『弟はおもちゃではありません』

姉01「やっだー。かーわーいーいー」
弟01「…モウヤダシニタイ」
姉02「ちょっと死なないでよー。
   その恰好で町内を一周して商店街をウィンドゥショッピングして
   女性向け下着専門店で「Gカップなんですけどサイズありますか?」って聞くまで
   罰ゲームは終わらないよう?」

弟02『鬼だ。姉という生き物は生まれながらにして鬼畜なのだ、俺はそう確信した』


弟03『数分前…』

姉03「弟ー、姉ちゃんのプリンしらなーい?」
弟04「えっ、あれ姉さんのだったの?」
姉04「…………。食ったなああああああああああああ!!」
弟05「ぎゃあああああああああああああ!!」

弟06『暗転。そして、姉のご機嫌をとるために俺は姉の着せ替え人形と化し、現在に至る』


姉05「いやーこれは笑えるわー。弟、鏡見てみなよー、かわいいから」
弟07『苦笑しか出んわボケェ!…とは言えない』
姉06「あっ髪もちゃんとしなきゃねー。シュシュとボンボンどっちにする?」
弟08「モウスキニシテクダサイ…」
姉07「はいはい、おまかせあれ。ねえ、昔はよくこうやって髪縛ってあげてたよね」
弟09『ああ…そういえば昔もおもちゃにされてましたね』
姉08「弟君、すごく喜んでたよね、懐かしいなあ」
弟10『喜ばねーよ邪魔だったよ髪飾りとかスカートとか』
姉09「弟君、最近お友達と遊んでばっかりだし、家にいてもずっと自分の部屋にこもってるから、
   姉ちゃんさびしいなー…」

弟11『それきり、姉は静かになった。
   もしかすると、罰ゲームというのは方便で、姉は話をしたかっただけなのかもしれない。
   髪に櫛を入れる手つきは、優しかった……』

弟12「あのさ、姉ちゃん…」
姉10「さっ、でーきたー! じゃあ、お散歩いこっか!」

弟13『俺は、一瞬でも情けをかけた自分を呪った』

姉11「食い物の恨みは恐ろしいんだぞー」
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最終更新:2011年02月27日 18:26