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シロイセカイ



――見渡す限り、真っ白な世界。
いつからだろう、一人きりになってしまったのは。

全てを失った俺は。いや、失ったのではない。
捨ててしまったのだ。全てを。

だが俺はそこから歩きだそうと思い、足を動かそうとした。
が、その刹那戦慄が走った。歩きだせない!?
そう俺はどこに行けばいいのか道を見失ってしまった。

口を開くと、ぽかり、と白い吐息が漏れた。
霧のように漂うそれを見つめて、もう一つ吐息をついた。

絶望も希望も何もない。
全てを捨てた俺に、この真っ白な世界に、残った物は一体なんなのだろうか。
俺が望んだのは本当にこんな世界なのだろうか。

いつの間にか、頭を垂れ、白い世界に膝をついていた。
――もう疲れただろう、目を閉じて休んでしまえばいい。
しんしんと降り積もる白い死神が、優しく囁く。

そして俺は、最後に俺自身を捨てることにした。
足元から白く染まっていく俺。


――これでやっと、世界の全ては白で埋まった。