道端の古い榎の枝からぶらさがる馬の首の妖怪。水木先生のビジュアルイメージが感動的なほど秀逸だぞ。

 君が夜道をすっとこ歩いていると、道の脇には大きな古椿があって、風もないにざわざわと葉擦れの音がしている。はて何故だろう。君が足を止めて榎の木を見上げると、そこには馬の生首がぶら下がっていて、ぎょろりと君を睨みつけるではないか。君は思わず尻もちをついておしっこを漏らしてしまうのであった。

 上記はあくまで仮定の話であり、また同時に非常に不思議な話であるが、かといってまったく起こりえない奇想空想のたぐいというわけでもない。この怪奇事件が発生する要因は二通りほど考えられる。先に述べた妖怪「さがり」に魅入られたか、あるいはイタリアンマフィアに嫌がらせをされるようなことをしたか、そのどちらかである。前者であれば妖怪を見た人間は熱病に侵されるというし、後者であれば近いうちにコルレオーネファミリーから刺客が放たれることであろう。どちらに転んでも君の人生は既に詰んでいるので、もはやいさぎよく今生のことは諦めて来世で頑張るべく早めに気持ちを切り替えるのがよいだろう。


名前: