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「医師とカナリアとナイチンゲール」

先生・・・医者先生
少女・・・看護婦見習い
女性・・・


 山道---

先生01(M)山にかけて 雨が降る
     霧の雨は木々を濡らし 土を潤し
     そして我々の皮マントをめちゃめちゃにしていく

先生02「わっと・・・」
少女01「先生!もう、足元気をつけてくださいよう!」
先生03「悪い悪い。ケガはしてねえよ」
少女02「先生の心配じゃありませんよ。
    先生の持ってるカバンのほうです。
    あー本当心配だなあ。私、持ってあげましょうか?」
先生04「いらねえよ。
    にしてもこりゃ、あとあと強くなりそうな雨脚だな」
少女03「げー。参ったなあ。
    どこか山小屋でもありゃいいんですけれど」
先生05「山小屋、かあ・・・」
少女04「なんです。先生、どこかご存知なんですか」
先生06「違えよ。ありゃいいなという希望をこめたんだ」
少女05「嘘ばっかり。何か思いつきましたね。何か隠してますね。
    白状してください。
    高名な神医にその愛弟子が、医者の無養生で
    ブっ倒れたなんて笑い事じゃすみませんよ。」
先生07「うるせえなあ」
少女06「うあ、今何か光った。雷ですよ雷。
    私達金属だらけじゃないですか。
    あああー、あれに当たって死んじゃうんだ。
    短い人生を儚みますよ。化けてでますよ。」
先生08「うるせえっつってんだろ!わかったよ。山頂だ、歩くぞ」
少女07「へーい」


 山頂の屋敷---

(ドアを叩く音)

先生09「すみませーん。すーみーませーん」
少女08「ここまで来て留守ですかー?」
先生10「そんな筈は」

(ドアが開く)

女性01「・・・何か」
先生11「うおっ」
少女09「よかった、人ですよ。人がいましたよ。
    ・・・先生、何黙ってるんですかあ。」
先生12「・・・カナリアか?」
女性02「・・・あなたは?」
先生13「山越えの途中、雨に降られて難儀しているんだ。
    雨があがるまで、避難させていただけないかと伺いに来た」
女性03「・・・・・・事情はわかりました。
    ですが・・・どうして私をご存知なのですか」
先生14「私は――貴方は覚えていらっしゃらないかもしれないが、
    聖騎士ナイトハルトの従き人であった、シヴァという者です。
    彼と共に、同じように宿を求めたことがあり、
    この場所とあなたを知っていました。・・・他意はありません」
女性04「そうですか・・・・・・どうぞ、中へ」
少女10「わあ、ありがとうございます、助かります」
女性05「この子は・・・」
先生15「私の弟子です。あ、私は医学のほうの・・・」
女性06「知っています。シヴァ・ハルトマン。貴方は従軍医でした。
    そして、お久しぶりです。ヴァーヴァ。」
先生16「・・・・・・貴方は変わらず美しい。」


 山小屋、客間---

少女11「変わらず美しい…だって。」
先生17「なんだよ」
少女12「べっつにい。・・・ねえ先生。私わかっちゃいましたよ。
    先生が私とここに来たくなかった理由。」
先生18「別にお前じゃなくても・・・
    ここは、なんの理由もなく来ていい所じゃないんだよ」
少女13「ふーん。へー。ほー」
先生19「なんだよ。何か勘違いしてるんじゃねえの、お前。
    向こうはここら一帯の森を治める巫女さんだぞ」
少女14「へー。巫女様。障害の高あい相手ですねえ。
    燃えちゃいますねえ」
先生20「おい」
少女15「そんなら私なんて連れてきたら何勘違いされるか
    わかったもんじゃないですからねえ。
   【あれは娘?にしては大人びた子。
    年の離れた恋人?まさか、あの人に限って
    ・・・でも人は変わるもの】」
先生21「お前女に見られたいなら、もっと身なりを気遣えよ。
    断言するがカナリアは確実に男だと思ってるぞ、お前のこと」
少女16「でしょうねえ。そうでもなけりゃあ水もしたたる少女と
    中年男を同じ部屋に泊めるわけがありませんよね」
先生22「初潮も来てない癖に何が恥ずかしいんだよ」
少女17「うああうああー! 最低ー出てけー」
先生23「うるせえから軒でヤニ吸ってくらあ。」
少女18「そのままシケこんで帰ってこないでください変態」
先生24「どこでそんな下品な言葉遣いを覚えるんだかなあ・・・」

(ドアが閉る)

少女19「・・・あんたが言いますか、あんたが」


少女20「雨・・・やみそうも無いなあ・・・」