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 人の心を読み取る妖怪です。これはこわい。バトルものに登場する敵キャラでは最強水準の能力の持ち主といってよいですね。

 夜中、山小屋できこりが火にあたっていると、外の暗闇からのっそりとうすらでかい二足歩行猿人型UMAが現れ、小屋の中に入ってくるわけです。当然のごとくきこりは「わっ、怖い!」と思いますよね。するとそのUMAは「いまお前、怖いと思ったな」と言ってニタニタと笑う。UMAが人語を話したのできこりがなおさら驚いていると、UMAは「おれが人の言葉を話したので驚いているな」と心の内をまたもピタリと言い当てる。それにしてもこのUMAはなんだろう。もしかして俺を取って食ったりはしないだろうな、とどきどきしているきこりを見て、さとりは「そうだよ、今からお前を食うんだよ」的なことを言いつつニヤニヤ度さらに上昇。きこりの思っていることをなんでもかんでも言い当ててしまう。きこりが逃げる方法を画策していること、それもまた言い当てられてしまって絶望的な心境にあること、自分がここで死んでしまっては里に残した老母のことが心残りであること、なおかつ自分が死んだら押し入れの布団の間に隠しておいた春画がそのうちお母さんに見つかるだろうからそれもまた心残りなこと、更にはきこり所蔵の春画コレクションの中で一番のお気に入りは大蛸が娘の女陰に吸い付き体中に触手を滑らせている葛飾北斎の「蛸と海女」であること等々、もう何でもお見通し、プライバシーの侵害もはなはだしいわけです。江戸期のきこりにだっていくばくかのプライバシーはあったわけですから、この苛烈な精神攻撃の前にきこりはすっかりまいってしまい、もはや逃げる気も失せてしまいます。もともと惚けたような顔をしているきこりは思考停止状態に陥ってますます惚けた表情となり、あーうー言いながら目の前の火に機械的に薪をくべ続けることしか出来なくなってしまいました。一方、UMAは舌なめずりをしながらじりじりときこりのそばに近づいてくる。きこり絶体絶命。

 しかしその時。火中ではぜた木切れが飛び跳ねて、UMAの顔にぶち当たります。誰にとっても想定外の事故ではあったのですが、これをきこりの仕業と考えたUMAは大いに恐れおののきました。UMAのスタンド能力をもってしても、きこりがジョセフ・ジョースターばりの高度なトラップ攻撃を仕掛けてくることは全く読み取れなかったので、「人間とは思わぬことをする恐ろしい生き物だ」と言って逃げ去っていったそうです。そして明朝、まんじりともせずに朝を迎えたきこりは無事に下山し、春画もお母さんに見つからずに済みました。めでたしめでたし。

 それにしても、げに恐ろしきは人間の意識外の行動。たとえば僕なんかも、この項目を書き始めたほんの十数分前には、さとりの説明からまさか春画にまで話がおよぶとは思っていなかったもの。びっくりした。記載に間違いがあってはいけないと、google画像検索で思わず北斎の春画を調べ直しちゃったよ。



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