたやつ。

 順を追って説明しようか。
 そもそも俺はいつも枕もとにノートを置いて、寝る前に思いついたアイデアや夢の中での出来
事をメモしている。いわゆる夢日記みたいなものだ。スレに投下する台本を書くときなんか、こ
れが結構ネタ出しに使えるんで重宝している。お前らもネタに詰まったときは試してみろ。色々
捗るぞ。

 んで、今朝その夢日記に書かれていたのが、これ。
「ダンボールでオナニー。チンコは外に出す」
 な、意味わかんねーだろ?ほんと誰だよ俺のノートに落書きしたやつ。俺こんなもん書いた記
憶ねーぞ。
 ……あ、あれか。寝てる間に妖精さんがこっそり仕事してくれました、ってやつ。俺が寝てる
すぐ隣で、妖精さんたちがこっそりノートを開いて、身の丈ほどもあるでっかいシャーペン抱え
て、「ダンボールでオナニー」と。はっはっは、どんな嫌がらせだよそれ。妖精さんたち真面目
に仕事しろよ全くよー。
 ……はい、すいません。これ、俺が書きました。間違いなく俺の筆跡です。実はどんなネタな
のかもはっきりイメージできます。書いた記憶こそありませんが、すべての状況証拠が犯人が俺
だと示しています。

 けどさ、昨日の俺さ、何を思ってこんなのメモしたわけ?
 ダンボールの底に小さな穴を開けてさ、夜、会社の倉庫に忍び込んでさ、おもむろに服を脱い
でさ、どこぞのスネークよろしくひっそりダンボールを被ってコトに及ぶわけ。チンコだけ穴の
外に出してさ。
「ハァハァ、暗いの気持ちイイ!」
「ハァハァ、狭いの気持ちイイ!」
「ハァハァ、外の空気、冷たくて気持ちイイ!」
「ハァハァ、ダンボールの穴、ゴリゴリって、僕のオチンチンにひゅんひゅん来ちゃうのぉ!」
 で、巡回中の警備員さんがソレに気がつくわけですよ。……ソレって?もちろん、脱ぎ散らか
した服と、ガタガタ動くダンボールと、男の喘ぎ声と栗の花の匂いですよ。
「こ、こら、貴様、何をしている!」
「あ、警備員さん、らめぇ、僕、イク、イッちゃふゅー!!どぴゅどぴゅどぴゅー!」
 ……ねえ、誰得?もっかい聞くよ、誰得?てゆーか誰が読むんだよ、こんな台本。正気を疑う
よ、実際。全部俺のことだけど。

 まあ要するに俺が言いたいのは、だ。人間、寝起きは本性が出るぞ、ってことと、こんなくだ
らないネタわざわざ台本にするなってことだ。気を付けろよ、お前ら。

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最終更新:2011年06月29日 17:38