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自殺併願者の希望」(2010/10/17 (日) 13:45:28) の最新版変更点

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**自殺併願者の希望 製作者:ちゃま ◆A3zAmH5eqc (またまた屋上ですが今回は配役が違います。便宜上Cとして彼は高校生です) A「ん~、寒いとは言え、此処はやっぱり気持ちいいなぁ。ってあれ?」 C「あ、どうも。此処のビルの方ですか?」 A「そうだけど……その制服、T高でしょ?」 C「ええ、良くご存知ですね」 A「私も卒業生だからねぇ~。で、今日学校なんじゃないの?」 C「いえ、僕は三年なんで授業は無いんですよ」 A「でもこんな時間から制服でうろうろしてたら、補導されちゃうよ? 早く家に帰った方がいいよ?」 C「いえ、此処のビルの中でこの格好になりましたから大丈夫ですよ。それに、家に帰るのは嫌なんです」 A「なんで? 分かった! ご両親と喧嘩したんでしょ~? ダメだよ~。肝心なのは謝ることだよ!」 C「そうじゃないんです」 A「じゃあどうして?」 C「あなたに話す義務はない、と言いたいところですけど、袖触れ合うのも多少の縁。少しお話します。実は今日T大の合格発表なんです」 A「T大! 凄いじゃない。将来は官僚コースね。私も受けたんだけど滑っちゃってねぇ~」 C「ですが、僕のところは貧しくて浪人も出来ないんですね。父は幼い頃、ガンで他界しましたからずっと母が女手一つで育ててくれたんですよ」 A「なるほど……。でも何でこんなところに?」 C「母が自宅で合格通知を待ってるんです。それを見た後メールしてくれるんですが、落ちてたら此処から飛び降りようかと思って」 A「ダメだよ! そんなの! 死んだっていいことないよ!」 C「人はそういいますけど、浪人しちゃったら母に申し訳が立ちませんし、ごく潰しになるくらいなら死んだほうがマシですよ」 A「じゃあちょっと面白い話してあげようか?」 C「面白い話?」 A「うん。ある日此処に自殺しに来た人がいました。その人はニートで、人生にも家族にも友人にも見捨てられていました。事あるごとに此処に死にに来たのですが、自殺を思いとどまった結果、今では大企業の出世頭としてバリバリ仕事をしています。責任感が強くて部下からも上司からも信頼されていて、ニートの時が信じられないほど成功しています。成功って言い方は違うかな。充実した生を駆け抜けています。どう、詩人みたいじゃない?」 C「詩人かどうかはさておいて、何ですか? その作り話は?」 A「作り話じゃないよ? ほら、目の前に大きなビル見えるでしょ?」 C「ええ、見えますよ」 A「今彼はそこで働いてるんだよ。嘘だと思うならこの場に呼んであげてもいいよ? 今は仕事中だから無理かも知れないけど、お昼になったら来てくれるよ」 C「どうやら嘘では……ちょっとスイマセン。どうやらメールが来たみたいです」 A「お! 遂にね! 大丈夫、絶対受かってるって!」 C「だといいのですけど……あっ!」 A「受かってたの!?」 C「ええ、無事合格です……」 A「よかったじゃない! ほら、どうしたの? 嬉しい時は呆けるんじゃなくて笑うんだよ!」 C「いや、実際受かるとは思ってませんでしたから……ずっと夢だったんですよ……」 A「A dream you dream alone is only a dream.A dream you dream together is reality.きっとお母さんも同じ夢を見ていたんだと思うんだ」 C「一人で見る夢は夢だが、一緒に見る夢は現実、ですか。いい言葉ですね」 A「そ、この言葉で成功収めたんだよ。さっき言ってた彼もね」 C「ですか。いい言葉です。僕も胸に刻んでおこうかな」 A「そうしてくれると嬉しいなぁ。さ、早く家に帰ってお母さんと喜びなよ!」 C「そうですね。こんなところで油売ってる暇はないですよね。何か色々有難うございました」 A「いいって。もし辛くなったら、また此処に来てよ。その時は旦那も紹介してあげるからさ!」 C「旦那さんって、まさか……」 A「皆まで言わせないでよ! 照れちゃうからさ……(笑うような感じで」 C「分かりました。是非旦那さんも紹介してくださいね。それでは失礼します」 A「それじゃあね~。……ふぅ、何で此処はそんなに死にたい人が集まるかなぁ。ま、でも結局誰も死なないし、寧ろ懸命に生きてるし、此処はそういう場所なのかもね!」 (Aの語り)  懸命に生きてれば死にたくなることもあるだろうけど、もし、そうなったらこの屋上に来て見ませんか? 多分、自殺しかけだった元ニートと、その妻があなたの話を聞きますよ?
**自殺併願者の希望 製作者:ちゃま ◆A3zAmH5eqc (またまた屋上ですが今回は配役が違います。便宜上Cとして彼は高校生です) A「ん~、寒いとは言え、此処はやっぱり気持ちいいなぁ。ってあれ?」 C「あ、どうも。此処のビルの方ですか?」 A「そうだけど……その制服、T高でしょ?」 C「ええ、良くご存知ですね」 A「私も卒業生だからねぇ~。で、今日学校なんじゃないの?」 C「いえ、僕は三年なんで授業は無いんですよ」 A「でもこんな時間から制服でうろうろしてたら、補導されちゃうよ? 早く家に帰った方がいいよ?」 C「いえ、此処のビルの中でこの格好になりましたから大丈夫ですよ。それに、家に帰るのは嫌なんです」 A「なんで? 分かった! ご両親と喧嘩したんでしょ~? ダメだよ~。肝心なのは謝ることだよ!」 C「そうじゃないんです」 A「じゃあどうして?」 C「あなたに話す義務はない、と言いたいところですけど、袖触れ合うのも多少の縁。少しお話します。実は今日T大の合格発表なんです」 A「T大! 凄いじゃない。将来は官僚コースね。私も受けたんだけど滑っちゃってねぇ~」 C「ですが、僕のところは貧しくて浪人も出来ないんですね。父は幼い頃、ガンで他界しましたからずっと母が女手一つで育ててくれたんですよ」 A「なるほど……。でも何でこんなところに?」 C「母が自宅で合格通知を待ってるんです。それを見た後メールしてくれるんですが、落ちてたら此処から飛び降りようかと思って」 A「ダメだよ! そんなの! 死んだっていいことないよ!」 C「人はそういいますけど、浪人しちゃったら母に申し訳が立ちませんし、ごく潰しになるくらいなら死んだほうがマシですよ」 A「じゃあちょっと面白い話してあげようか?」 C「面白い話?」 A「うん。ある日此処に自殺しに来た人がいました。その人はニートで、人生にも家族にも友人にも見捨てられていました。事あるごとに此処に死にに来たのですが、自殺を思いとどまった結果、今では大企業の出世頭としてバリバリ仕事をしています。責任感が強くて部下からも上司からも信頼されていて、ニートの時が信じられないほど成功しています。成功って言い方は違うかな。充実した生を駆け抜けています。どう、詩人みたいじゃない?」 C「詩人かどうかはさておいて、何ですか? その作り話は?」 A「作り話じゃないよ? ほら、目の前に大きなビル見えるでしょ?」 C「ええ、見えますよ」 A「今彼はそこで働いてるんだよ。嘘だと思うならこの場に呼んであげてもいいよ? 今は仕事中だから無理かも知れないけど、お昼になったら来てくれるよ」 C「どうやら嘘では……ちょっとスイマセン。どうやらメールが来たみたいです」 A「お! 遂にね! 大丈夫、絶対受かってるって!」 C「だといいのですけど……あっ!」 A「受かってたの!?」 C「ええ、無事合格です……」 A「よかったじゃない! ほら、どうしたの? 嬉しい時は呆けるんじゃなくて笑うんだよ!」 C「いや、実際受かるとは思ってませんでしたから……ずっと夢だったんですよ……」 A「A dream you dream alone is only a dream.A dream you dream together is reality.きっとお母さんも同じ夢を見ていたんだと思うんだ」 C「一人で見る夢は夢だが、一緒に見る夢は現実、ですか。いい言葉ですね」 A「そ、この言葉で成功収めたんだよ。さっき言ってた彼もね」 C「ですか。いい言葉です。僕も胸に刻んでおこうかな」 A「そうしてくれると嬉しいなぁ。さ、早く家に帰ってお母さんと喜びなよ!」 C「そうですね。こんなところで油売ってる暇はないですよね。何か色々有難うございました」 A「いいって。もし辛くなったら、また此処に来てよ。その時は旦那も紹介してあげるからさ!」 C「旦那さんって、まさか……」 A「皆まで言わせないでよ! 照れちゃうからさ……(笑うような感じで」 C「分かりました。是非旦那さんも紹介してくださいね。それでは失礼します」 A「それじゃあね~。……ふぅ、何で此処はそんなに死にたい人が集まるかなぁ。ま、でも結局誰も死なないし、寧ろ懸命に生きてるし、此処はそういう場所なのかもね!」 (Aの語り)  懸命に生きてれば死にたくなることもあるだろうけど、もし、そうなったらこの屋上に来て見ませんか? 多分、自殺しかけだった元ニートと、その妻があなたの話を聞きますよ?

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