出典は佐藤有文『妖怪大全科』『世界妖怪図鑑』。

 ヨーロッパの山岳地帯に生息する獰猛な妖獣で、人間や動物を見つけると嬉々として襲いかかり、「めちゃくちゃに殺してしまう」のだか。
 そのやり口は非常に残虐。まず妖獣の頭部に生えている無数の蛇の群れの吐く毒煙で獲物を昏倒させ、全身をズタズタに引き裂き、そうやって惨殺した獲物を食べるわけでもなく、ひきちぎった首をしっぽで空中に放り投げては弄び、ゲランゲランと裂けた口で笑うのだそうです。

 昭和期の子供をギッタンギッタンのPTSDにしてやろうという明確な企図をもって佐藤氏が創出した怪物であるのか、あるいはまた実在の西洋妖獣であるのか、いかんせん一次資料が不明確のためその正体を確定することは困難で、きっとこれから先も永遠に解明されることはないでしょう。
 昭和を引きずりながら生きる我々は、永遠にゲランゴの悪魔的な笑い声から解放されることはないのだ。




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