電子記録債権は、流動性を高めつつ、

電子記録債権は、流動性を高めつつ、その取引の安全を確保するため、手形債権と同様に、
原因関係とは独立して発生する金銭債権である。すなわち、当事者間の合意のみで発生した
り譲渡の効力が生じたりする指名債権と異なり、電子記録債権の発生や譲渡については、手
形の作成、交付、裏書と同様に、発生記録や譲渡記録という当事者間の合意以外の行為が必
要であり、また、手形債権と同様に、原則として、善意取得や人的抗弁の切断の効力を認め
ている。
このように、電子記録債権は、紙媒体ではなく電子記録により発生し譲渡され、分割が容
易に行えるなど、手形債権と異なる側面があるものの、手形債権の代替として機能すること
が想定されており、会計処理上は、今後も並存する手形債権に準じて取り扱うことが適当で
あると考えられる。貸借対照表上、手形債権が指名債権とは別に区分掲記される取引1
に関
しては、電子記録債権についても指名債権とは別に区分掲記することとし、「電子記録債権
(又は電子記録債務)」等、電子記録債権を示す科目をもって表示する2

このため、発生記録により売掛金に関連して電子記録債権を発生させた場合には、電子記

1 例えば、売掛金や買掛金に係る取引が該当する。
2
貸付金や借入金等については、現行の企業会計上、証書貸付や手形貸付等に区分掲記せずに「貸
付金」「借入金」等として表示していることから、それらに関連して電子記録債権が発生しても
手形債権に準じて取り扱うため、科目は振り替えないことになる。また、手形債権が指名債権と
は別に区分掲記される取引であっても、重要性が乏しい場合には、電子記録債権を区分掲記では
なく手形債権に含めて表示することができる。
2
録債権を示す科目に振り替え3
、また、譲渡記録により当該電子記録債権を譲渡する4
際に、
保証記録も行っている場合には、受取手形の割引高又は裏書譲渡高と同様に、財務諸表に注
記を行う。
適用時期
本実務対応報告は、公表日以後適用する。
議 決
本実務対応報告は、第 174 回企業会計基準委員会に出席した委員 13 名全員の賛成により
承認された。

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最終更新:2015年03月18日 14:25
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