ハルヒと親父 @ wiki
親父の英会話 Lesson 7
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haruhioyaji
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節約する英語ーワーキング・メモリを溢れさせないために
定型フレーズをつかう目的
- キョン
- 一番最初のときに、親父さんは、ちゃんとした文を作ろうとするからつまるんだ、と言ってましたね。
- オヤジ
- そうだな。今日は少し趣向を変えて、英会話の理想と現実、の話をするか。
- まず英語の処理能力が小さいうちは、単語数個、ヘタすりゃ2〜3個で脳のワーキング・メモリがいっぱいになる。これは日本語を英語に訳してたり、文法的に正しいか気にしたり、発音を気にしてたり、英語以外のことにも使ってる(メモリが消費されている)ことがある。「ちゃんとした文を作ろうとする」ってことは、こういう側面もある訳だ。
- 無論、英語が「できるようになる」とワーキング・メモリをもっと効率的に使えるようになるんで、長い文章でも聞きながらどんどん処理していけるようになるんだが、こうなるには、当たり前だがトレーニングと時間が必要だ。
- ワーキング・メモリの話は、当然、トレーニングの段階でも同じだ。2〜3の単語で脳のワーキング・メモリがいっぱいになる奴が、10語以上もある「基本文例集」なんか覚えようとすりゃ大変だろし、効率が上がらん。
- 「英文の中で英単語を覚える」というのがあるが、長所もあれば短所もある。文脈こみで覚えるのは悪いことじゃないが、2〜3の単語で脳のワーキング・メモリがいっぱいになる奴は、せめて2〜3語の連語(コロケーション)で覚えた方が楽だろう。最近はそういう英単語集が増えてる。『システム英単語』なんかそうだが、オヤジ世代には『英単語ピーナッツ』が受けてる。何故かと思ったんだが「モノトーンで字が大きい」から年寄りの目にやさしいのが理由じゃないかと疑ってる。
さて、トレーニング法は後に譲るとして、とりあえず今あるものでしのぐことを考えるか。
ワーキング・メモリを効率的に使うひとつのやり方は、単語単位で処理してるのを、フレーズ単位にすることだ。
最初のときに、pleaseをCan I have 〜?に置き換えろと言ったろ? あれは今までpleaseの1語が占拠してた領域にCan I haveというフレーズをつっこめってことだ。Can I have〜をあたかも一語のように扱えるようにな。そしたら、少しは余力が残って、もう少し長いフレーズで欲しいものを表現できるって訳だ。
英語の処理能力はそう簡単には向上しないが、単語をフレーズに置き換えていくと、少しは効率が良くなる。だから英会話の初級クラスでは、よく使うフレーズを繰り返し覚えることになるんだが、本来の目的は、ワーキング・メモリの効率的な利用だから、please→Can I haveみたいな置き換えから入ると都合がいい。最初は一言主みたいに、一語で成り立つ表現を集めて、それを数語のフレーズにしていく、とかな。
しかし、あくまでも目的は、ワーキング・メモリの効率的な利用だから、そこを外すと、覚えたフレーズ以外話せない、なんてバカな話になる。
最初のときに、pleaseをCan I have 〜?に置き換えろと言ったろ? あれは今までpleaseの1語が占拠してた領域にCan I haveというフレーズをつっこめってことだ。Can I have〜をあたかも一語のように扱えるようにな。そしたら、少しは余力が残って、もう少し長いフレーズで欲しいものを表現できるって訳だ。
英語の処理能力はそう簡単には向上しないが、単語をフレーズに置き換えていくと、少しは効率が良くなる。だから英会話の初級クラスでは、よく使うフレーズを繰り返し覚えることになるんだが、本来の目的は、ワーキング・メモリの効率的な利用だから、please→Can I haveみたいな置き換えから入ると都合がいい。最初は一言主みたいに、一語で成り立つ表現を集めて、それを数語のフレーズにしていく、とかな。
しかし、あくまでも目的は、ワーキング・メモリの効率的な利用だから、そこを外すと、覚えたフレーズ以外話せない、なんてバカな話になる。
Be動詞、冠詞を省く
- オヤジ
- ワーキング・メモリを効率的に使うもう一つの戦略は、「必要ないものは省く」。これは、たとえ、まともな英語にならなくても、通じる限りどんどん省いていく。必然的に「ちゃんとした文」にはならないが、それでも喋らないよりマシだ。言語は、喋る→相手の反応がある→うれしい、というサイクルのなかで、身に付いていく。「正しい英語」を話せるまで黙っていよう、では、いつまで経っても話せん。
- オヤジ
- ところでキョン、英字新聞、ってのは変な言い方だが、英語の新聞を見たことはあるか?
- キョン
- 駅の売店でときどき売ってますね。
- オヤジ
- 今度、一度買ってみるといい。まあ、日本で発行されている英字新聞は、日本の記事が載ってるのだから一見分かりやすそうだが、実は結構骨がある。アメリカの新聞の方が読みやすいことだってあるくらいだ。だから読めなくても全然かまわんぞ。
- 新聞の話題を出したのはな、「会話では、とりあえず、Be動詞と冠詞は無視してかまわん」という無茶を言うための呼び水だ。
- キョン
- え、ほんとにいいんですか? なんか一番基本的なものを省けと言われてるみたいで、結構びびりますね。
- オヤジ
- それで、英字新聞の見だしなんだ。紙面に限りがあって、しかも見だしは大きく書きたい、売上に響くからな。で、いくつかのローカルルールをつくった。
- まずBE動詞を省く
- 冠詞(a, an, the)も省く
- さらに言うと、英字新聞の見だしで、-edが着いた動詞はかならず受動態(受身)の意味だ(過去を表すには現在形を用いる)。同じくto不定詞になっている動詞は、かならず未来形の意味だ。これもどちらも、前にbe動詞が省略されているんだ。
- あんまり言っても覚えられんだろうから、とりあえずBE動詞は省け、冠詞は気にするな。例を出そうか?
- 元の文章:
Toyota is poised to enter financing.
トヨタは金融業にも参入する構えだ。
見出し:
Toyota poised to enter financing
トヨタは金融業にも参入する構え
元の文章:
President Bush will visit Japan.
ブッシュ大統領は日本を訪問 するだろう。
見出し:
President Bush to visit Japan
ブッシュ大統領、訪日へ
be動詞を復活:(be to 不定詞で「未来」を表す用法)
President Bush is to visit Japan
- オヤジ
- 日本語の新聞の見出しだって「〜だ」「〜である」は省いてある。掲示の場合なんか、だいたいそうだ。近頃じゃホームの電光掲示板がバイリンガルになってるが、
- Train arriving
電車が近づいてます - と交互に表示される。「正しい英語」ならThe train is arriving.だろ? だが、誰も文句はつけん。分かるし、誤解しようがない。会話っぽい例をあげようか?
- I reading this book. おれ、この本を読んでる
She my friend. 彼女は友達
He late yesterday. あいつは昨日、遅刻
I robot. 私はロボット
My English not good, but I try. 俺の英語ヘタ、だけどやってみる。 - be動詞や冠詞を省くぐらいだと、そんなにワーキング・メモリの節約にならん気がするかもしれないが、be動詞は一番むちゃくちゃな不規則変化をする動詞で実はその習得には相当な時間が費やされてる。冠詞の方はもっとひどくて、なかなか日本人がマスターできないし、自信が持てない。
- be動詞を省くと、誤解の余地は最低限のまま、カタコト英語が話せる。これがミソだ。そしてカタコト英語は、おれたちがカタコトの日本語を聞いたときに受け取るのと、同じメタ・メッセージを発している。つまり、
- 私と話す時は簡単な単語を使って下さい
- 話すことを考える時間やコトバを思い出す時間を十分に下さい
- 私がシンプルすぎる表現をつかっても、何が言いたいのだろうと想像力を働かせて下さい
- と、いうことを相手に伝える。
短縮形を使う:gonna,wanna,hafta,needa
- オヤジ
- be to 不定詞で「未来」を表すってのは、ちょっと文章語っぽいんで、会話では
- I to visit Japan
- よりも(こりゃ、見るからにへんてこだ)
- I gonna visit Japan.
- の方がいいな。発音もいかにも英語を喋ってる感じだろ?
- gonnaってのは「going to」の短縮なんで、ほんとは
- I am gonna visit Japan.
(I am going to visit Japan). - というのが「正しい」んだろうが、そんな言い方する奴はまずいない。せいぜい
- I'm gonna visit Japan.
- だが、主語にくっついたbe動詞の短縮形は、素人日本人の耳だとまず聞き落とす。というかbe動詞はそもそも弱く短く発音されることが多いので、日本人の耳は聞き落とすことが多い。だからbe動詞の省略は、日本人に聞き取れた英語の反映でもある。「I gonna visit Japan.」で全然かまわんし、この場合だと「I gonna Japan.」で「日本に行くつもり(行く予定)」と言いたいことは言えている。
- オヤジ
- wannaは洋楽の歌詞にやたらと出てくるな。「want to」の短縮だ。
- I wanna nurse. 看護婦になりたい
(I wanna be a nurse.) - be動詞を省こうといったのは、wannaの後ろにbe動詞を持ってくるのが「正しい」んだが、「え、どっちだっけ?」と余計なことにワーキング・メモリを費やさないようにする意味もある。主語がI(私)だったり、分かり切ってる場合は、主語すらなくてもいい。
- Wanna go Hilton hotel. ヒルトンホテルに行きたい。
Wanna blanket. 毛布が欲しい。 - haftaは「have to」、needaは「need to」の短縮形だ。この4つを使うとかなり表現が節約できる。
- Hafta call home. 家に電話しなくちゃ
Needa wake-up call. モーニング・コールをお願いします(モーニングコールが必要だ) - 疑問文もとりあえず語尾をあげときゃなんとかなる。
- You gonna pay? あなたが払ってくれるの?
Why hafta chage? なぜ変えきゃならない?
When wanna meet? いつ会いたいのですか?
Who neesa taxi? 誰がタクシーが必要な方は? - 否定もnot一本やりでかまわん。
- Not gonna pay. 払いたくありません。
Not hafta sign. サインしなくていいぞ。
Not wanna wait. 待ちたくないわ。
Not needa tie. ネクタイは要らないよ。
とりあえず目標は、ワーキング・メモリにあわせて3つの単語で済ませることだ。
それができるようになったら、ちょっとずつ上等な表現に置き換えていけばいい。
それができるようになったら、ちょっとずつ上等な表現に置き換えていけばいい。
親父の英会話 Lesson 8へつづく