『かじかむ』

A:男性。割とずぼらな性格。……というか彼女が時間にうるさすぎるだけかも?
B:女性。時間にうるさい。……でも彼氏と合流した後はあんまり時間気にしないんですね。


A01「悪い、遅れた!」
B01「おっそーい!1分48秒の遅刻。楽しい楽しいデートの時間が1分48秒も減っちゃいました!
  お喋りに換算しておよそ180語、お散歩にしておよそ150メートル、ショッピングに換算して
  およそ310円分、キスに換算しておよそ……って何言わせるんだバカー!とにかく、それだ
  けのステキ時間を無駄にしちゃったわけ。反省してる?」
A02「つくづく思うんだが、お前その計算式」
B02「口答えは時間の無駄だー!」
A03「サー、イエッサー!」
B03「私は女だー!」
A04「イエス、ミズ!」
B04「……はー、朝からテンションあげさせないでよ、まったく」
A05「いや、デートなんだからテンション高くていいと思うぞ。……ほら、ミルクティー飲めよ。
  喉乾いただろ」
B05「いつの間に」
A06「さっきそこの自販機で。遅刻したお詫びとして、な」
B06「お、ま、え、それ買うためにいったい何秒無駄にしたかー!」
A07「悪かった。悪かった。悪かったって」
B07「……ったく。でもありがと。……痛っ!」
(※SE:Bが手を滑らせて、カツン、とミルクティーの缶を地面に落とす音)
A08「ど、どうした?」
B08「大丈夫、ちょっとびっくりしちゃっただけ。ほら、手、かじかんじゃってて」
A09「冷(つめ)た!」
B09「へっへっへ。仕返しー」
A10「仕返しー。じゃなくて、お前いつからここにいたんだ」
B10「……1時間くらい」
A11「時間の無駄は嫌いじゃなかったのか?」
B11「別にー。私はただデートの時間がもったいないってだけで」
A12「……ゴメン。ほら、ミルクティーの缶貸せよ。かじかんだ手じゃ開けられないだろ」
(※SE:プシュッ、とAがミルクティーの缶を開ける音)
B12「ありがと」
A13「……どうした?早く受け取れよ」
B13「……缶、熱くて持てない」
A14「あ、そっか。ならこれ使えよ」
B14「何これ」
A15「軍手。俺が普段手袋がわりに使ってるやつ」
B15「は?何それ、もしかしていつも軍手はめて街の中歩いてるわけ!?」
A16「え、普通だろ?」
B16「信じられない。何それ、超ダサい、ダサすぎ。ありえない。せめてカラー軍手にしよう
  よー!ピンクとかブルーとかの」
A17「え、ピンクとかブルーとかならいいんだ」
B17「決めた。今からホームセンター行こう。こんなダサいの二度と使わせないんだから。ほ
  ら、行くよ。もたもたしてるのは時間の無駄!」
A18「え、あ、ミルクティーは?」
B18「飲んで。あと寒いから手、繋ご」
A19「……はいはい」
B19「駆け足ー!」
A20「何で!?」
B20「寒いから!」
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最終更新:2012年07月22日 16:04