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ガザの戦争が残した傷「誰もが被害を受けました」

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pipopipo777

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ガザの戦争が残した傷「誰もが被害を受けました」

2009年3月6日
国境なき医師団@パレスチナ自治区


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【1】MSFのパレスチナ人スタッフ、サナ看護師(左)とアブー・アベド医師。2人は、イスラエル軍による攻撃の間も、ガザ地区で緊急医療の提供を続けた

【1】昨年末より3週間にわたってイスラエル軍による攻撃にさらされた、パレスチナ自治区ガザ地区。国境なき医師団(MSF)のパレスチナ人医療スタッフ、サナ看護師とアブー・アベド医師は「この戦争で、ガザの住民は1人として例外なく被害を受けました。」と話している。「若者、年寄り、お金持ち、貧乏人、黒人、白人、イスラム教徒、他の宗教の信者、すべての人が被害を受けました。非常に多くの人びとが負傷しました。負傷しなかった人も兄弟や友達を亡くしたり、家が壊されたりしています。」


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【2】ガザ市内に設置された、空気で膨らますテントの仮設病院。二次手術を必要とする患者をここに受け入れることで、現地病院の過大な負担を軽くしている

【2】12月27日の攻撃開始から数時間後、ガザ地区では多数の負傷者が出て大混乱となった。現地で活動していたMSFチームは、急患の対応に追われる病院を訪問して医療ニーズの調査を行い、地区内に備蓄していた医薬品や医療物資を提供した。数日後には術後ケアを提供する診療所を再開したが、戦闘により移動がほぼ不可能であったため、医療スタッフが「緊急医療キット」を各自持ち帰り、自宅周辺地域で患者を治療できる態勢をとった。また救援活動を強化するため、多国籍のメンバーからなる外科チームを派遣したが、チームはすぐにガザに入ることができず、エルサレムで10日間にわたり待機を余儀なくされた。


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【3】テントの仮設外科病院内部での治療の様子

【3】イスラエル軍による攻撃開始から21日後の1月17日、多国籍の外科チームのガザ入りがようやく可能になり、その翌日には停戦が発表された。外科チームは、到着翌日から現地の病院で負傷者の手術にあたるとともに、ガザ市内に空気で膨らませるテントを用いた仮設病院を開設し、外科処置、皮膚移植、包帯交換、術後ケアを開始した。2週間のうちに、火傷、傷が感染を起こしている患者、整形外科手術を必要とする患者など約40人に手術を行った。


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【4】MSFの術後診療所に通い、ケアを受けるリヤド

【4】とくに激しい被害を受けたガザ北部の町、アル・アタトラ出身のリヤド(19才)は、この戦争で重傷を負った。彼は1月5日、飛行機や戦車の音がしない、静かな時間を利用して、近所の店に買い物に行った。ところが、自宅に帰り着く直前に攻撃が始まり、ロケット弾に撃たれてその場に倒れこんでしまった。家族は、泣き叫びながらも近所の人の助けを借りてリヤドをトラクターに乗せ、病院までなんとか運んだ。病院で外科手術を受けたリヤドは、左足の切断を余儀なくされたが、それでも「神様のおかげで、最終的にはこの程度で済みました。私は落ち込んではいません」と話している。1月下旬からは、ガザ市内にあるMSFの診療所に通って理学療法を受けている。


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【5】MSFのテント病院で治療を受けるビラル少年と心配そうに見守る父親

【5】戦争中に負傷し、いったん応急の手術を受けたものの、二次手術を必要としている人も多い。14才のビラル少年は、1月6日、自宅が爆撃を受けて右足に大怪我をし、全身にやけどを負った。ガザ市内の病院で応急手術を受けたが、退院後も出血が止まらず、1月末になってから、MSFのテント病院で、壊死したり感染したりした組織を取り除く手術を受けることができた。病状はすぐに回復すると見られているが、つきそっている父親は「ビラルはうつ状態のようだ。生きる意欲をなくしてしまっている」と話している。

戦争は、ガザ地区に住むすべての人を危険にさらし、身体の傷に加えて心の傷という問題を残した。被害の大きかった地域や医療施設を訪問し、MSFの病院へ送る必要のある患者を見つける作業を行っているサナ看護師は、ある男性の負傷者から長時間話を聞いたときのことをこう話す。「彼は腕に銃創を負っていました。3人の兄弟とたった1人の妹さんが亡くなられたそうです。彼はとめどなく話し続け、私はひたすら彼の話に耳を傾けました。とても辛かったです。」MSFは、今回の戦争以前から心理・社会的支援を提供していた患者たちとの接触を再開するとともに、救援活動の最前線に立ち、大きなストレスを受けたパレスチナ人スタッフへのグループ療法を開始し、心理ケアプログラムを強化している。


MSFのガザにおける活動の詳細はこちらから。
http://www.msf.or.jp/news/2009/01/1566.php

★☆★ インフォメーション ★☆★

■3月8日は世界女性の日

3月8日は、「世界女性の日」です。国境なき医師団(MSF)はこの日を前に、リベリア、ブルンジ、コンゴ民主共和国、南アフリカ、コロンビアなどの国々での、性的暴力の被害者の治療経験に基づいた報告書を発表しました。MSFはこの報告書のなかで、被害をうけた女性たちの苦しみを軽減するには、緊急医療を受けられる体制をつくることが必要と訴えています。MSF日本では、本報告書や写真、ビデオなどを掲載する特設サイトを設置しました。こちらから是非ご覧ください。


■命を救うために毎日できることは何だろう

国境なき医師団(MSF)の援助活動は、皆様からのご支援に支えられています。MSFでは1回ごとに任意の金額をお寄せいただく随時の寄付をお受けしております。詳細はこちらからご覧ください。
http://www.msf.or.jp/donate/donate2.html

【いただいた寄付金でできること】

○3,000円で、100人の避難民に1カ月間、清潔な水を供給できます。

○5,000円で、5人の栄養失調児に1週間、栄養治療食(RUF)を毎日3食提供できます。

○10,000円で、40人の怪我をした子どもに、抗生物質を用いた治療を行うことができます。

○30,000円で、火傷を負った2人の患者に、手術後の消毒処置を、8日間行うことができます。

□「1日50円キャンペーン」

1日あたり50円または任意の金額を、1カ月ごとに口座から振り替えていただく継続的なご寄付の方法です。安定した資金が確保できるため、緊急事態へのより迅速な対応が可能となり、またより長期的な視野に立ったプログラムづくりを可能にする支援方法です。ぜひご参加下さい。お申し込みはこちらからどうぞ。
http://www.msf.or.jp/donate/donate.html

【いただいた寄付金でできること】

○1日50円X1カ月=80人に1カ月間、風邪などの病気や怪我の治療を含む基礎医療を提供できます。

○1日100円X1カ月=100人の避難民に1カ月間、清潔な水を供給できます。


■海外派遣に興味をお持ちの方へ

MSFでは海外派遣スタッフを常時募集しています。活動に興味をお持ちの方ならどなたでもご参加いただける「海外派遣スタッフ募集説明会」を毎月開催しています。東京のMSF日本事務局にて、3月19日(木)18時半~、4月17日(金)18時半~、また、大阪のpiaNPOにて、3月6日(金)18時半~、3月7日(土)13時半~、開催予定です。参加希望の方は、参加申込みフォームまたは電話(03―5286―6161)にて事前にお申し込みください。


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