F値

 カメラのレンズにはF値(えふち)というものが書かれています。
これはレンズの焦点距離を有効口径で割った値であり、
レンズの明るさを示す指標として用いられます。
数式で表すこともできますが、細けぇこたぁほっといて、
F値が小さいほどレンズに多く光を取り込める(シャッタースピードを速くできる)、
被写界深度が浅い(ピントの合う範囲が狭い)と覚えましょう。

一般向けに市販されている物でもっとも明るいレンズは以下3点。
  • ライカの「ノクティルックス 50mm F0.95」
  • コシナの「フォクトレンダー ノクトン 25mm F0.95」
  • キヤノン「キヤノン 50mm F0.95」

特注品として作られた更に明るいレンズ
  • 映画『バリー・リンドン』に使用したカール・ツァイスの「プラナー 50mm F0.7」
  • 毎日新聞社の南極探検隊が使用した「シムラー 50mm F0.7」

         明るい F1.0      F3.5      F5.6       F8.0 暗い
              ┝ - - - - ┿━━━━━┿━━━━━┥
    ∩___∩   /)
    | ノ      ヽ  ( i )))
   /  ●   ● | / /
   |    ( _●_)  |ノ /   ここクマ――!!
  彡、   |∪|    ,/
  /__  ヽノ   /´
 (___)     /

絞り

 レンズには絞りが付いています。これは何かというと、
入ってくる光の量を調節したり、絞ることによってボケの量を少なくしたり、
レンズ本来の性能を引き出すためです。
 絞りは何枚かの羽状のパーツによって形成されていますが、この羽の量が多いと
絞ったときに奇麗な円形になり、ライトなどの点光源が奇麗な円を描きます。
基本は8枚、9枚くらいで、中には15枚も使ったレンズもあります。
ただ、羽の枚数が多いと駆動的に問題が出てくるので、そういったものはごくまれです。

画角

 基本的にカメラというものは、35mmをフルサイズと呼んでいますが、
これは、一般的なフィルム1コマのサイズが35mmということからきています。
これに対し、現在普及しているデジタル一眼レフカメラはこれよりもサイズの小さい
APS-Cというサイズのイメージセンサーが搭載されています。
そのため、レンズ記載通りの画角にはならず、いくらか望遠寄りになります。
また、イメージセンサーが大きいほど、背景をぼかし易いです。

各社のレンズを35mm換算するときの倍数

  • キヤノン   約1.6倍
  • ニコン    約1.5倍
  • ソニー    約1.5倍
  • ペンタックス 約1.5倍
  • オリンパス  約2.0倍
 オリンパスは「フォーサーズ」というAPS-Cよりもさらにサイズの小さい
イメージセンサーを使っているので換算は約2倍にもなります。

撮像素子の大きさ比較

撮像素子種類 面積比較 サイズ(mm) 搭載機種例
35mmフィルム 36×24 EOS 5D MkII、α900など
APS-C 23.4×16.7 一般的なデジタル一眼レフ
フォーサーズ 17.3×13.0 オリンパス・パナソニックのデジ一眼
1/2.5型 5.7×4.3 一般的なデジタルカメラ

レンズモーター

 レンズにはAFの動作用にレンズモーターが付いています。が、
動画撮影の時にはこの音が撮影した動画に音声として入ったり、
静かな場所で、なおかつ人がいた場合はシャッター音もですが、周りの目が気になります。
「ギュギュ、キュイキュイ」のような音。解決法は三つあります。

超音波モーター搭載のレンズを使う

 超音波モーターを搭載したレンズならば、動作音も静かで気になりません。
AFの動作も速いです。ただし、これまたお値段が張るので、金銭的に余裕があれば。
メーカーによって超音波レンズは呼び名が違います。確認して購入しましょう。
  • USM(Ultrasonic Motor)キヤノン
  • SWM(Silent Wave Motor)ニコン
  • SSM(Supersonic Wave Motor)ソニー
  • SDM(Supersonic Direct-drive Motor)ペンタックス
  • HSM (Hyper Sonic Motor)シグマ
  • USD(Ultrasonic Silent Drive)タムロン
以前自分もHSMレンズを使いましたが、AFの指標が動くときの
「スッ スーー」という動作音だけしか、認識できないくらい静かでした。

AFを使わず、MF(マニュアルフォーカス)を使う

 普段自動で合わせてもらっているフォーカス(焦点)を自分で合わせましょう!
レンズ本体の先にあるフォーカスレンズを回すだけです。
これならモーターは動作しないので、音は気になりませんし、なによりタダでできます。

動画撮影の場合は外付けのマイクを使う

 オプションとして販売されているマイクを使えば、離れた位置の音を録れるので
AF駆動の音は入らなくなります。値段は1万~2万円ほどです。
最終更新:2011年07月03日 22:18