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 1987年にその存在が初めて映像に捉えられたとされる有角の超巨大竜。人里離れたベトナム-ラオス国境地帯の山岳に潜み、現地の人間には「呪われた竜の使い」として忌避される存在であるという。

 時はくだり2003年。その名も高き藤岡探検隊がこのUMAの探索を決行したその一部始終がドキュメンタリー番組として放映されたことにより、ヅォン・ドゥーの認知度は一躍高まった。

 ヅォン・ドゥーの体長は10メートル超。外見は竜に似ており頭部には角がある。その正体がもし蛇であれば体を左右にくねらせて移動するはずだが、水辺から洞窟に続く一条の直線痕を見つけた現地ガイドが「ヅォン・ドゥーの這った痕だ」と事もなげに言い放っていため、ヅォン・ドゥーは巨大蛇ではなく、蠕動運動によって前進するジャイアント・ワーム系のUMAであるという可能性もある。

 なお、藤岡探検隊は洞窟内においてヅォン・ドゥーらしき生物の捕獲に見事成功し、みんなで大喜びしている。それは体長8メートル、体重100キロの巨大ヘビ型生物で角はついていなかった。しかしそんな些細なことは、もはやどうでもよい。「世界中のすべての謎は、解明するためにある!」と力強い口調で訴え番組を締めくくるナレーションに対して胸を打たれず落涙もせず、「角もないし10メートルでもなかったし、そもそもあれはただのニシキヘビではないか」などと苦情を呈する愚かな視聴者などいるだろうか。いや、私はいないと思うね。そんな浪漫のかけらもない奴あいないよ。


 余談ながら、この番組のなかで初めて「危機センサー」という言葉が使われた。以後、探検業界では「危機センサー」は一般名詞として定着し、いまも世界各地の秘境では「危機センサーを研ぎ澄ませ」「お前、今日は危機センサーが好調だな」「探検に必要なものは、いち水、にナイフ、さんテント、よん、ごがなくて、危機センサー」などといった会話が頻繁になされていることだろう。想像するだに楽しい。

【藤岡弘、番組内の発言より抜粋】
「遂に目的の場所にたどり着いた。本当に危険なのはこれからだ。なにしろ人をも丸呑みにするという凶暴で巨大な生き物に対峙しようというのだ。そのためには全員が今まで以上に視覚や聴覚を研ぎ澄まし、人間が本来持つ危機センサーを働かせる必要がある。若者よ野生を失うな! それが自らの命を護る術なのだ」

「危機センサー」のインパクトに隠れてしまってはいるが、「若者よ野生を失うな!」というフレーズもまた聞く者の魂を揺さぶる名文句である。
 探検家という人種は、往々にして詩人でもあるのだ。





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