JCCA通信競技規則2007年1月1日改訂



Ⅰ.郵便戦

指し手の伝達

(1)ゲームは、この規則により、郵便を利用して行われる。

(2)指し手は、明確な表記法を用いる。ゲーム開始時(開始前、または、第1手交信中)にお互い
の了解がなされていない場合は、代数式(国際式・統一表記法)とし、駒記号はK,Q, R, B お
よびN を用いる。

(3)指し手には一連番号を付け(1. d4 とか、8... Nf6 とか、指し手に番号を付す)、ハガキ、ま
たは封書にて相手に送る。いったん投函された指し手は、電話、電報、速達などによっても(た
とえ指し手より早く到着したとしても)変更できない。

(4)相手に対し、指し手とともに1手、または数手の予想手を提案することができ、相手は、これ
に対応しなければならない。しかし、この提案の全部、または、一部を受諾するもしないもい
っさい自由であるが、提案者は、相手の返信が到着するまでその予想手に拘束され、変更でき
ない。なお、提案された予想手と同じ手を選択したにもかかわらず、これに応じない返信をし
たときには、ゲームの促進にそぐわない行為として、消費日数に(考慮日数として)5日加算
される。(例えば「1. e4 には1... e5 なら2. Nf3 とする」に対し「1... e5」とのみ返信
した場合)

(5)指し手には、相手からの指し手と、相手の提案した予想手の承諾部分を確認のため前記し、自
分の指し手、および、提案する予想手を後記する(一連の予想手を受け入れる場合は、正確な
順序で、承諾した予想手のすべてを再記しなければならない)。また、指し手には、消費日数
(この規則(11)参照)、トーナメントの種類、および、氏名、または、サインを記入する。(ハ
ガキは表か裏に氏名が書かれていればよい。封書を用いる場合は、同封の紙片に必ず氏名、ま
たは、サインを書くこと)

(6)不可能、または、判読不能の不明瞭な指し手を受け取った場合は、直ちに相手に訂正を求めな
ければならない。この場合、相手には反則として、消費日数を5日加算される。(同じ場所へ
動ける同種の駒が2つ以上あるときに、どちらの駒か区別しなかった場合も不明瞭な手に含ま
れる)これらの場合、その関係した駒を強制的に動かせられることもないし、指し直しのとき
に、必ずしも先に動かした駒を動かさなくともよい。

(7)指し手に、取り、チェック、メイト、アンパッサンなどの符号を書かなくても、不可能な手と
はならない。また、指し手の一連の番号を誤記しても、指し手が判読できる場合は、不明瞭な
手とはならない。

(8)指し手は、消費日数とともに正確な順序で記録し、相手との交信は、すべてトーナメント完了
の日まで保存しなければならない。

消費日数(制限日数)・日数超過と罰則


(9)返信は、なるべく早いのを理想とするが、郵送日数を除き、10手ごとに30日の消費日数を
与えられる。先の10手で余った消費日数は、次の10手に繰り越して用いることができる。

(10)1回の交信に、消費日数を10日以上用いると思われるときは、前もって相手に通知しなけれ
ばならない。

(11)指し手には、次の消費日数に関する事項を付記しなければならない。
a、相手から来た指し手の消印の日付(確認)
b、相手から来た指し手の到着日
c、この自分の指し手の消印予想日(投函日ではない)
d、上のb とcの差から生じる消費日数(ゲーム別に)
e、この指し手までの、お互いの消費日数(ゲーム別に)
もし、これらの記載が不完全な場合は、それまでの相手の返金郵送日数を基礎として、自分で
相手の消費日数を決定することができる。これは、直ちに相手に知らさなければならない。

(12)相手から返信のあると思われる日より10日以内(郵送日数を除く)に何の返信もないとき
は、前信を再記して相手に催促する。また、その催促による返信があると思われる日より10
日以内に何の返信もないときは、そのむねをトーナメント・ディレクター(以下、TD)へ報
告する。これらの返信予定日は、必ず、それまでの平均郵送日数によるものとする。

(13)相手が消費日数(10手以内30日、20手以内60日、30手以内90日、以下これに準ず
る)を超過したときは、TDに超過認定の請求をすることができる。これは、双方の総消費日
数を記載して報告すればよい。ただし、超過認定の請求は、相手の第10手、第20手、第30手等を受け取ってから7日以内にしなければ有効とはならない。これを逸したときは、次の
認定の機会まで待たなければならない。

(14)消費日数の超過認定の請求を受けたTDは、超過したとされる競技者に対し、その事実を問い
合わせ、すみやかに判断を下さなければならない。その結果、日数超過が確認された場合には、
その競技者に対し、TDにより、反則による負けを宣告される。

(15)ゲームの進行に関して、TDよりの問い合わせに応答しなかった競技者は、ゲームを途中放棄
したものと見なされ、TDは、その競技者に負けを宣告することができる。

休暇・終了・裁定

(16)ゲームの中断を希望する競技者は、TDと対局相手の全員に事前に通知すれば、1回、または、
数回の休暇を許される。これは、暦年(1月1日~12月31日)に通算30日以内とする。
特に休暇の延長を希望する競技者は、TDの許可を得て、傷病、職業上、学業上、チェス界の
やむを得ない旅行等に限り、さらに通算30日以内の休暇を許される。

(17)前項により休暇をする者は、期間を明記し、対局相手に通知しなければならない。これを怠っ
た者は、消費日数が継続して算入される。なお、すでに休暇中の相手より指し手を受け取った
ときは、その時点で相手の休暇は終了したものと見なされ、ゲームは続行される。したがって、
消費日数を普通に計算して返信すればよい。

(18)ゲームが終了したときは、勝者(ドローのときは白番の者)が棋譜を作成して、すみやかにTDに提出しなければならない。このさい、ゲームの開始日、終了日、両者の開始時のレイティ
ング、および、本人のそのトーナメント(組)での通算成績を併記しなければならない。

(19)ゲームは、スタートの基準日より最長24か月をもって終了するものとする。これまでに終了
せず、勝ち、負け、または、ドローの結果が得られないときは、TDに申請して裁定を受けな
ければならない。そのさい、両者は、意見を付記することができる。

(20)ゲームの結果につき(19)の裁定の申請を受けたTDは裁定をする。このさい、判断が困難な場
合は、相当の裁定委員を加えることができる。

(21)競技者がゲームを中止したときは、TDはその競技者の全対局について、負けにするか無効に
するか、対局の中断と見なすか裁定をする。死亡の場合も同様とする。

(22)トーナメントや、個々のゲームの進行については、すべてTDの指示に従うものとする。

付則


(23)競技者が、以上の各項に反したと認められる場合には、TDは、競技者に対して、適当な処分
をすることができる。

(24)TDの処置に異議がある競技者は、これを裁定委員会に提訴することができる。これは、その
理由を文書(ハガキでも可)に記し、2週間以内にトーナメント・オフィスに提出しなければ
有効とはならない。

(25)対戦相手、TD、および、トーナメント・オフィスに問い合わせ中は、その往信の日付(消印
日)より、それに対する返信の到着する日まで、ゲームは中断され、その消費日数は算入され
ない。

(26)上記の(1)より(25)に定められていない事項については、国際通信チェス連盟(ICCF)の定める
ところにより、また、国際通信チェス連盟(ICCF)に定めがない場合は、その慣習とするとこ
ろに従い、管理されるものとする。


Ⅱ.Eメール戦 簡略版(郵便戦との違いを記しています。)

  • Eメールの通信が30日間不可能になった場合は、理由にかかわらず、リタイアしたものとして扱われる。
  • 「手」の表記は、国際数字式あるいは、ゲームをする2人が互いに合意した表記で。
  • 「手」の送信中には(受信日、送信日、消費日数計ほか、郵便戦で書かねばならないもののほかに)1手目からのすべての手と、送り手の名前とEメール・アドレスを書かねばならない。
  • 送信日と受信日との差は1日まで。《たとえば、2月5日送信の手は、遅くとも2月6日に受け取らねばならない。都合で2月7日以降に受け取った場合は、6日に受け取ったものとして扱わねばならない。
  • 相手が上記の差を2日以上とした場合は、TD(トーナメント・ディレクター)に連絡して、相手がルールに従うようにTDから指示してもらうことができる。
  • 14日以内に相手からの返事がない場合は、再信する。その際、コピーをTDにも送る。また、この再信に対する返事を送る場合も、コピーをTDに送る。《相手に再信を送る際に、宛先の下のccの欄にTDのアドレスを書けば、相手に再信が届き、同時にTDに再信のコピーが届きます。TDへのメールを別作成するのではなく、必ずこの方法を用いてください。》
  • 40日間手の送信なきゲームは、それについてTDに連絡しない者の負けとなる。
  • TDの質問に答えない者は、トーナメントからリタイアしたとみなされることがありうる(TDはそのように扱ってよい)。
  • アドレスが変わった場合はTDと対戦相手全員に知らせること。
  • 対戦者間で意見の相違が生じた場合はただちにTDに知らせねばならない。
  • ハードウェアやソフトウェアの重大なトラブルが生じた場合は、ただちにTDと対戦相手全員に知らせなければならない。
  • 持ち時間は10手50日。《JCCA戦では30日!》。
  • このタイム・リミットは1回超過で、負け。
  • 休暇は1暦年ごとに30日取ってよい。
  • 休暇を取る場合は、対戦者全員とTDに、前もって知らせねばならない。
  • ゲーム終了後、プレイヤーは両者ともTDに棋譜を送ること。


Ⅲ.ウェブサーバー戦整備中

最終更新:2008年08月14日 23:03