「アエイウエオア王物語」

※注意
この台本の著作者は声劇スレと無関係です。


侍女01「アエイウエオア王様に申し上げます。隣国のワエイウエヲワ王が、ついに国境まで攻めてまいりましたとの知らせでございます」
女王01「何ですと。隣国のワエイウエヲワ王が攻めてきたと申すのですか。このアエイウエオア王である私が女だと思って見くびってきたのですね」
侍女02「はい。細かいことはしかとは判りませぬが、ナネニヌネノナ野の野原の辺りに数限りない軍勢を引き連れて、今にもわが国の中に押し入ろうとする様子なのだそうでございます」
女王02「何、もうナネニヌネノナ野までも来たと申すのですか。それでは致し方がありません。カケキクケコカ公爵に、早速このタテチツテトタ塔の上にまで来るように伝えてください」
侍女03「はい、かしこまりました。カケキクケコカ公爵に、早速このタテチツテトタ塔の上にいらっしゃるようお知らせいたします」
女王03「一刻も早く頼みます」
公爵01「アエイウエオア王様、カケキクケコカ公爵が参上いたしました。聞けば、ワエイウエヲワ王が、もうナネニヌネノナ野までも押し寄せて参ったとの事、これは容易ならぬことでございますな」
女王04「おお、公爵、そのことで相談したいと思いましたのじゃ。どうしたらよいのであろう」
公爵02「はい、なにぶんにもただ急いでタテチツテトタ塔に来いというだけのお話でございましたから、まだ何も考えてありませぬが」
女王05「でも、軍隊のことはいつもお前に任せてあります。お前の考えはどうなのですか」
公爵03「はい、敵の軍隊は大体七万、わが国はせいぜい四万、その上あの戦上手のワエイウエヲワ王がもうナネニヌネノナ野までも来ているといたしますと」
女王06「それでは、あのにくいワエイウエヲワ王には勝てぬと申すのか」
公爵04「はい。このままでは敗北するより他にはいたしかたが無いと存じますが、ただ・・・」
女王07「ただ、どうしたと申すのじゃ」
公爵05「ただ、わが国には科学大学の大学者で、サセシスセソサ僧正と申す者がおります。もしその僧正が新しい兵器を造っておれば、あるいは我が国の大勝利かとも存じます」
女王08「なに、サセシスセソサ僧正ですと。では早速呼んでみましょう」
公爵06「はは。おい、そこの侍従、サセシスセソサ僧正のところに行って、今すぐにこのタテチツテトタ塔へ来るように伝えてくれ。いいか、すぐにだぞ」
侍女04「はい、かしこまりました。サセシスセソサ僧正様に、至急このタテチツテトタ塔においでになりますようお伝えいたします」

僧正01「サセシスセソサ僧正でござります。急いで参れとのことでござりましたが、アエイウエオア王様にカケキクケコカ公爵、いったい何事でござりまするな」
女王09「おお、サセシスセソサ僧正か。隣の国が我が国に攻めてきたのです」
僧正02「すると、ワエイウエヲワ王がでござりまするか」
公爵07「さよう。それももう国境まで来ているのです」
僧正03「ではナネニヌネノナ野まででござりまするな。それは一大事」
女王10「それで、今の今もこのカケキクケコカ公爵とも相談いたしたのじゃが、まともに戦ったのでは勝ち目が無いということゆえ」
公爵08「僧正様も何とか良い知恵を出してはくださらぬか」
女王11「そなたは、何か新兵器を工夫いたしておるらしい様子」
公爵09「その新兵器を教えていただきたいのです」
僧正04「新兵器と申しましても、原爆や水爆と違って人を殺すのには役に立ちませぬが、幸い、ハヘヒフヘホハ砲という大砲が昨日完成いたしたばかりでござりまする」
公爵10「戦争というのに、人を殺せないような兵器では何にもならぬではありませんか」
女王12「お待ちなさい。サセシスセソサ僧正、いったいそのハヘヒフヘホハ砲というのはどんな大砲なのですか」
僧正05「人を笑わせるためのものでござりまする。とにかく命中しさえすれば、どんな人でも、どんな時でも、ハハハハ、ヒヒヒヒ、フフフフ、へへへへ、ホホホホ、と笑い出さずにはいられぬわけでござりまする」
公爵11「なるほど。そこを攻めていけば味方は大勝利ですな」
僧正06「いやいや、攻めてはなりませぬぞ。敵が笑い始めたならばその次には、マメミムメモマ網という網を仕掛けますのじゃ」
女王13「マメミムメモマ網ですと」
僧正07「はい。これは笑っている間は目に見えず、しかも一度かかれば自分ひとりの力ではいかにしてもはずせませぬ」
公爵12「それでは全部生け捕りにできますな。面白い。早速そのハヘヒフヘホハ砲とマメミムメモマ網とをお貸ししていただきましょう」
僧正08「では私といっしょにいらしてくだされ。王様はどうぞこのタテチツテトタ塔の上から、ごゆるりとご覧くださりますように」

侍女05「王様に申し上げます。ただいま伝令が参りまして、ハヘヒフヘホハ砲とマメミムメモマ網とによって、味方は大勝利とのことでございます」

侍女06「王様に申し上げます。ただいま第二の伝令が参りまして、敵のワエイウエヲア王を捕らえたが、いかが致したらよいかとのことでございます」

女王14「王様までも生け捕りにしたのですか。それでは一時、ラレリルレロラ牢の中にと申し付けます。」
侍女07「かしこまりました。ラレリルレロラ牢にと申し付けます」

侍女08「王様に申し上げます。ただいまカケキクケコカ公爵様が凱旋あそばしました」
公爵13「王様、味方は大勝利でございます。敵の王様はラレリルレロラ牢の中で、もう泣いて謝っております」
女王15「本当にご苦労様でした。お礼を言いますぞ」
公爵14「はは。このたびの大勝利、カケキクケコカ公爵、心からお祝いいたします」

侍女09「ただいまサセシスセソサ僧正様がおいでになさいました」
僧正09「王様にお願いがござりまする。あのワエイウエヲワ王をラレリルレロラ牢から出してやってはいただけますまいか。心から後悔いたしておる様子でござりまするし、このタテチツテトタ塔に連れて参って二つの国の仲直りができますれば、サセシスセソサ僧正、これほど嬉しいことはござりませぬ。いかがでござりまするな、カケキクケコカ公爵」
公爵15「はい、私からもお願い申し上げます」
女王16「よろしいとも。二人がそういうのなら喜んで許しましょう。そうして、この夜をヤエイユエヨヤ夜と名づけて、これから毎年、この夜には二つの国でそろって仲直りのお祝いをすることといたしましょう」
公爵16「ヤエイユエヨヤ夜」
僧正10「ヤエイユエヨヤ夜とは、また面白い名でござりまするな」
侍女10「では王様、このヤエイユエヨヤ夜のことをすぐに国中に知らせることにいたしましょう」
女王17「ああ、そうしてください。これからはこの夜をアエイウエオア王国とワエイウエオワ王国の一番大切な夜とします」
僧正11「アエイウエオア王国万歳」
公爵17「アエイウエオア王国万歳」
侍女11「アエイウエオア王様万歳」

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最終更新:2019年08月03日 14:23