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ハルキョン童話:しかめっ面の女の子
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haruhioyaji
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しかめっ面の女の子は、いつも、しかめっ面をしていました。
しかめっ面の女の子には、いつも、まぬけ面の男の子がついて歩いていました。
しかめっ面の女の子には、いつも、まぬけ面の男の子がついて歩いていました。
しかめっ面の女の子は、あるとき、右腕をぶんと男の子の方に投げ出しました。
「どうした?」とまぬけ面の男の子は尋ねます。
「腕が重い!疲れたの! 見れば分かるでしょ!」と女の子は言いました。
まぬけ面の男の子は、やれやれ、とつぶやいてこう言いました。
「しかたないな。そんなに重いなら持ってやる」
こうしてしかめっ面の女の子は、まぬけ面の男の子と、手をつなぐことができました。
「どうした?」とまぬけ面の男の子は尋ねます。
「腕が重い!疲れたの! 見れば分かるでしょ!」と女の子は言いました。
まぬけ面の男の子は、やれやれ、とつぶやいてこう言いました。
「しかたないな。そんなに重いなら持ってやる」
こうしてしかめっ面の女の子は、まぬけ面の男の子と、手をつなぐことができました。
しかめっ面の女の子とまぬけ面の男の子がしばらく歩いて行くと、女の子は突然立ち止まりました。
「どうした?」とまぬけ面の男の子は尋ねます。
「足が重い!疲れたの! 見れば分かるでしょ!」と女の子は言いました。
まぬけ面の男の子は、やれやれ、とつぶやいてこう言いました。
「しかたないな。そんなに重いなら持ってやる」
こうしてしかめっ面の女の子は、まぬけ面の男の子に、お姫さまだっこしてもらうことができました。
「どうした?」とまぬけ面の男の子は尋ねます。
「足が重い!疲れたの! 見れば分かるでしょ!」と女の子は言いました。
まぬけ面の男の子は、やれやれ、とつぶやいてこう言いました。
「しかたないな。そんなに重いなら持ってやる」
こうしてしかめっ面の女の子は、まぬけ面の男の子に、お姫さまだっこしてもらうことができました。
それから、しかめっ面の女の子とまぬけ面の男の子が、またしばらく行くと、女の子は突然、真っ赤になりました。
「どうした?」とまぬけ面の男の子は尋ねます。
「の、のどが乾いたんだけど」と女の子は言いました。
まぬけ面の男の子は、やれやれ、とつぶやいてこう言いました。
「しかたないな」
まぬけ面の男の子は、女の子を降ろして、近くに水を汲みに行きました。
女の子はもくろみがはずれて、地団太(じだんだ)を踏みました。
「どうした?」
水を汲んで帰って来た男の子が尋ねました。
女の子は、真っ赤な顔で口をかたく結び、じっと男の子の顔に穴が空くまで見つめました。
男の子は、不思議そうな顔して女の子を見ていました。
女の子は、男の子の顔があまりにまぬけ面だったので、相手と自分への怒りも忘れて、ぷっと吹き出してしまい、とうとう大きな声で笑い出しました。
まぬけ面の男の子も、少し困ったような笑みを浮かべました。
「どうした?」とまぬけ面の男の子は尋ねます。
「の、のどが乾いたんだけど」と女の子は言いました。
まぬけ面の男の子は、やれやれ、とつぶやいてこう言いました。
「しかたないな」
まぬけ面の男の子は、女の子を降ろして、近くに水を汲みに行きました。
女の子はもくろみがはずれて、地団太(じだんだ)を踏みました。
「どうした?」
水を汲んで帰って来た男の子が尋ねました。
女の子は、真っ赤な顔で口をかたく結び、じっと男の子の顔に穴が空くまで見つめました。
男の子は、不思議そうな顔して女の子を見ていました。
女の子は、男の子の顔があまりにまぬけ面だったので、相手と自分への怒りも忘れて、ぷっと吹き出してしまい、とうとう大きな声で笑い出しました。
まぬけ面の男の子も、少し困ったような笑みを浮かべました。
こうして、しかめっ面の女の子は幸せになりました。今日も幸せだと思います。