『泥と白』


学校の帰り道に大きな水たまりができていました。
白い女の子がパンを一つ水たまりに浮かべて、その上を歩いて渡りました。
お友達もみんなそれにならって渡ります。
ふかふかパンはぺちゃんこに、ぐずぐずのぐじゅぐじゅのにちゃにちゃに。
最後に私が渡る頃にはただの泥の塊になっていました。
それでも我慢して渡ろうとすると、おとなりのおじさんが出てきて怒鳴りました。
「こらー!食べ物を粗末にするんじゃない!」
びっくり、私は足を滑らせ、たちまち溺れて沈んで小さな泡になってしまいました。
さよなら。さよなら。

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最終更新:2011年03月09日 22:42