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〜リリースの動作イメージ〜

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powerkoil18

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トレーニング中級編(1)〜リリースの動作イメージ〜


目次




ローダウンリリースの動作イメージ


ローダウンのリリースイメージ


※以下の説明ででてくる物理的な記述に学問的な正当性はありません。
 あくまでローダウンで投げるためのイメージの助け程度のものです。

オールドスタイルのリリースイメージは
ぶら下げたボールをフィンガーで上に引っかきあげるというものです。
ですからボールはスイングの最下点で離すのが理想的です。

一方ローダウンは手の中に収まったボールを下に転がす感じです。
ローダウンでボールが手に乗ってからどこで離すべきかは
とくに決まったところはないように思われます。
むしろどこでもリリースできるべきでしょう。
ただ手で長く押す方が回転も球速も上がります。
また前で離す方がリストも勝ちやすいですから
始めのうちは前で離すようにするほうがよいでしょう。

上記のようにオールドスタイルは下にあるものを上に引っぱります。
ローダウンは上にあるものを下に転がします。
発想的にまったく逆であることに注意しましょう。

ローダウンのスイングイメージ


オールドスタイルのスイングイメージは円運動です。
肘が伸び切った状態でボールをぶら下げてスイングします。

一方でローダウンのスイングイメージは円ではなく
滑り台のようなイメージになります。
抱え込み>と<振りほどき>によって
体に近づくにつれて水平な軌道になります。

ただ実際にはボウラーはアプローチを移動しており
スイングの支点である肩の位置も移動しています。
支点が移動していないと考えればスイングは円運動になります。
しかし移動しているのですから地面から見れば
オールドスタイルの場合でもスイング軌道は円ではないのです。
本当に円運動ならばリフトする時間はありませんし、
リリースポイントは「点」になってしまいます。

振り子スイングの理論でも概ね助走の最終ステップは蹴りを鋭くし、
低い姿勢で軸足でしっかり止まるようにと書かれています。
その動作によって<手遅れ>の現象を起こしているので、
体の使い方はオールドスタイルとローダウンとに違いはありません。

現実にリフト&ターンの上級者を見れば肩は開いて下がっており、
程度の多少はあるものの肘も曲がっています。
リリースも前に送り出すような形でフラットスポットの要素があるなど、
スイング軌道は明らかに円ではありません。

振り子を意識するとありもしない「正しい」サムリリースの位置という
イメージができてしまったり、リフティングが点のイメージになるなどの
弊害の方が多いのでローダウンに関わらずやめるべきでしょう。

メカニズムをイメージする


ローダウンの要点は上から落ちてくるボールを
そのまま転がすというところにありますが、
なかなかフィンガーで引っかけて回転を与えるという
イメージを捨てるのは難しいものがあります。
そのためボウラーがローダウンのつもりで練習していることが
まったくのリフト&ターンであることは多いのです。

イメージというのは非常に大切です。
人間が動作中に意識してコントロールできる部分はわずかです。

実際の運動の際に同時的に起こる多数の骨格筋の収縮は、
小脳や脳幹での統合的な働きの結果として起こされるのであって、真に意識されるとは限らない。

歩くとき、随意運動は足に起こっているが、「無意識に」腕を振ったり
体幹をひねったりしてバランスをとる運動も同時に起こっている。

動作のほとんどは反復的な学習によって無意識におこなっているからです。
いわば人間はイメージで動いているのです。

たとえば「泳ぐこと」や「自転車に乗ること」などにおいて、
すでにできる人にとっては「当たり前の動作」であること、
つまり学習し無意識におこなっている動作が、
初めて取り組む人にとっては「不自然な動作」です。
動作の一つ一つは「自然さに逆らって」意識しておこなわなければなりません。
それらは当然「やりにくさ」や「気持ち悪さ」を伴います。

見方を変えると練習でそのような「やりにくさ」を感じなければ
その動作は自分には「すでにできていること」だから「自然な動作」で
繰り返しても「何も変わっていない」ということになります。
すなわちその練習内容ではなにも上達しないということです。

そのようにフォームを組み立てる作業は無意識的な動作を意識化して
良い部分はより強化し、問題があれば矯正し、
それらを反復して体に覚えさせ
無意識におこなえるようにするという過程をとります。
ですから練習は自分にとって「やりにくいこと」
「できないこと」「むずかしいこと」などの
苦痛に感じる動作の反復でなければなりません。

【参考リンク】学習曲線

それ以前に目標の投球そもそもの仕組みを誤解していたり
イメージが間違っていれば練習が無駄な作業になります。
フォームをビデオで見ても「これはローダウンではない」と
わからなければどうしようもありません。

また仕組みを理解していても動作の間違いを自覚するのは難しいことです。
コーチに指摘されなければわからないことがほとんどです。
さらに言えば指摘されてもそれがなぜ駄目なのかが
わからないという場面もしばしばあります。

ここでフォームのもととなるイメージを変えるために
オールドスタイルの「振り子とリフティング」という<投球イメージ>と
ローダウンの<投球イメージ>との違いを
仮想の機械を想像することでその仕組みを考えてみましょう。

  • 落下するエネルギーを回転に変える「ローダウン的装置」
  • 振り子運動する球体を引っかけて回転させる「リフト&ターン的装置」
このように自分なりにいろいろとイメージが考えられるでしょう。

そのイメージを使って自分のフォームの中にある
オールドスタイルの要素を取りだして矯正し
ローダウン的な感覚をつかんでいきましょう。

リストの動き


オールドスタイルのリリースはグリップをフォワードに向けた状態で
サムを抜きフィンガーでリフトし回転を加え、
ターンしアクシスローテーションを与えます。
いわばフィンガーリフトで上にかきあげて回転をかけます。

ローダウンのリリースはグリップをフォワードに向けた状態で
すばやくリストをアクシスローテーションの方向に倒して回転を与えます。
いわば下に落としながらフィンガーにのせて回転をかけます。

ローダウンリリースではボールの抱え込み具合で回転数が異なります。
抱え込みが深いほどフィンガーでなでられる
ボールの円周が長くなるので回転数が増えます。

ローダウンリリースではボールを抱え込むタイミングで回転数が異なります。
抱える位置が早いほど腕の長さでフィンガーが追いかけられる
距離が増えるので回転数が上がります。
ただし抱え込むほどに球速を上げることが難しくなります。

上記のようにローダウンのリリースは回転を与える考え方も
実際の動きもオールドスタイルとは異なります。

オールドスタイルはカップを保持したままリリースを開始しますが、
ローダウンはカップリストを振りほどくという
<リストブロークン>の動作でリリースが開始されます。

またバックスイングの高さなどのクランカーに共通する
フォームの特徴はローダウンに直接関係ありません。

しかし手首を固定して投げるパワーボウラーのように
基礎的なステップや重心移動などがうまくないと
バックスイングからボールを<抱え込むタイミング>はなかなか取れません。

さらにかなり深くまでフィンガーが下にこない限りは
いくら頑張ってターンやフィンガーリフトを強くしても
男子のローダウンのボウラーのような異常な回転数は出ません。
クランカーに共通するフォームの要素はローダウンにも必要です。

重心移動などの基礎的な動作ができないままで
回転や球速を上げようとしてもスイング中にリストが負けてしまい
スピナー気味のリフト&ターンになるでしょう。
それをいくら力んで回そうとしても無駄なことは少しやればわかることです。
ボールを持っていること自体も怪しくなってくるでしょう。
ステップとスイングの<位置/タイミング>が合っていなければ
球速も回転数も上がりません。

すぐにローダウンで投げられる人もいますが
それはパワーがあるのではなく<位置/タイミング>をつかむのが
天才的に上手いということです。

リストの形よりリリースの<位置/タイミング>が問題


リリース時にフィンガーを下に持ってくるには
カップリストで投げるのが理想的です。
しかしボールを抱えたままスイングすると手首に負担がかかる上に、
リーチが短くなるので大きなスイングをしにくく
球速を得るのが困難になります。

ボールを高回転させるにはリリースの直前に
フィンガーが下にあればいいのですから、
スイングのあいだ常にカップリストを保つ必要はないはずです。
フォーワードスイングの前半は手首が折れていてもかまわないでしょう。

またリリース時にフィンガーが下にある状態を作るには
とくにカップリストでなくてもかまいません。
図のようにリリース時の理想的なリストとボールの位置関係や接触面の角度は
リストの状態によらずリリースの位置によってえられることがわかります。

カップリストの形であってもリリースが早すぎれば
手首が折れているのと同じ状態になります。
手首の形よりもリリース時のリストとボールの位置関係や
接触面の角度が問題なのです。

このためリリースの<位置/タイミング>を感じられることが
ローダウンで投げるには極めて重要であることがわかります。
表面上のリストワーク・手の動きだけにとらわれてはいけません。
リリース時に自分の手がボールのどこにあるか、
フィンガーやサムがどちらの方向を向いているか、
いつサムを抜いたかなどがわからなければいけません。



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