ハルヒと親父 @ wiki

オヤジ野球4

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haruhioyaji

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オヤジ
お、次の打者はキョンか? いきなり魔球でいくぞ。
キョン
いや、まだ1回の2番打者だし、お願いですから、もう少し温存してください。
オヤジ
じゃあ、すごく速くて痛い親父ストレートと、すごく曲がって痛い親父シンカーとじゃ、どっちがいい?
キョン
……選べるのは、球種だけなんですね。
ハルヒ
ちょっと、親父! ぶつけでもしたら、ただじゃおかないからね!!
オヤジ
ほう、どうするつもりだ?
ハルヒ
野球以外で勝負を決するに決まってるでしょ!
オヤジ
おもしろい。受けて立つぞ。
キョン
あー、ハルヒ、落ちつけ。多分、ボールに当たることはないから。親父さん、試合を続けましょう。
オヤジ
お、おう。
ハルヒ
あ、あんたがそこまで言うなら。
古泉
両者引きましたが、今ので親父チームは、また盛り上がってますね。
みくる
な、長門さん、そのメガネは?
長門
……自己主張。
オヤジ
守備は全くあてにできんし、やれやれ、少しだけ本気を出すか。

そう言って、親父さんはストライクゾーンの隅をつくストレートを3球投げた。

ハルヒ
こらキョン!振らなきゃ当たんないでしょ!
ハルヒ
こらキョン!振ればいいってもんじゃないの!ちゃんとボールを見なさい!
ハルヒ
ああ、もう!なんとかならないの!? デッドボールでも何でもいいから出塁しなさい!!

というか、スペックの差だ。マトモに組んだ勝負じゃ適う気がしないぞ。変則だと、もっと勝てる気がしないが。

そして親父さんの無駄に高いスペックは、つづく3番(古泉)、4番(長門)を三球三振に取ることで証明された。長門、もう少しだけ本気出してもいいかもしれないぞ。いや、メガネの方じゃなくて。

ハルヒ
しまっていくわよ!!
拡大SOS団各員
おーっ!!

オヤジ
おまえだけ声がないぞ、ダウナー系キャッチャー。
キョン
親父さんも一番打者ですか。
オヤジ
イヤになるくらい考えることが似ていて、本気でイヤになるぞ。ところでキョン、これは勝負で、あいつの親だけあって、おれも負ける事が嫌いだ。
キョン
……知ってます。
オヤジ
そうか。じゃあ、遠慮なく、イヤな事言って揺さぶりをかけるぞ。アフター野球まで引きずるなよ。
キョン
どんだけイヤな事を言うつもりなんですか。
オヤジ
……はっきり言う。おまえがキャッチャーだと、バカ娘は全力を出せん。
キョン
ええ、まあ、そうですね。
オヤジ
なんだ、思ったより、全然スルーだな。
キョン
既定事項というか、折り込み済みですから。
オヤジ
ハルキョンは伊達じゃないってとこか?
キョン
さあ、そこまでかどうか、わかりませんが。
オヤジ
なんだか素でイケメンなセリフを言われると腹が立つな。
キョン
いまのが?どこが?
オヤジ
いきなり「できる男」みたいになりやがって。そんなんじゃ読者の共感は得られんぞ。もっとこう、昼寝とあやとりだけが得意の丸出だめ夫が、出てくる女子キャラみんなに惚れられるところにギャルゲーの基本が……。
ハルヒ
うっさい!バカなこと言ってると、実の親でも球ぶつけるわよ。言っとくけどあたしはナックルなんてひょろい球は投げないから。縫い目全部に指をかけた4シームで勝負よ!
オヤジ
おい、キョン、今のどこが逆鱗に触れたんだ?
キョン
全部では? いや、前提がすでに。
ハルヒ
キョンもさっさと座りなさい!投げられないでしょ!
オヤジ
キョン、これはおれの予感だが……。
キョン
ええ。
オヤジ
この試合、なぜだか、投手戦になる気がするな。
主審
ストライーク!
オヤジ
な?

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