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 この妖怪には大きく分けて二種の形態が認められます。まず、首がするすると伸びるオーソドックスな轆轤首。もう一つは、体から頭部のみが分離して飛び回り人を襲う「飛頭蛮」や「抜け首」。両者はぜんぜん違う妖怪のようにも思えますが、まあ細かいことは気にせぬが良いですよ。有線制御式メガ粒子砲搭載のブラウ・ブロと遠隔操作のビットを10基搭載したエルメスがどちらも「ニュータイプ専用モビルアーマー」でひとくくりに出来るのと同じようなもんですよ。

 上記のたとえが大変気に入ったので、以後は首がのびる有線タイプのろくろ首を「ブラウ・ブロ型ろくろ首」、首が抜けて飛ぶ無線タイプのろくろ首を「エルメス(ララァ専用モビルアーマー)型ろくろ首」と呼称することにします。後者は「ジオング型」でもよかったのですが、ブラウ・ブロとの対比ということであればやはりエルメスですよね。さらに伸びるようになったなッ!

 ブラウ・ブロ型のオーソドックスなエピソードは「添い寝していた遊女の首がするすると伸びて行灯の油をなめ始めたので驚いた」みたいなかんじのものですが、僕は『日本妖怪大全』で水木先生が紹介している話が好き。
 殿さまが江戸に赴く道中でのこと。宿で殿さまの馬番をしていた男がブラウ・ブロ型に遭遇。ブラウ・ブロは首をするする伸ばして馬の股間に吸い付き、頬をくぼませてなにかしらのエナジー的なものを吸引。翌朝、元気だった殿さまの馬はくたくたになっていて使い物にならなかったとのこと。
 遊女とか馬のちんちんとか、どこかしら性的な匂いがする妖怪だけあって、女性タイプが多く見受けられる妖怪です。佐藤有文先生の子ども向け妖怪本によれば、「長い首を巻き付けて人を殺すが、油を与えてやると、急に心優しい女に変身する」なんてことが書いてあったりして、なんか少し萌える。安いおんなだな。

 対するエルメス型は、その起源が大陸までさかのぼれるだけあって、耳を翼にして飛ぶとか、虫やミミズをがつがつ食うとか、人に飛びかかって生き血を吸うとか、野趣に溢れすぎていてあんましかわいげがない。
 いささかながらかわいげがあるのは『諸国百物語』のエピソード。
 福井県の原っぱを通行人が通行しておったところ、女の首がころころにこにこしていたのを発見。当時は東方Projectなんてなかったし、女の生首にかわいらしさを見いだせるほど文化が成熟していなかったこともあり、びびった通行人は脇差しを抜いて生首を攻撃。生首逃走。通行人追跡。かくしてとある人家に生首が逃げ込んでゆくのを確認し、通行人が中の様子を伺っていると、ややあって女の絶叫が聞こえた。飛び起きた家族に対し、女は「原っぱでへらへらしていたらへんな男に突然斬りつけられたので必死に逃げる夢を見た」みたいなことを言っていたので、通行人はかさねがさね驚き、ひとしきり驚きつくし、その後は元のルートへと引き返し、目的地に向かってふたたび通行を始めたとのこと。


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