女王 1「暇。暇、暇、ひーまーでーすー!」
大臣 1「陛下!何を騒いでおられるのです、はしたない」
女王 2「暇です、大臣。何か大きな事件はないのですか?」
大臣 2「一国を治める者が発するセリフではございませぬ」
女王 3「だって、暇です。王様になったというのに、何も働いておりません」
大臣 3「陛下は御幼少でございます。政り事は家臣にお任せになってくださいませ。
あなた様はまだ学ばなければならぬ事の方が多いのです」
女王 4「それは存じております。感謝もしております。でも暇なのです」
大臣 4「そんな子供のようなことを……」
女王 5「私は子供なのです。大臣も幼少と言ったではありませんか」
大臣 5「ならば催し事を開いてみてはいかがです?
この数年、都は冷たい戦の風にふきさられています。
民である兵士たちに、里心を思わすような、美しい花の祭りを……」
女王 6「大臣、それは楽しい試みです。すぐ準備なさい!」
大臣 6「かしこまりました」
女王 7「そうです、この国は笑顔が枯渇してます。きっと皆喜んでくれるでしょう」
大臣 7「何も知らず……馬鹿な娘だ」
女王 8「あら大臣、何か申しました? よく聞こえなくて」
大臣 8「いいえ陛下。風の囁きでございましょう」
最終更新:2011年01月03日 09:50