ハルヒと親父 @ wiki

二人は暮らし始めました 4日目

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haruhioyaji

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「ハルヒ、いつもネットで何見てるんだ?」
「内緒」
「おいおい。『一緒に暮らす以上お互い隠し事はなし』っていったのは、おまえだぞ。といっても、俺の方は、すでに隠すような余地は何もないわけだが。『あたしと住むんだから、この手のものは必要ないわね』って随分捨てられたし(谷口すまんな)。で、今は何見てるんだ?」
「プライバシー」
「けんもほろろ、かよ。んなこと言われると、余計に見たくなるんだよ。えーい、実力行使!」
「あー、後悔するわよ」
「誰だ、このマヌケ面? って、俺かよ! というか、ライブカメラな現在の俺かよ! どこで撮ってるんだ?」
「そんなの、アングルでわかるでしょ」
「って、パソコンのディスプレイのすぐ上に乗ってるじゃないか。なんで、気付かなかった、おれ?」
「灯台下暗しってとこね」
「いや、まて。高校時代もか。部室でも、おまえ……」
「ふっ。ご想像にお任せするわ」
「い、インターネットの意味ねー」
「ふんっ、誰かさんの、MIKURUフォルダーよりは、ましよ」
「……なあ、ハルヒ」
「な、なによ?」
「ちゃんと付き合う前とか、付き合い出してからも他の団員の手前、ってとこまでは、おれにも理解できるぞ。でもな、今は、おれたち二人で暮らしてるんだ。そんなもの介さず、直接おまえの目で俺を見てくれ。その方が俺だってうれしいぞ」
「わ、わかったわよ。でも、今の言葉、二言はないでしょうね」
「もちろんだ」
「……あたしだって、普通にネットサーフィンするときだってあるし、ネットオークションで『不思議なもの』を入手したりしたわ。まあ、ほとんど『はずれ』だったけどね。
webカメラは他の団員が用意してくれたの。みんなには、あたしがあんたを見てる事なんて、百も承知だったしね。結局、あんただけ、最後まで気付かなかった。……そういう『前科』があんのよ、あんたには」
「う、その、すまん」
「パソコンのウインドウにいつもあんたが映ってるだけで、どんなうっとうしい日も、いくらか気が晴れたわ。でもそのせいで、ちゃんとあんたを見るのが、おろそかになるんなら、確かに本末転倒よね。じゃあ、いくわよ、キョン!」
「お、おう」
「(じぃーーーー)」
「……ハルヒ、すまん。テクニカル・タイム・アウトをくれ」
「何よ、自分からかっこいい事、言っておいて」
「おまえは涼宮ハルヒだからわからんかもしれんがな、涼宮ハルヒに至近距離から見つめられるってのは、ちょっとした極限体験だぞ」
「なによ、それ?」
「素人には危険だ。息をするのを忘れる」
「なによ、あんたなんかキョンだから分からないんでしょうけど、あんたにじっと見られると副交感神経が刺激されて顔面特有の神経血管反射が起こって血管が拡張して……」
「いや、もういい。おまえの顔見てたら、何が起こってるか、俺にもわかる」
「……顔が……真っ赤になるんだからね……」













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