『ガーネット、ゼロセンチメートル』

A:男性。少なくとも前半だけは機械的というか、個性が希薄な感じでお願いします。
B:女性。実際の距離より大げさに距離感を取ると、男ゴコロにきゅんと来るかもしれません。


A01「質問。あなたは夢を見ますか?」
B01「はい」
A02「それは、鳥のような夢ですか?」
B02「いいえ」
A03「それは、雲のような夢ですか?」
B03「いいえ」
A04「それは、波のような夢ですか?」
B04「いいえ」
A05「それは、魚のような夢ですか?」
B05「いいえ」
A06「陽が沈みはじめました」
B06「はい。オレンジ色の夕日がとっても綺麗です。白い雲が滲む。白い波が煌めく。鳥たちは
  オレンジ色の空のなかでまるで影絵のよう。魚は……さすがに見えないかも。オレンジの光
  がじんじんする。海風がしょっぱい。オレンジ、それからオレンジ、白、黒。綺麗。すごく
  綺麗。きっとこの景色はガーネットで出来ている」
A07「あなたの夢は、ここにありますか?」
B07「いいえ。ここは夢のような場所。だけど本物です。私がこの目で、この肌で感じ取るリア
  ル。だから、いいえ。これは夢じゃない。……でもね」
A08「はい?」
B08「目の前にあなたがいるの。40センチ向こうにあなたが。この景色を教えてくれたあなた
  が」
A09「はい」
B09「私はね、思うの。私たちの距離は、もっとずっと近づける。カラダを越えて、ココロを越
  えて、ゼロよりもっとすぐ傍に。いつか、きっと」
A10「あなたの夢は」
B10「『私の夢はここにあるか?』……はい。私は毎晩、あなたのことを想っている。あなたは
  どう?私のこと、ちゃんと想ってくれている?」
A11「はい」
B11「本当に?……だったら、この夕日の先にあるのが、私の夢」