こないだ筑後川のほとりにある原鶴温泉に泊まったんですけど、旅館の前にはナチス式敬礼をする河童の石像が建っていたり、何ヶ所かある露天風呂のひとつは「かっぱの湯」という名前だったりと、とにかく河童リスペクト感丸出しのナイスな宿でした。

 せっかくだから俺はこの風呂を選ぶぜ! とばかりに、妖怪ずきの僕は「かっぱの湯」に直行しました。風呂のどのへんが河童なのかと思ったら、てんでバラバラな様式のアウトサイダーアート系河童像が湯船をぐるりと囲むように配置されていて、なんかすごい。奇怪な像容の河童たちに四方から入浴を監視されて、これはもう露天風呂界のランバージャックデスマッチや!
 さらにおどろくべきことには、「かっぱの湯」の湯船の外には河童像の他に立て札が立っていて、この土地に伝わる河童の話がつまびらかに解説されておったのでした。

 豊前の中元寺川を縄張りとする河童の首領、六助。こいつの娘にポンポコというキラキラネームの娘がいました。年頃の美少女なんだけど男にまったく興味がなく、そんなことより喧嘩しようぜ! というノリのステゴロ系女子。ひいき目に見れば、きっと自らのセクシャリティに違和感を感じちゃうみたいな、『放浪息子』でいったら高槻よしのさんようなキャラ設定なんでしょうね。そしておそらくはボクっ娘でしょう。なおかつ部活はバスケ部かバレー部にちがいない。いいね。そういうのいいと思うよ。

 自らのセクシャリティに目をそむけ続ける河童少女ポンポコさんでしたが、長じるにつれ粗暴な振る舞いが目立ちはじめ、ついにはなんと九州河童界のゴッドファーザー、九千坊にケンカを売るという暴挙に出ます。しかしポンポコ軍はなにげに健闘し、両軍はしばし膠着状態に陥ります。状況を打破するために単騎で敵陣深く潜入したポンポコは、敵の本陣近くで九千坊の姿をみかけ思わず物陰に身を隠しました。そんなことはつゆ知らず、ほろ酔い気分の九千坊さんは「ボンピリピン、呑んじゃった、ちょっといい気持ち」などと、実になぞめいた鼻歌を歌いながら放尿をはじめるわけ。しかし、ここでいい気持ちになったのは九千坊だけでなかったということに注意されたい。男子に免疫のなかったポンポコは、天元突破もかくやとばかりに怒張した九千坊のいちもつを目の当たりにして、とつじょ女に目覚めたとの由。さすが「ポンポコ」なんつうDQNネームを付ける親の娘ですよ。でっかいおちんちんを見て女に目覚めるとかって、まごうことなき天性のビッチですよね。

 で、その後なにがどうなったのかよく知らんけど、九千坊とポンポコは結婚し、それによって不毛ないくさも終わり、筑後の土地には平和が訪れたのであった。いくさで傷ついた河童たちは原鶴の温泉につかって傷を癒し、そのお湯がいまお前のつかっているこのかっぱの湯なのだ。
 というようなことが露天風呂の立て札に書かれていました。僕のうろ覚えな記憶によるものなので、細かいところはちがうかもね。あとで文献をよっくと調べときますよ。




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