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 子犬サイズの大きさの化狸で、西国に多く現れたといわれます。

 この妖怪の特殊能力は「変化」。スタンドでいうとイエローテンパランスみたいなもの。ちなみにイエローテンパランスの場合は実体化したスタンドを体にまとうことで様々なものに擬態するわけなんですけど、豆狸の場合は自分のきんたまの袋を思いっきり引きのばして頭からかぶるという力技。きんたまぶくろをかぶって化けるっておまえ。ジャングルの王者ターちゃんやアホーガンでさえそんな奇矯なことはしてないぞ。しかしまあ、下品もここまでいくとむしろ気持ちが良いじゃあないか。おまえのことがおれは大すきだよ。


 こんなお話があります。

 魯山という俳諧師が諸国を行脚していた時のこと。日向の高千穂で俳諧の友に出会い、招かれて彼の家にお泊りすることになりました。そのもてなしは細やかなところまで心づかいが行き届いており魯山先生大感激。しかし俳諧師という人種はいかに感激したからといって、たとえば垂直方向に飛びあがりながら「いえーいナイスだゼー」と叫んだりはしないもの。そういう直截的な表現はバカのすることだよね、なんて鼻で笑いつつ、彼らは歌でもって感情を表現しようとするのです。だから魯山先生はおもむろに

八畳を 月に目のりの すまひかな

という句を詠む。これは連句でいうところの発句なので、俳諧仲間の友だちは待ってまし
たとばかり

雨のふる家の あきの造作

と脇をつける。魯山先生が更にそれを受けて詠む。そんなターン制バトルのすえラストの挙句まで完成。休憩のくつろぎフェイズへと移行した魯山先生はたばこを吸い始めたのですが、誤ってふきがらを落とし、八畳間の畳を焦がしてしまいます。
―こうなったら適当に発句をひねってむりやり連句フェイズへと移行し、今のことはケムに撒いてしまおう。
 そんなセコいことをたくらみつつ魯山先生がおそるおそる友だちの顔をうかがうと、彼の顔は真っ赤っか。相当怒っているようなので小細工は弄せず正直に謝ろうと畳に手をついた瞬間、畳がぐわわんとまくれあがって魯山先生は庭に放り出されてしまいます。驚いてあたりを見回すとそこは何もない野原で、ただ頭上の月が部屋から見た時と同じ具合にうっすら浮かんでいるばかり。

 つまり、魯山先生の友だちというのは実は豆狸で、先生は豆狸のきんたまの皮で構成された八畳間のなかでへらへらと句を詠んでいたという次第であったのです。
 繊細なきんたまの皮にふきがらを落としてしまって狸に申し訳ないことをしたと思いつつも、魯山先生は大変貴重な体験をしたといって面白がり、その場で記念に

秋さびし 鴻雁(こうがん)いずこ 八畳間

と一句詠むと、ぺこりと一礼して野原をあとにしたのでした。
 魯山先生の旅はなおもつづく……。




 あー、うそうそ。最後の句は僕があふるる文才を発揮しててきとうにこさえたものなので、まさかとは思うが信じてはいけない。
 それにしても、こんな事典を読んでいても正しい知識が身につかずためにならぬので、皆あまりアクセスせぬほうが良いかもしれません。






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