最初に メガネを作った会社は
う
心で思い浮かべた物を⇒
電脳物質化する技術を
発明したそうです。
でも その後 どうなったかは
だれ
誰も知りません。
≪(少年)優子。
あっ。
≪ダメだ。
えっ?
≪来ては ダメだ。
あなたは?
「4423」。
あなた 4423でしょ?
≪さようなら 優子。
待って! 聞きたい事が…。
待って!
夢?
あっ 痛っ…。
まただわ… 「4423」。
一体 何なの?
(ダイチ)うわ~!
ぐわ~。
(ダイチチ)気合いが入っとらん!
乱取り あと20本追加!
(ダイチ)あ… よく来たな。
だいじょうぶ
(デンパ)大丈夫?
こわ
この間 家の空間ぶっ壊したんで
オヤジに 大目玉でさ。
毎日 これやらないと
メガネ 返してもらえないんだ。
(デンパ)この前 ガチャギリと ナメッチに
会ったよ。
とっくん
イサコに 暗号の特訓を
受けているんだって。
イサコのやつに すっかり
手なずけられおって。
うん? アキラじゃねえか?
あいつは ガチャたちと
一緒じゃないのか?
さあ?
(フミエ)あ~ やっと算数 終わり。
後は 自由研究だけよ。
ねえ ハラケンは ほうっておいて
てきとう
今までの 適当にまとめましょう。
これじゃあ いつまでたっても
終わらないわ。
それは 言いすぎよ。
これは ハラケンの研究なわけだし…。
私たちが 勝手にまとめちゃうのも
まずいわ。
夏休みは もう後1週間ないのよ。
ねえ 何で ヒゲやサカナの事
書いちゃいけないの?
あれ書きゃ 終わるじゃん。
さわ
だって あんな騒ぎになったのよ。
公表したら どこから
文句 言われるか分からないわ。
じゃあ クビナガは?
騒ぎ起こしてないわよ。
もう 死んじゃったし…。 デンパ君が
そっとしておいてほしいって…。
あのね 相手は
コンピューターウイルスなのよ。
ウイルスに気をつかって
どうするのよ。
そういうフミエちゃんだって
号泣してたわ。 クビナガの時…。
あれは… 空気を読んで
合わせてやったのよ。
大体 イリーガルの事調べていたら⇒
カンナの事故の事
分かるってもんじゃないしさ…。
このままじゃ
自由研究にもならないよ。
そうね…。 私も そのうち何か
見つかるって思っていたけど…。
交通局に 問い合わせてみた?
それがさ… メールで聞いたら
かんかつ
それは電脳局の管轄だって。
それで? 電脳局に聞いたら
事件的なものは 警察局だって。
れんらく
警察の連絡担当は あんたよね?
どうだった?
交通局に聞けって言われたわ。
子どもだと思って バカにしてる。
ちょっと トイレ。
うん?
(テレビ)「電波状態の悪い空間に⇒
きり こ
まるで 霧が立ち込めているように
見えるのだ。⇒
しかし これを見てほしい。⇒
何と 霧が少女の顔のように
見えるではないか!⇒
この交差点では 黒い人影のような
もくげき
ものの目撃例が絶えない。⇒
悲しそうな少女の影だとも
言われている。⇒
きょうふ
それは 子どもたちの恐怖の的
ミチコさんなのだろうか!⇒
しょうげき
衝撃の事実が 今 明かされる!」。
これだわ!
もう こんな時間。 ハラケンとの
待ち合わせ 忘れるとこだった。
そういえば メガばあ
まだ 病院から帰っていないわ。
るす たの
お留守番 頼みたいのに…。
◇点滅◇[電話]
はい もしもし…。
だいこく
「大黒病院」? ええ…。
えっ!
ヤサコ いい事 思いついたわ!
この番組を…。
フミエちゃん 今 病院から電話で
メガばあが 大変な事に…。
えっ?
(メガばあ)あ~!
オババ。
おっ…。
老人の ささやかな楽しみを
うば
奪うのか! このバチ当りが!
かんごし
(看護師)ですから 病院で
サンマの塩焼きは 困るんです。
こんな事じゃないかと思った。
オババ…。
ぎゃ~。 うわっ!
こ… 腰が… 腰が…。
悪いけど 私
先に図書館 行っているわ。
自由研究 さっさと
終わらせたいしね… じゃあ。
めいわく
ご迷惑を おかけしました…。
まったく もう…。 お見舞いに来て
かんじゃ
患者になって どうするのよ。
それにしても 最近の医者や
看護師ときたら⇒
年寄りへの敬意というものが
まるで感じられんわい。
オババも むちゃするからよ。
ふん!
この病院のために うちの オジジが
こうけん
してきた貢献に比べれば⇒
そのくらい 小さな事よ。
えっ? オジジってメガネの
技術者だったんでしょ?
オジジは この病院でな⇒
いりょう
メガネの技術を医療に役立てる
研究をしておったんじゃ。
へえ~ 初耳だわ。
病院内で メガネを自由に
使えるようにしたのも オジジじゃ。
そのおかげで
どれほど便利になったことか。
よく分からないけど オジジって
えら
そんなに偉い人だったんだ。
りっぱ
ああ… 立派な人じゃった。
ねえ オババ。
うん?
「4423」って 聞いた事ない?
「4423」?
誰かの名前みたいなんだけど
どうしても思い出せなくて…。
さて どうじゃったかのう…。
もうちょっとで
思い出せそうじゃが…。
わしも 4年前に ぶっ倒れて
記憶が 少々とんでいるのでな。
そうじゃ!
どうしたの?
腰の薬 もろうてくるの
忘れてた。
それで ロビーで待っていたのに…。
もう ボケが始まっておるな。
オババが 言わないでよ。
しかたないわね オババ 先に
帰ってて。 私 取ってくるから。
(オバちゃん)
なぜ大黒市に限って 消しても
消しても古い空間が発生するんだ。
ねこめ うわっ!
(猫目)よう。 猫目?
あんた ここで 何やっているのよ。
明日付けで ここに
入る事になった。 何ですって?
ぞうえん
私 増援は頼んだけど
部下を増やしてくれとは…。
「部下」じゃない。
君の上司だ。 「上司」?
(ハラケン)やっぱり ヒットしない…。
うん?
(少年の声)
この声… まさか ここにも
古い空間が…?
ちが
何か いつもの声と違うわね。
と
(アキラ)ウヒヒ…。 撮れる 撮れてる。
何が 撮れているの?
うわっ。
うわ~。
これは…。
とうさつ
盗撮?
観察です。
ないみつ
この件 なにとぞ ご内密に…。
それにしても ペットで
かく
隠し撮りしていたなんて…。
へえ~ なかなか
おもしろく 撮れているわ。
どうか 姉にバラすのだけは…。
そんげん
あの姉から 自分の尊厳を守るため
こんな事でもするしか…。
まあ 反省しているみたいだし
今回は見逃して…。
うわっ!
ちょっと あんた
私まで撮っていたの?
何で こんなとこばっか
撮るのよ!
もう 盗み撮りなんか許しません!
全部 消去しなさ…。
あら?
あまさわ
天沢さん?
これ この病院?
ついさっきの画像ね。
は… はい。 イサコさん
ちょっと様子が変なんです。
「変」?
すいそく
これは 僕の推測なんですけど⇒
この病院には きっとイサコさんの
秘密があるんです。
天沢さんの秘密?
ここには イサコさんの親せきか
誰かが入院していて⇒
ぐうぜん
僕は偶然 イサコさんが お見舞いに
来ているのを見つけたんです。
でも その人
とっくに退院しているのに⇒
イサコさんは まだ病院に通ってくる。
どこか体の具合でも
悪いのかしら?
いえ… イサコさんは やっぱり
お見舞いに来ていると思うんです。
どうして?
見つけました もう一つの病室を。
「もう一つの病室」?
その病室なんですけど
あや
これがちょっと 怪しい。
どういう事?
中が のぞけないんです。
けっかい
暗号の結界が はられていて…。
病室に暗号…。
ねえ 怪しいでしょ?
だから 僕 暗号よけの
パッチを作ってみたんです。
それを使えば 中が見られるの?
早く やって!
ぜひ
盗み撮りの是非は どうします?
フ… フミエちゃんに この件バラすわよ。
了解しました。
パッチを当てます。
うまくいった。
こうなれば 後は簡単だ。
あれ?
大丈夫です。
ドメインが
切り替わっているだけです。
すぐに画像が出ます。
でも ヤサコさん どうしてそんなに
イサコさんの事を 気にするんです?
ヤサコさん?
ねえ アキラ君 このナンバーって
今 天沢さんが入った病室?
えっ? そうですけど…。
こっちの方が…。
「4423」。
(テレビ)「その目撃者によると
周辺は奇妙な光に包まれ⇒
横断歩道のようなものが
見えたという。⇒
そして そこで黒い
れい
霊のようなものが 手招きして…」。
まあ ばかばかしいけど
おもしろいでしょ?
でさ… 何で急に 4年前とか
言い出したの?
うん… ちょっとね…。
それより ちょっと
相談なんだけどさ。
コイツを 丸写しすれば
あっと言う間に終わるわ。
来た! もっと近づけ ミゼット。
(ヤサコ)「もうちょっとよ。
今度は 失敗しない。⇒
もうすぐだから 待っててね」。
「4423」は 部屋の番号?
それに 何で天沢さんが…。
この壁みたいなの 何だろう?
むきん
無菌室か 何かかな?
ちょっと移動します。
これは… 寝たきりの人の姿を
カメラに映さないようにするマスクです。
やっぱり 誰かいるんだ。
ちょっと アクセス手段を
変えてみますね。
来た!
この人 動かないけど
生きているんですよね。
まさか…。 あのころに
せかっこう
あの背格好としたら… まさか…。
よ~し 顔が見えるぞ。
やめて!
えっ?
やっぱり いけないわ こんなの。
そうですよね。
「きっと 元気になる。
私も頑張る。 じゃあ」。
ミゼット 一緒に出るんだ。
ヤサコさん?
何で同じ所に傷が…。
単なる偶然?
まさか… まさか あの時の…。
アキラ君 この病室 どこにあるの?
とう
4号棟の4階ですけど…。
ヤサコさん!
(オバちゃん)久しぶりね。
(猫目)ああ あの一件以来かな?
あんた また何か
たくらんでいるんでいるんじゃ…。
やめてくれよ。 今回は君の
手伝いにきたんだ。
「手伝い」? ほじゅう
ああ 補充を持ってきた。
上司の補充は 頼んでないわ。
そうかい? 猫の手も借りたい
って顔しているけど…。
あの時と同じようにね。
キラバグの件なら
手伝いは いらないわ。
相変わらず 何でも お見通しだな。
めんどう
何でまた こんな面倒な事
始めたの?
ぜんぱん
電脳ナビから メガネの事件全般に
手を広げようと思ったんだ。
私の言うとおりにすれば
楽できるのに…。
それで 手応えは?
うん。
いくつか気になるものが あった。
4年前に 奇妙な記事があるんだ。
あちこちで 子どもが
失神する事件が 数日間続いた。
幸い どの子どもも
すぐ意識を取り戻したから⇒
大騒ぎには ならなかった。
(フミエ)原因は? 分からなかった。
でもこんな推測記事が流れたんだ。
被害者全員が その時
電脳メガネを使っていたらしい…。
しかも 事実かどうかは
分からないけれども⇒
その記事では 目覚めた子どもが
げんかく
奇妙な幻覚を見たらしい。
(フミエ)「幻覚」? どんな?
(ハラケン)それは書いてない。
ふ~ん 何か裏が ありそうな話ね。
そうだ この記事。
えっ?
これも メガネに関係あるの?
(ハラケン)うん 気になる事が
書いてあるんだ。
(フミエ)「電脳医療」?
(ハラケン)よく分からないけど
これも 手がかりになるかも…。
捜せば まだ ありそうね。
私 もうちょっと見てくるわ。
続きが…。
これは… まさか…。
入れるわけない。
あっ…。
天沢さん…。
(猫目)こんなに種類が
いたとはな。
(オバちゃん)ベータ型も アルファと同じ
深部から出てきたのかしら?
(猫目)さあな だが イマーゴに
関係しているのは確かだ。
(オバちゃん)それより…。
ゆうこ
(猫目)天沢勇子か…。
我々に 警察権がない以上
はん
現行犯で 押さえるしかない。
天沢が キラバグを集めきるまで
待つんだ。
分かっているわ。
もし 失敗した場合
事は 公になり⇒
本社は レベル3の フォーマットを
実行するだろう。
一つだけ疑問がある。
イサコは 何のために キラバグを…。
情報を持ってきた。
彼女の兄弟に関するものだ。
(ハラケン)もし この患者が イサコの
家族か何かだとしたら…。
もしかして…。
(フミエ)ハラケン!
「都市伝説」を探していたら
おもしろいものを見つけたの。
4年前の事件で目覚めた子どもの
しょうげん
証言を集めた本だってさ。
事件の直後に描かれた絵とかが
の
載っているのよ。 本当に?
天沢さん。
私 バカみたい…。
天沢さんに会って どうなるって
言うの? あんな夢みたいな記憶。
番号だって偶然…。
違う。
同じ人だ。
あれは現実だったんだわ。
どういうつもりだ?
さっきから なぜ 私をつける?
あ… 天沢さん…。
私 夢で 夢で見たの。
それから デンスケ
一緒に捜してくれて…。
嫌だ 私 わけの分からない事
言っているよね。
私… 私 もしかしたら
あの人に出会っているの。
あなたがいた「4423」っていう
病室の人。
きさま!
一体 どういう事だ!
待って。
兄の事を なぜ知っているんだ。
かみなり
(雷)
「兄」…?
じゃあ 「4423」って
あなたの お兄さんなのね。
私 何年も前 小さいころ⇒
あなたのお兄さんと
会っているかもしれないの。
何だと?
そこで 何かが起きた。
教えて。 何が あったの?
あなたのお兄さんに。
天沢勇子の兄が 意識不明?
ああ… 何年もな。
天沢は キラバグを集め そして…。
かぎあな
鍵穴? それにこの人影…。
カンナの日記にあった。
証言では 鍵穴の中に
横断歩道があり⇒
夜だったのに そこだけ夕焼けに
染まっていたという…。
「夕焼け」…。 まさか…。
あれが…。
そんなに知りたいなら
教えてやるわ。
でも お前は信じない。
きっと私が
おかしな事を 言ってるとしか…。
もど
私の兄は 戻れなくなったんだ。
たましい
魂が 電脳の体と共にあっちに
行ったままだ 今も…。
「あっち」って…。 「都市伝説」に
出てくる…。 そんな事って…。
やはりな。
えっ?
思ったとおり お前も
大人たちと同じだな。
ああ お前の言うとおり
「都市伝説」さ。
ばかばかしい話だろ。
気が済んだか?
私が おかしな子だって
分かって満足だろ。
満足したなら もう二度と
近づくな。
天沢さん…。