1970年から1974年にかけて広島県比婆郡西城町(現・庄原市)周辺で集中的に目撃された国産獣人UMA。

 出現時期は夏が多い。直立二足歩行が可能で体長は1.5メートル前後。全身は茶色あるいは黒色の剛毛で覆われ、頭部の形状(逆三角形)がとりわけ印象的。その正体はサルやクマの誤認説、密輸入された類人猿説、野生化した人間説、エイリアン説などさまざま。アメリカの雑誌では「原爆の副産物」なんて書かれ方もしたみたいです。

 当時のフィーバーぶりは常軌を逸しており、西城町の役場には「類人猿係」が設置され、ヒバゴン饅頭が売り出され、「ヒバゴン踊り」をみんなで踊り出し、新メニュー「ヒバゴン丼」が開発され、食堂の親父が勝手に「ヒバゴンの歌」を作詞しはじめる始末。いいなあ。いいなあ。楽しそうですげえいいなあ。

 1974年以降はぱったりと目撃情報が途絶え、翌1975年には役場から「終息宣言」が出されたヒバゴンでしたが、1980年には近郷の福山市山野町によく似たUMAが出現し、山野町にちなんで「ヤマゴン」と呼ばれました。さらに1982年、同じく広島県の御調郡久井町(現・三原町)でも同様の目撃情報があり、久井町ゆえに「クイゴン」と名付けられました。

 ヒバゴンからヤマゴン、そしてクイゴンと、まるで出世魚のように呼び名が変わり続けたUMAがその後再び消息を絶ってしまったのは何故でしょうか。思うに、彼に付与される名前がどんどんかっこ悪くなるのを恥じたからではなかったか。クイゴンってなんだよ。「ゴン」さえ付けときゃ、あとはどうでもいいのかよ。
 しかるに広島の役人はもう少しUMAの気持ちをおもんぱかってですね、旧・西城町のあたり一帯を新たに「ベギラ市」「チャン・ドン町」「ブルーアイズホワイトドラ郡」などと改称し、かっけー名前を欲するUMAが出没しやすい町づくりをするというのはどうだろうか。