Ⅳ.レイティング

  • チェスの棋力を、科学的(数字的)に評価する方法として、レイティング・システムがあり、中でも、エロー(元ウィスコンシン大学教授)システムが有名で
す。
JCCAでも、これに準拠する、独自のシステムを採用しております。
従来の経験を踏まえ、改良を重ねて参りました。現在のレイティング規則は次のようなものです。
  • (1) 初めて、このレイティング制度に参加される方には、次の仮レイティング(Ra)が与えられます。
    • (a) すでに、JCA(日本チェス協会)の本レイティングをお持ちの方は、それをスタートの仮レイティングとします。
    • (b) それ以外の方は、一律に1200とします。<br>
  • (2) レイティングの上下の計算は、対局開始時の持ち点より、次ページの速算表により計算され、その点数を、対局終了時の持ち点より増減されます。
  • (3) 始めてから、12ゲームを終了した時点で、次の公式により、仮レイティングの修正を行います。
  (対戦者12名のレイティング÷12)+360×{(勝-負)/(勝+負)}=Rb
  • (4) 20ゲームを終了した時点で、本レイティングとして認められます。
それまでの仮レイティング(Ra,Rb)は、すべて(1320)というように、カッコをつけて表示されます。<br>
  • (5) レイティングは、報告された棋譜をもとに、JCCA本部によって計算・運用され、機関誌「Newsletter」誌上に発表されます。
  • (6) このレイティングは、レイティングを対象とすることを明示したJCCAのゲームに共通して採用され、棋力評価の基準とされます。

[レイティングの計算例]
(a) A氏対B氏戦=A氏勝ちの場合(ゲーム開始時のレイティング、ABとも1200、終了時のレイティング、A1200、B1230の場合)
  開始時の両者の点差は0なので、表の最上段(1行目)を見ます。<br>
  勝ったA氏は、終了時の1200に30点プラスして、1230。<br>
  負けたB氏は、終了時の1230より30点マイナスして、1200となります。
  次に変動があるまで、これが現在の持ち点になります。
(b) C氏(開始時1500、終了時1516) D氏(開始1380、終了1355)
  C氏勝ちの場合=開始時120点差なので、C氏は、上位者の10行目の欄の右にある「上位勝ち」の欄により、21点を終了時の1516にプラスして
1537。D氏は、下位者の11行目の欄の右にある「上位勝ち」の欄により、20点を終了時の1355よりマイナスして、1335となります。<br>
  D氏勝ちの場合=C氏 1477(1516-39)、D氏 1395(1355+40)<br>
  ドローの場合=C氏1507(1516-9)、D1365(1355+10) となります。

最終更新:2008年08月14日 23:02