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吟遊詩人の話  今より語りし舞台はある小国。歴史に埋もれた名も伝わらぬ小国の話。  遠く忘れられた歌を、お聞かせしましょう。  恐ろしきかの悪魔が、かの兵器が、再びこの世に現れしその時の為。遥か未来に捧げる古き歌を。  暦(れき)にして百〇六、暦(こよみ)にして初春。小国は二つの都を有し、二人の王を有した。  細めき国土をさらに南北に分け、戦乱の世へと迷い込んでいた。  かの冬の帝王バジリウスは言った。 ”目玉焼きには醤油、醤油こそ至高。  油で焼かれた白身と合わさる至高のとろけるハーモニー。  雪原をとかす黒、力の象徴、それこそが醤油  それこそがかの国を、世界を幸いへと導く”  花の女王リリシャは言った。 ”人はパンのみに生きるにあらず、肉は塩なしにして食べるにあらず  そして卵はその肉によって生まれしものと。目玉焼きには塩、塩こそ究極。  熟した黄身の上にふりまかれる淡い粉雪、落ちては溶け水となり血となる春の訪れ  それこそが かの国を活かし、世界をその手に抱く”  戦いは長く続いた。二つの小国は一進一退を繰り返し……いつしか戦う意味すら忘れられる程に長く続いた。  戦いは、自然に消えていくようにも、永遠に続くようにも思われた  かの兵器が現れるまでは  卵を酢と分離し拡販する事によって作られるその兵器の名を マヨネーズ という  卵から作られし、卵の付け合せ。誰もがはじめはそれを信じようとしなかった。  しかし 信奉者は増えていった。はやり病より早く、二つの国の人々の間に蔓延していった。  一日、二日、三日、十日、一ヶ月、一年、十年、百年……  ――そして世界は滅びたのだそうだよ、嘘みたいだろう?
吟遊詩人の話  今より語りし舞台はある小国。歴史に埋もれた名も伝わらぬ小国の話。  遠く忘れられた歌を、お聞かせしましょう。  恐ろしきかの悪魔が、かの兵器が、再びこの世に現れしその時の為。遥か未来に捧げる古き歌を。  暦(れき)にして百〇六、暦(こよみ)にして初春。小国は二つの都を有し、二人の王を有した。  細めき国土をさらに南北に分け、戦乱の世へと迷い込んでいた。  かの冬の帝王バジリウスは言った。 ”目玉焼きには醤油、醤油こそ至高。  油で焼かれた白身と合わさる至高のとろけるハーモニー。  雪原をとかす黒、力の象徴、それこそが醤油  それこそがかの国を、世界を幸いへと導く”  花の女王リリシャは言った。 ”人はパンのみに生きるにあらず、肉は塩なしにして食べるにあらず  そして卵はその肉によって生まれしものと。目玉焼きには塩、塩こそ究極。  熟した黄身の上にふりまかれる淡い粉雪、落ちては溶け水となり血となる春の訪れ  それこそが かの国を活かし、世界をその手に抱く”  戦いは長く続いた。二つの小国は一進一退を繰り返し……いつしか戦う意味すら忘れられる程に長く続いた。  戦いは、自然に消えていくようにも、永遠に続くようにも思われた  かの兵器が現れるまでは  卵を酢と分離し拡販する事によって作られるその兵器の名を マヨネーズ という  卵から作られし、卵の付け合せ。誰もがはじめはそれを信じようとしなかった。  しかし 信奉者は増えていった。はやり病より早く、二つの国の人々の間に蔓延していった。  一日、二日、三日、十日、一ヶ月、一年、十年、百年……  ――そして世界は滅びたのだそうだよ、嘘みたいだろう?

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