ハルヒと親父 @ wiki
あいつについてあたしが話せる2、3の事項
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haruhioyaji
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(ポクロウタさんのブログに掲載されてる http://pokurouta.blog99.fc2.com/blog-entry-219.html
「翌年からあの事件の日が近くなると無意識の不安からハルヒに抱きついちゃうキョンそしてわけがわからないハルヒ」の絵に殴られたような衝撃を受けて書きました。)
「翌年からあの事件の日が近くなると無意識の不安からハルヒに抱きついちゃうキョンそしてわけがわからないハルヒ」の絵に殴られたような衝撃を受けて書きました。)
この時期、あいつは決まってどこかおかしくなる。
もともと何考えてるか、いまいちわからないし、最初からおかしなやつだけど、この時期はそれに輪をかけて変だ。
普段は、あたしが声をかけても、何かに誘っても、決まってめんどくさそうな顔するくせに、この時期だけは反対で、何かといえば、あたしに声をかけてくる。「何の用?」と尋ねると、「いや別に」とか「いや、いい」とか、まったく要領を得ない。
それに、この時期になると、どういうわけか、いっつもあたしの方を見てる。
見えなくなると、目と首の動きを総動員して、きょろきょろし出す。
あたしを探してるのか、と聞いても、絶対にそうだと認めないけれど(こんなとこだけ、いつもと同じだ)、どう見たって10人いれば10人ともがイエスと認定するわよ。
見えなくなると、目と首の動きを総動員して、きょろきょろし出す。
あたしを探してるのか、と聞いても、絶対にそうだと認めないけれど(こんなとこだけ、いつもと同じだ)、どう見たって10人いれば10人ともがイエスと認定するわよ。
それどころか、これは周りに誰もいないときに限られるけど、なんとかして、なんのかんのと言い訳して、あたしを抱きしめようとする!
なんなのよ、いったい!?
そんなことされても、うれしくなくなくなくもないけど、物事には順序とか心の準備とか、そういうものがあるでしょ!
それに一度抱きつくと、しつこい。いつまでたっても離そうとしない。
周りに人がいないとき限定だけどね!
なんなのよ、いったい!?
そんなことされても、うれしくなくなくなくもないけど、物事には順序とか心の準備とか、そういうものがあるでしょ!
それに一度抱きつくと、しつこい。いつまでたっても離そうとしない。
周りに人がいないとき限定だけどね!
「どうしたのよ? あんた、ちょっと変よ!」
「ああ」
「ああ、じゃわかんないでしょ! あんたは、いつも、どっか変なんだから、そのいつもの変なのか、今日特別の変なのか、それとも毎年この時期特有の……」
「ああ、そうだ」
って、どれがそうなのよ!?
「どうしたっていうのよ、まったく」
「いやか?」
「いやじゃないけど……正直困る。あんた、理由も言わないし、あたしもどうしていいか、わかんないでしょ?」
「もう少しだけ、こうしててくれ……」
「ふう、いいけど。ほんとにもう」
「すまん」
「あやまるな!」
「ああ」
「ああ、じゃわかんないでしょ! あんたは、いつも、どっか変なんだから、そのいつもの変なのか、今日特別の変なのか、それとも毎年この時期特有の……」
「ああ、そうだ」
って、どれがそうなのよ!?
「どうしたっていうのよ、まったく」
「いやか?」
「いやじゃないけど……正直困る。あんた、理由も言わないし、あたしもどうしていいか、わかんないでしょ?」
「もう少しだけ、こうしててくれ……」
「ふう、いいけど。ほんとにもう」
「すまん」
「あやまるな!」
寒い季節だし、こいつは体温高めで暖かいし、それに……
……って、ああ、そう! 全然イヤじゃないわよ!
ただあたしが言いたいのは、聞きたいのは、問い質したいのは、こいつが何かで悩んでたり苦しんでたりするんならするで、それをあたしにちゃんと言いなさいってこと!
なんで黙ってるの? 何にも言ってくれないの?
あたしだって、いつも何でもできるわけじゃないけど、それでも!
……こいつの、こんな……何だろう、悲痛っていうか、痛々しい顔を見てたいとは思わないわよ!
あたしを抱きしめて気が済むのなら、今日は特別ってことにしてあげなくもないけど、ちょっとキョン、あんたにそういう顔、ぜんっぜん似あわないんだからね!
……って、ああ、そう! 全然イヤじゃないわよ!
ただあたしが言いたいのは、聞きたいのは、問い質したいのは、こいつが何かで悩んでたり苦しんでたりするんならするで、それをあたしにちゃんと言いなさいってこと!
なんで黙ってるの? 何にも言ってくれないの?
あたしだって、いつも何でもできるわけじゃないけど、それでも!
……こいつの、こんな……何だろう、悲痛っていうか、痛々しい顔を見てたいとは思わないわよ!
あたしを抱きしめて気が済むのなら、今日は特別ってことにしてあげなくもないけど、ちょっとキョン、あんたにそういう顔、ぜんっぜん似あわないんだからね!
「キョン、手、出しなさい」
「手?」
「そう、手。出したら、ほら、握って」
「お、おう」
「あんたがなんでそんな悲痛な顔してるか、話そうともしないし、聞いても何にも言わないし、それは腹立たしいけど……いい?
「手?」
「そう、手。出したら、ほら、握って」
「お、おう」
「あんたがなんでそんな悲痛な顔してるか、話そうともしないし、聞いても何にも言わないし、それは腹立たしいけど……いい?
あ・た・し・は・こ・こ・に・い・る。
何があっても、あたしはここにちゃんといるから、絶対だから! あと少し待ってあげるから、さっさといつものあんたに戻んなさい! ほら、手。ちゃんと握って! こうしてたら、いくら鈍いあんたでも、わかるでしょ?」
「あ、ああ……そうだな」
「あ、ああ……そうだな」
やっと笑ったわね。笑ってんだか困ってんだか、わかんないような笑みだけど。
だけど、これだけはわかる。
あたしが今握っているものは、何があっても決して離しちゃいけないものなんだって。そうしていれば、何があっても大丈夫なんだって。ちょっと、あんたはわかってんの、キョン?
「わかってる。……ありがとな」
べ、べつに、あんたのためとか,そういうんじゃなくて,純粋にあたしがこうしたいからとか、あんたの辛気くさそうな顔は見てられない、じゃなくて見るに耐えないとか、とにかく、そういうことよ!
「わかってる。……ありがとな」
べ、べつに、あんたのためとか,そういうんじゃなくて,純粋にあたしがこうしたいからとか、あんたの辛気くさそうな顔は見てられない、じゃなくて見るに耐えないとか、とにかく、そういうことよ!
キョンの大きな手、空いた方の手が、あたしの髪をくしゃっとなでる。
とある12月18日の、晴れた日の午後。