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『[[これ>無題]]』の続編。隊長が過去を回想する話 みたいな A:主人公的な何か。しかし今回は脇役。二十代。 B:隊長。鬼畜。アラウンド還暦と言い張っている。 C:若き日の隊長。この時点では副隊長。きっとイケメン、あるいはチョイワルオヤジ。鬼畜度低め。三十路↑? D:女性。副隊長の部下。あるいは隊長の元部下。あるいは、恋人かも。二十代。 C1「……ん……んぅ……ん……?」 D1「あ……お目覚めですか、副隊長」 C2「ん……眠…………今、何時……?」 D2「朝の5時です。……もうじき、夜明けですよ」 C3「わかった……ふぁあ……あと10秒で起きるから、待ってて……」 D3「……はい」 C4「……んっ、と。ふぅ……オハヨ。どう? 夕べはよく眠れた?」 D4「はい。……その、おかげさま、で」 C5「そっか、ならいいや。こっちも抱きまくら冥利につきるってもんだね」 D5「あ、いや、その……す、すいません、副隊長。こんな、あの、わ、私の、せいで……」 C6「いいっていいって。部下のメンタルケアも、上司の勤めだからさ」 D6「……ホントに、すいません」 C7「謝らなくていいから。ね。僕の方も、寝心地よかったし。いいよねぇ……若い子の、ヤワハダって」 D7「あ、……あぅ」 C8「あっはっは、顔真っ赤だよ? ……さぁっ、て、と。オシゴトまでちょっと時間あるし、コーヒーでも入 れるよ」 D8「は、はい。すいません、副隊長……」 C9「……謝ってばっかりだねえ。キミ。さっきから言ってるでしょ? 謝らなくていい、って。僕もさ、そーゆ ー仲の相手を許さないほど、厳しいつもりはないよ」 D9「……はい……」 C10「まあ、そーゆートコロが、キミの可愛いところでもあるんだけどさ」 D10「か、可愛いなんて、そんな」 C11「可愛いよ。キミは。……とってもね」 D11「……あ、ありがとう、ございます。副隊長……」 C12「(小声で)……いやあ、いいねえ……朝から若い子とピロートーク……」 D12「……あの、副隊長」 C13「ん? どうしたの?」 D13「…………副隊長は、吸血鬼やゾンビについて、どう思いますか?」 C14「……また、ずいぶんと唐突だね」 D14「すいません……でも、昨日、少し考えたんです」 C15「……何を?」 D15「何故……彼等は、蘇るのか、と」 C16「……へえ。面白いじゃない。キミが自分からそんなコトを考えるなんて」 D16「……おかしい……ですよね、やっぱり。……蘇った家族を手に掛けた私が、そんな事を考えるのは……」 C17「だからこそ、考えたんじゃない? まあいいよ。興味、あるし。それで、わかったの? どうして、彼等が 蘇るのか」 D17「……逢いたかった」 C18「え?」 D18「逢いたかったんだと、思います。死んでも、誰かに、逢いたかった……」 C19「アレに生きてた時の自我はないよ? 知ってるでしょ? ただ食う事しか脳がないんだから」 D19「それはわかっています。……でも、だからこそ、思うんです。ゾンビも、吸血鬼も、誰かに逢いたくて、蘇 ったんじゃないか、って」 C20「……ふぅん」 D20「…………あの瞬間は、ただ目の前の危機から脱する事に……父や母を楽にしてあげる事に、精一杯で……今 になって、やっと思い当たったんです。あの時、両親がどんな気持ちで、ドロドロに腐った両手を差し出してき たのか」 C21「うん。続けて」 D21「……耳を、塞ごうとしてくれたんです」 C22「……耳?」 D22「はい。……副隊長は、夢の中の騒音で、目が覚めた事はありますか?」 C23「夢の中? ……いいや? そもそも夢を見る事がないな、あんまり」 D23「私、よくあったんです。夢の中で、身体は全然動かなくて……わけのわからない騒音が、頭の中で響いて… …それで、無理矢理、目を覚ますんです」 C24「うん」 D24「……そうやって悪夢に飛び起きた時、両親は私の耳を塞いでくれたんです。夢の中でも耳を塞いであげるか ら、大丈夫って。……そうすると、自然に眠れるんです」 C25「おまじないってヤツだね」 D25「はい。……きっと、あの時の私は、悪夢にうなされた子どもみたいな顔をしていたんでしょう。だから、… …両親は、私の耳を塞いでくれようとしたんです。……たとえ、あんな手になっていたとしても」 C26「……」 D26「……副隊長。副隊長は、どうしますか?」 C27「…………何?」 D27「もし、自分の大切な人が、……ゾンビや、吸血鬼になったら」 C28「殺すよ」 D28「…………そう、ですか」 C29「うん。殺す。徹底的に。誰であっても。何であっても。……殺さなきゃ、こっちが死ぬし」 D29「…………副、隊長」 C30「何?」 D30「やっぱり、ワガママ……ですよね、私」 C31「……何が、だい?」 D31「私は……血まみれになっても……貴方ニ抱カレタイ……」 (急に声色が変わる。まるで、ゾンビを思わせるような声色に) C32「なッ!?」 D32「副隊長……私ハ、ズット、貴方ノ事ガ……好キデシタ……」 C33「違……なんで、キミは、……そんな、バケモノ、なんかじゃ……!」 D33「副隊長……ダイスキ……アハハハハハハハッ!!!」 C34「……ッ、この、……バケモノめえええッ!!」 (響き渡る銃声) B1「ッ!?」 A1「……どうしましたか? 隊長」 B2「……いや、なんでもないよ。気にしないで」 A2「……はい。わかり、ました……?」 B3「…………ふう。まったく、バカだったなあ。……知り合いの顔をしてても、ゾンビはゾンビだっていうのに さあ。……全く、本当に、バカだよ。僕も、……あの子も」
『[[無題]]』の続編。隊長が過去を回想する話 みたいな A:主人公的な何か。しかし今回は脇役。二十代。 B:隊長。鬼畜。アラウンド還暦と言い張っている。 C:若き日の隊長。この時点では副隊長。きっとイケメン、あるいはチョイワルオヤジ。鬼畜度低め。三十路↑? D:女性。副隊長の部下。あるいは隊長の元部下。あるいは、恋人かも。二十代。 C1「……ん……んぅ……ん……?」 D1「あ……お目覚めですか、副隊長」 C2「ん……眠…………今、何時……?」 D2「朝の5時です。……もうじき、夜明けですよ」 C3「わかった……ふぁあ……あと10秒で起きるから、待ってて……」 D3「……はい」 C4「……んっ、と。ふぅ……オハヨ。どう? 夕べはよく眠れた?」 D4「はい。……その、おかげさま、で」 C5「そっか、ならいいや。こっちも抱きまくら冥利につきるってもんだね」 D5「あ、いや、その……す、すいません、副隊長。こんな、あの、わ、私の、せいで……」 C6「いいっていいって。部下のメンタルケアも、上司の勤めだからさ」 D6「……ホントに、すいません」 C7「謝らなくていいから。ね。僕の方も、寝心地よかったし。いいよねぇ……若い子の、ヤワハダって」 D7「あ、……あぅ」 C8「あっはっは、顔真っ赤だよ? ……さぁっ、て、と。オシゴトまでちょっと時間あるし、コーヒーでも入 れるよ」 D8「は、はい。すいません、副隊長……」 C9「……謝ってばっかりだねえ。キミ。さっきから言ってるでしょ? 謝らなくていい、って。僕もさ、そーゆ ー仲の相手を許さないほど、厳しいつもりはないよ」 D9「……はい……」 C10「まあ、そーゆートコロが、キミの可愛いところでもあるんだけどさ」 D10「か、可愛いなんて、そんな」 C11「可愛いよ。キミは。……とってもね」 D11「……あ、ありがとう、ございます。副隊長……」 C12「(小声で)……いやあ、いいねえ……朝から若い子とピロートーク……」 D12「……あの、副隊長」 C13「ん? どうしたの?」 D13「…………副隊長は、吸血鬼やゾンビについて、どう思いますか?」 C14「……また、ずいぶんと唐突だね」 D14「すいません……でも、昨日、少し考えたんです」 C15「……何を?」 D15「何故……彼等は、蘇るのか、と」 C16「……へえ。面白いじゃない。キミが自分からそんなコトを考えるなんて」 D16「……おかしい……ですよね、やっぱり。……蘇った家族を手に掛けた私が、そんな事を考えるのは……」 C17「だからこそ、考えたんじゃない? まあいいよ。興味、あるし。それで、わかったの? どうして、彼等が 蘇るのか」 D17「……逢いたかった」 C18「え?」 D18「逢いたかったんだと、思います。死んでも、誰かに、逢いたかった……」 C19「アレに生きてた時の自我はないよ? 知ってるでしょ? ただ食う事しか脳がないんだから」 D19「それはわかっています。……でも、だからこそ、思うんです。ゾンビも、吸血鬼も、誰かに逢いたくて、蘇 ったんじゃないか、って」 C20「……ふぅん」 D20「…………あの瞬間は、ただ目の前の危機から脱する事に……父や母を楽にしてあげる事に、精一杯で……今 になって、やっと思い当たったんです。あの時、両親がどんな気持ちで、ドロドロに腐った両手を差し出してき たのか」 C21「うん。続けて」 D21「……耳を、塞ごうとしてくれたんです」 C22「……耳?」 D22「はい。……副隊長は、夢の中の騒音で、目が覚めた事はありますか?」 C23「夢の中? ……いいや? そもそも夢を見る事がないな、あんまり」 D23「私、よくあったんです。夢の中で、身体は全然動かなくて……わけのわからない騒音が、頭の中で響いて… …それで、無理矢理、目を覚ますんです」 C24「うん」 D24「……そうやって悪夢に飛び起きた時、両親は私の耳を塞いでくれたんです。夢の中でも耳を塞いであげるか ら、大丈夫って。……そうすると、自然に眠れるんです」 C25「おまじないってヤツだね」 D25「はい。……きっと、あの時の私は、悪夢にうなされた子どもみたいな顔をしていたんでしょう。だから、… …両親は、私の耳を塞いでくれようとしたんです。……たとえ、あんな手になっていたとしても」 C26「……」 D26「……副隊長。副隊長は、どうしますか?」 C27「…………何?」 D27「もし、自分の大切な人が、……ゾンビや、吸血鬼になったら」 C28「殺すよ」 D28「…………そう、ですか」 C29「うん。殺す。徹底的に。誰であっても。何であっても。……殺さなきゃ、こっちが死ぬし」 D29「…………副、隊長」 C30「何?」 D30「やっぱり、ワガママ……ですよね、私」 C31「……何が、だい?」 D31「私は……血まみれになっても……貴方ニ抱カレタイ……」 (急に声色が変わる。まるで、ゾンビを思わせるような声色に) C32「なッ!?」 D32「副隊長……私ハ、ズット、貴方ノ事ガ……好キデシタ……」 C33「違……なんで、キミは、……そんな、バケモノ、なんかじゃ……!」 D33「副隊長……ダイスキ……アハハハハハハハッ!!!」 C34「……ッ、この、……バケモノめえええッ!!」 (響き渡る銃声) B1「ッ!?」 A1「……どうしましたか? 隊長」 B2「……いや、なんでもないよ。気にしないで」 A2「……はい。わかり、ました……?」 B3「…………ふう。まったく、バカだったなあ。……知り合いの顔をしてても、ゾンビはゾンビだっていうのに さあ。……全く、本当に、バカだよ。僕も、……あの子も」

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