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絵のうまくなる」(2010/10/17 (日) 09:14:58) の最新版変更点

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***絵のうまくなる 作者:名無し ( ID: dZCsQySj0 ) 【絵のうまくなる】  少女は桜の木のそばで休んでいた。  ちょっとつかれて一休み。そんなところだった。  次の日少女はやってきた。スキップしながらやってきた。  スケッチブックを持っていた。  今日は桜の根元を描いた。  その次の日もやってきた。  絵の具と筆を持っていた。  今度は色も鮮やかに、桜の木の絵を描き出した。  桜の大樹が嬉しそうに、さらさらさらと、音を立てる。  毎日毎日描くうちに、少女のその絵が上手になった。  桜の木の枝その花その葉、描けば描くほど上手になった。  少女のその絵が目に留まる。画家の先生の目に留まる。  「この絵を描いてはいけないよ。」画家の先生はそういった。  「どうしてなの。」と少女は問うた。  「僕の描いた絵と似ているからさ。」画家の先生はそういった。  少女の絵を絵を眺めてみれば、なるほどたしかによく似てる。  少女が上手になるほどに、画家のその絵に似てきてる。  それでも少女は描き続ける。真似したのではないんだと。  少女は毎日絵を描いた。一生懸命絵を描いた。  画家の先生がやってきて、少女の筆を取り上げる。  「その一筆を、入れてはいけない。」画家の先生はそういった。  「どうして描いてはいけないの。」少女は画家にそう問うた。  「僕のこの絵と同じだからさ。」画家の先生はそういった。  少女のその絵を眺めてみれば、なるほど確かにそっくりだ。  あと一筆を加えたならば、画家の描いた絵と瓜二つ。  桜の枝が、ざわついている。  少女は次の日やってきた。新しい筆を買ってきた。  桜の大樹は嬉しそう。  少女が一筆入れたとき、桜の木が静かになった。  桜の大樹はざわついた。  そのすぐ後に、少女の母がやってきた。少女の名前を呼んでいる。  桜の大樹はざわついた。  少女はその絵を放り出し、駆け足で家に帰っていった。  桜の大樹はざわついている。  桜の大樹はざわついている。  桜の大樹はざわついている。  桜の大樹は静かになった。
***絵のうまくなる 作者:名無し ( ID: dZCsQySj0 ) 【絵のうまくなる】  少女は桜の木のそばで休んでいた。  ちょっとつかれて一休み。そんなところだった。  次の日少女はやってきた。スキップしながらやってきた。  スケッチブックを持っていた。  今日は桜の根元を描いた。  その次の日もやってきた。  絵の具と筆を持っていた。  今度は色も鮮やかに、桜の木の絵を描き出した。  桜の大樹が嬉しそうに、さらさらさらと、音を立てる。  毎日毎日描くうちに、少女のその絵が上手になった。  桜の木の枝その花その葉、描けば描くほど上手になった。  少女のその絵が目に留まる。画家の先生の目に留まる。  「この絵を描いてはいけないよ。」画家の先生はそういった。  「どうしてなの。」と少女は問うた。  「僕の描いた絵と似ているからさ。」画家の先生はそういった。  少女の絵を絵を眺めてみれば、なるほどたしかによく似てる。  少女が上手になるほどに、画家のその絵に似てきてる。  それでも少女は描き続ける。真似したのではないんだと。  少女は毎日絵を描いた。一生懸命絵を描いた。  画家の先生がやってきて、少女の筆を取り上げる。  「その一筆を、入れてはいけない。」画家の先生はそういった。  「どうして描いてはいけないの。」少女は画家にそう問うた。  「僕のこの絵と同じだからさ。」画家の先生はそういった。  少女のその絵を眺めてみれば、なるほど確かにそっくりだ。  あと一筆を加えたならば、画家の描いた絵と瓜二つ。  桜の枝が、ざわついている。  少女は次の日やってきた。新しい筆を買ってきた。  桜の大樹は嬉しそう。  少女が一筆入れたとき、桜の木が静かになった。  桜の大樹はざわついた。  そのすぐ後に、少女の母がやってきた。少女の名前を呼んでいる。  桜の大樹はざわついた。  少女はその絵を放り出し、駆け足で家に帰っていった。  桜の大樹はざわついている。  桜の大樹はざわついている。  桜の大樹はざわついている。  桜の大樹は静かになった。

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