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シナリオ通りに進む恋」(2010/10/25 (月) 21:59:37) の最新版変更点

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作者:Elika 有紀01「おーい、健太~~」 健太01「……うぅぅぅぅん……」 有紀02「お~~~い」 健太02「ふぬぅぅぅぅぅぅぅぅ……」 有紀03「うりゃ」 (SE:ゴッ) 健太03「痛いです」 有紀04「だろうね~」 健太04「だろうねぇじゃありませんよ有紀さん!!なにするんですかいきなり!!」 有紀05「いきなりじゃないもんねー、私はちゃんと声かけましたー」 健太05「ついでにシナリオも書けましたーですか」 有紀06「わかるー?」 健太06「そんだけ大量の紙束持ってればいやでもわかりますってば!」 有紀07「で?あんたは書けたの?」 健太07「書けてるように見えますかこれ……」 有紀08「おお!それはまるで一面に降り積もる白銀の天使!!」 健太08「真っ白ですよ!!」 有紀09「どうすんのよ、その純白の、穢れを知らない原稿用紙」 健太09「だいたい、俺には無理なんですよラブコメなんて!!!恋人なんていないんだから!」 有紀10「ていうかラブコメって何?」 健太10「ラブラブしててコメディなんじゃないですかね。紅茶でいいですか」 有紀11「わーい執事だ執事!」 健太11「ついでに燕尾服でも着ますか?演劇部に行って借りてきて」 有紀12「お、いいねぇ。形から入ると雰囲気でる──ああ!」 健太12「わ、っとぉ!急に立ち上がらないで下さいよ、これ一応熱湯なんですから」 有紀13「形から入ればいいじゃない!」 健太13「わかりましたよ、まったく……借りてきますよ、借りてくればいいんでしょう。     有紀さんがそこまで執事好きだったなんて」 有紀14「健太、今日から私はあんたの彼女だ!!」 健太14「はぁぁあぁ?!」 有紀15「彼女がいない、ラブコメが書けないという負の連鎖から抜け出すには!!     なんでもいいから恋人気分を味わえればいいじゃないか!」 健太15「えー」 有紀16「なんだよ、私が相手じゃ役不足だとでも言いたいのか?!えぇコラ!!」 健太16「それを言うなら役者不足です、役不足っていうのはすばらしい役者に対して役柄が……いやまぁ、いいや別に」 有紀17「なんだよ、はっきりしないな。私はもうシナリオ上がったから、あとはあんたの手伝いでもしてやろうと思ってたところだし。     ちょうどいいじゃない。何が不満なのよ」 健太17「有紀さんと俺じゃラブコメじゃなくてただのギャグに成り下がっちゃいますよ」 有紀18「なによそれ、私のことバカにしてんの?!アホな先輩だとでも言いたいの?!」 健太18「……いや、なんていうか……」 有紀19「いいわよ!あんたのシナリオ書きあがるまで彼女やったろうじゃん!     先輩としての実力を見せ付けてやるんだからね!覚悟しなさいよ!!」 健太19「俺たち文芸部は毎年、演劇部のクリスマス公演にあわせてシナリオを書く。     今年はなぜか俺が担当になってしまった。演劇部からの指定は『ラブコメ』……。     無理だ……俺には無理だ!!ラブコメなんて書ける気がしない!!     それでも、有紀さんは『男なら責任とれ!』とわけのわからないことを言って……」 有紀20「ほら、完璧でしょ?私のシナリオ」 健太20「完璧すぎて胸焼けすらします……うぅぅっ」 有紀21「あははははは、うん、自分でもそう思った、リア充死ねよ、って」 (SE:鉛筆握りつぶすべきべき、って音)) 健太21「自分で書いたシナリオの登場人物に嫉妬しないでくださいよ、みっともない」 有紀22「まぁ、あんたがコケた時用の代理シナリオはできてるんだからさ!     安心して恋人気分を味わえばいいと思うよ!」 健太22「恋人気分って……有紀さん相手に?」 有紀23「なんで若干不満そうなのよ」 健太23「いや……なんか、有紀さんって恋人って感じがしない」 有紀24「そんなんだからラブコメが書けないのよ!!もっとこう、私にときめきなさい!」 健太24「それが無理だって言ってるんですよ!!いまさらどうときめけっていうんですか!」 有紀25「む……そう言われてみると、確かに……普段と変わりないからね……ちょっと待ってて!」 健太25「え、あ、ちょっ、有紀さん?!……って、行っちゃったよ。     有紀さんにときめく、って……今更、無理だよ」 有紀26「お待たせ!」 健太26「!!な……なんですか、それ!!?」 有紀27「ツインテールです。ど?ど?こういうの、好きっしょ?」 健太27「いやぁ……そういう属性は残念ながら」 有紀28「なんだとーぅ!!リサーチ不足だったか……よぉしわかった!徹底的に調べ尽くしてやるわ!」 健太28「行動早すぎだよ……っていうか、せっかく紅茶いれたのに……はぁ」 健太29「多分、あなたには、ときめくことはないでしょう。出会ったあの時よりも────」 (過去回想モード) 有紀29「ねえ」 健太30「は……はい?」 有紀30「そのメガネ、伊達?」 健太31「はい?!」 健太32「インパクトは申し分なかった。長くのびた黒い髪も、いたずらを思いついた子供のような瞳も。     全部が、俺をとらえて離さなかった。     あれが一目惚れでなければ、他に何がそれにあたるというんだろう」 有紀31「俺なんか、なんて言わないで。あんたは、あんたが表現したいことを書けばいいんだよ」 有紀32「なに言ってるの?私は先輩、あんたは後輩。助けて当然でしょう?」 有紀33「書く、ってね、自己表現の手段でしかないの」 有紀34「おかしいよね、自分が満足するために書いてるのに、他の人まで満足させちゃうなんて」 有紀35「私、好きだよ。あんたの書くシナリオ。あんたの創り出す世界観」 健太33「日に日に引き込まれていく自分を、まるで他人のように眺めていた。     俺は、駄目なんですよ。     あなたを好きになっては──駄目なんです。     先輩と後輩という枠を超えたらきっと──あなたは」 (SE:携帯着信) 健太34「ん?……有紀さん?」 有紀36「やあ、恋人らしく電話をしてみたよ!」 健太35「恋人らしく……」 有紀37「あれでしょ?世間一般で言うところの恋人とかいうリア充は、寝る前にイチャイチャラブコールを」 健太36「まぁ……そうなのかもしれませんけど」 有紀38「さあ、思う存分したいようにイチャイチャするといい!!」 健太37「……イチャイチャ、って……」 有紀39「なんかこう、あるでしょ?!あんたにも!」 健太38「……有紀さん相手にしたいことがない……かな」 有紀40「なんでー!?なんでー?!」 健太39「いや、なんていうか……先輩だし」 有紀41「もっとときめきなさいよー!それともなに?好みじゃないとか?年上は受け付けないとか?」 健太40「そういうわけでもないんですけど……」 有紀42「よろしい、じゃあイチャイチャラブコールはじめっ!」 健太41「えー」 有紀43「ねえ、明日一緒に学校いかない?」 健太42「は、はぁ……そうですね」 有紀44「そうですね、ってもうちょっと嬉しそうにしてくれてもいいじゃない!嬉しくないの?!」 健太43「強いて言うならあんまり嬉しくないです」 有紀45「うわっ、ちょっと傷ついた……」 健太44「すみません……でも」 健太45「だめだ……それは、言っちゃいけない」 有紀46「でも?」 健太46「有紀さんは、俺の書くシナリオが好きなんだ。これはごっこ遊びなんだ」 有紀47「でも、何?」 健太47「有紀さんは──俺の為に」 有紀48「ちょっとー、黙ってちゃわかんないよー?」 健太48「『ごっこ』なら、嬉しくないです」 有紀49「え……?」 健太49「ああ……言っちゃった」 有紀50「それって────」 健太50「なんでもないです」 有紀51「なんでもなくない!!今とっても大事なところ!!」 健太51「そう。大事なところ。ずっとわかってた。     俺は、有紀さんにとって、大勢の中の一人」 有紀52「ごっこじゃなかったら……ほんとの恋人なら、彼女なら──嬉しい、ってこと?」 健太52「有紀さんが悪いんです。俺が、ずっとしまっておいたのに」 健太53「迷惑なのはわかってる。でも──有紀さんが、悪いんだ」 有紀53「そう……なんだ……」 健太54「迷惑ですよね。知ってます。俺なんか」 有紀54「なんかって言うなこのバカ!俺なんか、なんて言わないで。     私は、あんたが好きなの。あんたの作品も、あんた自身も」 健太55「…………え?」 有紀55「私が誰彼かまわず優しい言葉かけると思う?!私が、あんた以外の男に!     かりそめでも、恋人に立候補すると、本気で思う?」 健太56「………………思いたく、ないですね」 有紀56「私だってやだよ!……しょうがないじゃない。いつのまにか好きになっちゃってたんだもん」 健太57「……俺は、初めて有紀さんに声かけられたときから、ずっと好きでしたけど」 有紀57「っ……恥ずかしいこと平気で言う……!」 健太58「こうなったらやけです。お望みなら何度でも言いますよ。演劇部に燕尾服借りに行ってもいいですよ」 有紀58「別に執事属性があるわけじゃ」 健太59「俺だってツインテール属性はありません。有紀さんの長くてまっすぐな黒髪が一番好きです」 有紀59「だーかーら!!!!!なんでそんな恥ずかしいこと……」 健太60「……?あの」 有紀60「なによ!」 健太61「つかぬ事お伺いしますけど……今、どちらに?」 (場面転換) 有紀61「なんでバレたんだろう……うぅぅ、寒っ!」 健太62「窓の外から、有紀さんの叫び声が聞こえたからですよ。はい、紅茶」 有紀62「っくぁ~~、あったかぁああああい!今ばかりは缶の紅茶でもいいわぁーー!!」 健太63「この寒いのに、なんでわざわざ家の前まで……」 有紀63「だって……」 健太64「好きだから、ですか」 有紀64「~~~~~!!!うるさいっ!」 健太65「図星でしたか」 有紀65「これでも!……これでも、ちゃんと好きなんだからね」 健太66「言い忘れていたことがあります」 有紀66「なによ……」 健太67「有紀さん。俺と──付き合ってください」 有紀67「……よろこんで」 健太68「シナリオのためじゃなく。俺の為に」 有紀68「……書けそう?ラブコメ」 健太69「とびっきり甘いのが」 有紀69「そか……♪」  
作者:Elika 有紀01「おーい、健太~~」 健太01「……うぅぅぅぅん……」 有紀02「お~~~い」 健太02「ふぬぅぅぅぅぅぅぅぅ……」 有紀03「うりゃ」 (SE:ゴッ) 健太03「痛いです」 有紀04「だろうね~」 健太04「だろうねぇじゃありませんよ有紀さん!!なにするんですかいきなり!!」 有紀05「いきなりじゃないもんねー、私はちゃんと声かけましたー」 健太05「ついでにシナリオも書けましたーですか」 有紀06「わかるー?」 健太06「そんだけ大量の紙束持ってればいやでもわかりますってば!」 有紀07「で?あんたは書けたの?」 健太07「書けてるように見えますかこれ……」 有紀08「おお!それはまるで一面に降り積もる白銀の天使!!」 健太08「真っ白ですよ!!」 有紀09「どうすんのよ、その純白の、穢れを知らない原稿用紙」 健太09「だいたい、俺には無理なんですよラブコメなんて!!!恋人なんていないんだから!」 有紀10「ていうかラブコメって何?」 健太10「ラブラブしててコメディなんじゃないですかね。紅茶でいいですか」 有紀11「わーい執事だ執事!」 健太11「ついでに燕尾服でも着ますか?演劇部に行って借りてきて」 有紀12「お、いいねぇ。形から入ると雰囲気でる──ああ!」 健太12「わ、っとぉ!急に立ち上がらないで下さいよ、これ一応熱湯なんですから」 有紀13「形から入ればいいじゃない!」 健太13「わかりましたよ、まったく……借りてきますよ、借りてくればいいんでしょう。     有紀さんがそこまで執事好きだったなんて」 有紀14「健太、今日から私はあんたの彼女だ!!」 健太14「はぁぁあぁ?!」 有紀15「彼女がいない、ラブコメが書けないという負の連鎖から抜け出すには!!     なんでもいいから恋人気分を味わえればいいじゃないか!」 健太15「えー」 有紀16「なんだよ、私が相手じゃ役不足だとでも言いたいのか?!えぇコラ!!」 健太16「それを言うなら役者不足です、役不足っていうのはすばらしい役者に対して役柄が……いやまぁ、いいや別に」 有紀17「なんだよ、はっきりしないな。私はもうシナリオ上がったから、あとはあんたの手伝いでもしてやろうと思ってたところだし。     ちょうどいいじゃない。何が不満なのよ」 健太17「有紀さんと俺じゃラブコメじゃなくてただのギャグに成り下がっちゃいますよ」 有紀18「なによそれ、私のことバカにしてんの?!アホな先輩だとでも言いたいの?!」 健太18「……いや、なんていうか……」 有紀19「いいわよ!あんたのシナリオ書きあがるまで彼女やったろうじゃん!     先輩としての実力を見せ付けてやるんだからね!覚悟しなさいよ!!」 健太19「俺たち文芸部は毎年、演劇部のクリスマス公演にあわせてシナリオを書く。     今年はなぜか俺が担当になってしまった。演劇部からの指定は『ラブコメ』……。     無理だ……俺には無理だ!!ラブコメなんて書ける気がしない!!     それでも、有紀さんは『男なら責任とれ!』とわけのわからないことを言って……」 有紀20「ほら、完璧でしょ?私のシナリオ」 健太20「完璧すぎて胸焼けすらします……うぅぅっ」 有紀21「あははははは、うん、自分でもそう思った、リア充死ねよ、って」 (SE:鉛筆握りつぶすべきべき、って音)) 健太21「自分で書いたシナリオの登場人物に嫉妬しないでくださいよ、みっともない」 有紀22「まぁ、あんたがコケた時用の代理シナリオはできてるんだからさ!     安心して恋人気分を味わえばいいと思うよ!」 健太22「恋人気分って……有紀さん相手に?」 有紀23「なんで若干不満そうなのよ」 健太23「いや……なんか、有紀さんって恋人って感じがしない」 有紀24「そんなんだからラブコメが書けないのよ!!もっとこう、私にときめきなさい!」 健太24「それが無理だって言ってるんですよ!!いまさらどうときめけっていうんですか!」 有紀25「む……そう言われてみると、確かに……普段と変わりないからね……ちょっと待ってて!」 健太25「え、あ、ちょっ、有紀さん?!……って、行っちゃったよ。     有紀さんにときめく、って……今更、無理だよ」 有紀26「お待たせ!」 健太26「!!な……なんですか、それ!!?」 有紀27「ツインテールです。ど?ど?こういうの、好きっしょ?」 健太27「いやぁ……そういう属性は残念ながら」 有紀28「なんだとーぅ!!リサーチ不足だったか……よぉしわかった!徹底的に調べ尽くしてやるわ!」 健太28「行動早すぎだよ……っていうか、せっかく紅茶いれたのに……はぁ」 健太29「多分、あなたには、ときめくことはないでしょう。出会ったあの時よりも────」 (過去回想モード) 有紀29「ねえ」 健太30「は……はい?」 有紀30「そのメガネ、伊達?」 健太31「はい?!」 健太32「インパクトは申し分なかった。長くのびた黒い髪も、いたずらを思いついた子供のような瞳も。     全部が、俺をとらえて離さなかった。     あれが一目惚れでなければ、他に何がそれにあたるというんだろう」 有紀31「俺なんか、なんて言わないで。あんたは、あんたが表現したいことを書けばいいんだよ」 有紀32「なに言ってるの?私は先輩、あんたは後輩。助けて当然でしょう?」 有紀33「書く、ってね、自己表現の手段でしかないの」 有紀34「おかしいよね、自分が満足するために書いてるのに、他の人まで満足させちゃうなんて」 有紀35「私、好きだよ。あんたの書くシナリオ。あんたの創り出す世界観」 健太33「日に日に引き込まれていく自分を、まるで他人のように眺めていた。     俺は、駄目なんですよ。     あなたを好きになっては──駄目なんです。     先輩と後輩という枠を超えたらきっと──あなたは」 (SE:携帯着信) 健太34「ん?……有紀さん?」 有紀36「やあ、恋人らしく電話をしてみたよ!」 健太35「恋人らしく……」 有紀37「あれでしょ?世間一般で言うところの恋人とかいうリア充は、寝る前にイチャイチャラブコールを」 健太36「まぁ……そうなのかもしれませんけど」 有紀38「さあ、思う存分したいようにイチャイチャするといい!!」 健太37「……イチャイチャ、って……」 有紀39「なんかこう、あるでしょ?!あんたにも!」 健太38「……有紀さん相手にしたいことがない……かな」 有紀40「なんでー!?なんでー?!」 健太39「いや、なんていうか……先輩だし」 有紀41「もっとときめきなさいよー!それともなに?好みじゃないとか?年上は受け付けないとか?」 健太40「そういうわけでもないんですけど……」 有紀42「よろしい、じゃあイチャイチャラブコールはじめっ!」 健太41「えー」 有紀43「ねえ、明日一緒に学校いかない?」 健太42「は、はぁ……そうですね」 有紀44「そうですね、ってもうちょっと嬉しそうにしてくれてもいいじゃない!嬉しくないの?!」 健太43「強いて言うならあんまり嬉しくないです」 有紀45「うわっ、ちょっと傷ついた……」 健太44「すみません……でも」 健太45「だめだ……それは、言っちゃいけない」 有紀46「でも?」 健太46「有紀さんは、俺の書くシナリオが好きなんだ。これはごっこ遊びなんだ」 有紀47「でも、何?」 健太47「有紀さんは──俺の為に」 有紀48「ちょっとー、黙ってちゃわかんないよー?」 健太48「『ごっこ』なら、嬉しくないです」 有紀49「え……?」 健太49「ああ……言っちゃった」 有紀50「それって────」 健太50「なんでもないです」 有紀51「なんでもなくない!!今とっても大事なところ!!」 健太51「そう。大事なところ。ずっとわかってた。     俺は、有紀さんにとって、大勢の中の一人」 有紀52「ごっこじゃなかったら……ほんとの恋人なら、彼女なら──嬉しい、ってこと?」 健太52「有紀さんが悪いんです。俺が、ずっとしまっておいたのに」 健太53「迷惑なのはわかってる。でも──有紀さんが、悪いんだ」 有紀53「そう……なんだ……」 健太54「迷惑ですよね。知ってます。俺なんか」 有紀54「なんかって言うなこのバカ!俺なんか、なんて言わないで。     私は、あんたが好きなの。あんたの作品も、あんた自身も」 健太55「…………え?」 有紀55「私が誰彼かまわず優しい言葉かけると思う?!私が、あんた以外の男に!     かりそめでも、恋人に立候補すると、本気で思う?」 健太56「………………思いたく、ないですね」 有紀56「私だってやだよ!……しょうがないじゃない。いつのまにか好きになっちゃってたんだもん」 健太57「……俺は、初めて有紀さんに声かけられたときから、ずっと好きでしたけど」 有紀57「っ……恥ずかしいこと平気で言う……!」 健太58「こうなったらやけです。お望みなら何度でも言いますよ。演劇部に燕尾服借りに行ってもいいですよ」 有紀58「別に執事属性があるわけじゃ」 健太59「俺だってツインテール属性はありません。有紀さんの長くてまっすぐな黒髪が一番好きです」 有紀59「だーかーら!!!!!なんでそんな恥ずかしいこと……」 健太60「……?あの」 有紀60「なによ!」 健太61「つかぬ事お伺いしますけど……今、どちらに?」 (場面転換) 有紀61「なんでバレたんだろう……うぅぅ、寒っ!」 健太62「窓の外から、有紀さんの叫び声が聞こえたからですよ。はい、紅茶」 有紀62「っくぁ~~、あったかぁああああい!今ばかりは缶の紅茶でもいいわぁーー!!」 健太63「この寒いのに、なんでわざわざ家の前まで……」 有紀63「だって……」 健太64「好きだから、ですか」 有紀64「~~~~~!!!うるさいっ!」 健太65「図星でしたか」 有紀65「これでも!……これでも、ちゃんと好きなんだからね」 健太66「言い忘れていたことがあります」 有紀66「なによ……」 健太67「有紀さん。俺と──付き合ってください」 有紀67「……よろこんで」 健太68「シナリオのためじゃなく。俺の為に」 有紀68「……書けそう?ラブコメ」 健太69「とびっきり甘いのが」 有紀69「そか……♪」  

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