ハルヒと親父 @ wiki

ハルヒ先輩5

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haruhioyaji

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 「ハルヒ、前から言ってたけど、明日から修学旅行だ。2泊3日だけど、その間会えないから」
「なんで?」
「なんでって、旅行だし、この町離れるから」
「父兄参加はないの?」
「ない!と言うか、父兄じゃないだろ!?」
「保護者扱いにしなさい」
「保護者も同伴しない! っていうか、修学旅行だぞ、同じ高校だったんだし、ハルヒも行っただろ?」
「ううん、行ってない。団体行動に対してモチベーション低かったから」
「いや、学校自体が団体行動の固まりだろ!」
「とにかく連れていきなさい!」
「首にすがりついてゴロゴロしても無理!」
「どうしても?」
「上目使いしても、くらくらするけど、無理。だいたい俺の一存に左右される学校行事なんてないだろ!?」
「じゃあ校長を堕してくる」
「やめろ。本気でできそうだから、やめてくれ」
「じゃあ、土壇場にしか働かない知恵をさっさと働かせなさい!」
「ひどい言われようだ。……毎晩、かならず電話するから」
「あんたね、そこらへんの高校生カップルとは訳が違うのよ!そんなので満足できるわけないでしょ!」
「いや、おれ高校生だし。満足いかなくても我慢するのが大人というものでは?」
「わかったわ。あんたが修学旅行に行けないように、拉致ればいいわけね」
「ぜーんぜん、分かってないぞ!」
「つまり、あんたはあたしと二人で大人の修学旅行をするという訳よ」
「へんなところに『大人』とか入れるな!いろいろいろいろ、もてあますだろ!」
「それは、すなわち『期待』してるということね!」
「ああ、俺自身が堕ちていく……」
「修学旅行に行けなくなったっていえば、積みたて金も払い戻してくれるし、軍資金もばっちりよ!親だってその期間、子供が旅行に行くことは折込済みだし」
「修学旅行を偽装したバカップル・ツアーがはびこったら、どうする?修学旅行崩壊だぞ」
「じゃあ聞くけど、今時修学旅行で何が学べるのかしら? 100個上げられたら考え直してあげる」
「100は企画者でも無理じゃないか?」
「何十年前から繰り返し、京都や奈良の神社仏閣を見て、何が楽しいの? しかも観光コース化された有名寺院ばっかり! 奈良の遺跡なんて結局お墓ばっかりじゃないの! 京都にはね、何度も戦場になってるから、怪奇スポットには事欠かないわ。それに縁切り寺もあれば、わら人形スポットも、BL向け縁結び寺だってあるの。こういう事実を隠蔽して、金ピカ寺院で鹿にせんべいやって、木刀で大仏の腕を切り落として、何が修学よ。どんな学を修めるっていうの!?」
「いや、俺たちの学校は関西だから、その京都・奈良にすら行かん!!」
「☆※*#★%$!!!」
「%*※★#$☆!!」
…………
………
……

「はあはあ、わかったわ」
「はあはあ、そうか、わかってくれたか」
「修学旅行でもどこへでも行って来なさい!」
「そんな捨て鉢な」
「さびしくなったら、あんたの携帯に電話する!」
「ああ、そうしろ」
「あたしも何時かけたくなるかわかんないし、昼間とかどっか見学してる時は邪魔だろうから、留守録にしとくといいわ」
「すまんな。気をつかわせて」
「いいわよ。そのかわり、留守録にはことごとくエロボイスを吹き込んどくから」
「え、エロボイスって何?」
「いわゆる、あえぎ声よ。詳しく言うと、性的に感じて思わず出ちゃう声ね」
「詳しく言うな!」
「もてあまして、旅行を抜け出して帰ってきても無駄よ。あたしも旅行に出て留守にしとくから」
「ハルヒ、分かってるのか?それって刺し違いだぞ。相手にダメージ与えるつもりで、自分も同じだけ食らうんだぞ」
「確かにそうね。じゃあ、あんたもエロボイスをあたしの携帯に入れておきなさい。さびしくなったら、それ聞いてしのぐから」
「ちょっと待て。な、なにをしのぐんだよ!」
「というより、今ここで、録音すればいいわけよね」
「腕をまくるな、唇を舐めるな! うまく間合いを詰めてくるな!ハ、ハルヒ。言っとくが、ここは天下の公道だ」
「少し路地に入れば、誰も来ないわよ。2千円出すから、とりあえずシャツを脱ぎなさい」
「そ、そういうのをな、青少年愛護条例違反っていうんだぞ! いけない大人め!」
「冗談よ。ああ、こういう冗談を3日間も我慢しなきゃならないなんて、耐えられるかしら」
「こういう冗談だったら、永遠になくても耐えられるぞ。それに、おまえは冗談のつもりでも、第3者的には立派にセクハラだぞ」
「ちょっと、キョン、喜びなさい! あんたとアホな話をしてたら、名案が浮かんだわ。これならあんたもあたしも文句ないはずよ。やっぱり欲望は発明の母ね」
「いや、普通は『必要は発明の母』っていうんだが……激しく不安だが、それって本当に名案なのか?」

 ● ● ●

 「点呼だ。この部屋……は、そうか。一人除いて全員いるか?」
「せんせーい。今夜もキョン君がいません」
「聞こえん。午後6時から午前7時まで、あいつの話をしても当局は一切関知しないからそのつもりで。じゃ、あんまり夜ふかしするなよ」

 ● ● ●

 「最初からこうすればよかったのよ!」
「どうやって、こんなめちゃくちゃな話、通したんだよ!?」
「聞きたいの?」
「……聞きたくない」
「これなら、あんたも修学旅行に参加できるし、『大人の〜』改め『夜の修学旅行』もあたしと楽しめる。誰も損害をこうむる人がいない、まさにwin−winのソリューションね!」
「俺の体が持たん……。あと『夜の』ってのもやめろよ」
「修学旅行なんて半分は移動時間なんだから、バスや電車のなかでたっぷり眠りなさい。今夜も寝かせないからね♪」







































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