ハルヒと親父 @ wiki
二人は暮らし始めました 6日目
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haruhioyaji
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- ハルヒ
- キョン、昨日の帰り、ヘルスメーターを買ってたわよね?
- キョン
- ああ。
- ハルヒ
- ひょっとして、あたし、太った?
- キョン
- いや、おまえは全然重くないぞ。むしろ自分用というか、近い未来対策だ。『備えあれば憂いなし』『転ばぬ先の杖』だな。
- ハルヒ
- あんた、太る予定でもあるの?
- キョン
- 予定はないが、『幸せ太り』って言葉があるだろ、ハルヒ。
- ハルヒ
- あるわね。でも、幸せと太ることは無関係よ。
- キョン
- そりゃまあ、そうだろうが。
- ハルヒ
- 結婚して太ったっていう新婚夫婦が時々いるけど、あれは作る方からすれば「量の加減がわからないし、だったら少ないよりは多いほうがいいかな」と思って作りすぎるからだし、食べる方からすれば「最愛の人がせっかく作ってくれたのに」と思って、無理して食べて残そうとしないからよ。
- キョン
- まあ、そうだろうな。だが、ハルヒ、この間、交感神経と副交感神経の話をしてただろ?
- ハルヒ
- 二日前の話ね。
- キョン
- 大雑把にいえば、交感神経が活性化するのは、いわば「戦闘状態」のときだ。「戦闘状態」のとき、交感神経からはノルアドレナリンというホルモンが分泌されて、血液を心臓と骨格筋に集め、皮膚近くの血液を減少させる。カロリーを消費すると同時に体温を下げるため、毛穴が開き大量の汗をかかせ、心臓はフル回転で心拍数は上昇し呼吸も激しくなり、そして消化管の栄養を吸収する能力は低下する。
- 逆に副交感神経が活性化するのは「休息状態」のときで、副交感神経からアセチルコリンが分泌され、心拍数を減少し、体を休め、リラックスした状態になり、消化管の蠕動は活発になり、栄養を吸収しようとつとめる。
- つまりだな、幸せだと副交感神経が優位の状態になって、体はカロリーを消費するよりも、吸収する状態になる訳だ。だから幸せだから太る、というのは一概に俗説とは言えないぞ。
- ハルヒ
- 世間一般のお幸せ夫婦と、あたしたちを一緒にしないでちょうだい! それと、あんたの今の説明は不十分、重要な部分が抜け落ちてるわ。
- ノルアドレナリンはね、人が何かに集中したり一生懸命なとき、たとえばスポーツやゲームに夢中なときや、ここをしっかり聞きなさい、恋しているときにも、盛んに分泌されるの!
- さらに言えば、楽しくて夢中になって寝食忘れるって時が人間にはあるけれど、あれは新しいことに向けてわくわくしてる時に分泌されるドーパミンの仕業よ。
- 自慢じゃないけどね、あたしはいつもノルアドレナリンもドーパミンも全開で生きてるわ。繰り返して言うけど、幸せと太ることは無関係、つまり、あたしが生ける証拠よ!
- キョン
- 参りました!!
- ハルヒ
- で、今日の食事当番のキョン、夕飯のメニューはなにかしら?
- キョン
- ああ、手間はかからないが、栄養のバランスを考えて、品目数をたくさん食べられるのにした。ーーーちゃんこ鍋だ。
- ハルヒ
- あ、あんたね……。