ハルヒと親父 @ wiki

そのとき親父書きは何を思ったか(その4)?

最終更新:

haruhioyaji

- view
管理者のみ編集可

ハルヒと親父3 — 家族旅行プラス1の場合


 最初に浮かんだのは、

「よお、ベルちゃん久しぶり」
「何度も言うが、おれは鈴宮じゃなくて涼宮だ」

という耳で聞いたら全然分からないやり取りです。これは会うたびに繰り返されている軽口なんでしょう。これだけで「親父と怪しい仲間たち」の短くない、冗談みたいな本気みたいな付き合いが、親父書きの頭に、ぱあと広がりました。

 この無意味にハードボイルドっぽい(とそのときは思った)設定を生かすには、逃げる者と追う者の追っかけサスペンスだ、ということで、親父にキョンが拉致られてハルヒに追っかけられる話を思いつきました。「スピンアウトもの」とした話です。

 ただこれは挫折しました。はじめとおわりはすぐ決まったのですが、サスペンスは、中盤の持続というか、どう話を進ませず読み手を引っ張るかがキモでそこのところがうまく書けませんでした。地理的な情報ををどう使うかとか、親父の悪知恵+怪しい仲間をハルヒがどう退けるかが消化できず、はっきり実力不足でした。

 もひとつは、親父さんとキョンの逃亡ペアだと、会話が続かない。理由は主にキョンがどれくらいの距離感で親父さんに接すればいいか、つかみかねている(もちろん親父書きもですが)ところにあります。キョン(&親父書き)が、親父さんとの距離感をつかむには、まるまる一本のお話が必要でした。この家族旅行ものは、そういうお話です。

 追っかけものの要素が部分的に残って、ハルヒ&キョンを涼宮夫妻が追っかける話になってます。これは親父シリーズの第1話を意識的に繰り返してもいるんですが、ハルキョンの関係、親たちとの関係が進展していることを見せたかった訳です。

 という訳で親父書きは、ラストのハルヒと母が砂浜を歩いているのを見つけて、思わず隠れるところが好きです。
「ててっ。……どうして隠れるんですか?」
「あー、つまり……」
親父さんは小さく咳払いした。
「いい絵はな、少し離れて見るのがいいんだ」 

 ここの親父の言い訳のセリフ、リアルに聞いたらぶん殴ってやろうかとおもいますが、これが言えるのが親父さんのキャラクターとしての強みですね。どんな恥ずかしいことを言っても大丈夫、という。なんて、うらやましい奴なんだ。

 最初の「鈴宮じゃなくて涼宮だ」は、なんとか使いたくて、夢オチものとしてスピンアウト話を書きました。一部に不整合なところがありますが、そこはご愛嬌ということで。









目安箱バナー