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 アイヌに伝わる山の女怪。名前の意味は「木原の姥」。得意技はクマを操ることで、自分のテリトリーを荒らす人間どもには熊をけしかけて痛い目に遭わせるのだそう。

 昔、ある男が山でこぐまを捕獲しました。こいつが何を思ったのか、自宅の庭に檻をしつらえてこぐまの飼育を開始。そしたらどうだ。夜中になると森の奥からざんばら髪の山女が現れて、檻の中のこぐまを飽きもせずにひたすらじいっと見つめているではないか。
「いったいあの女は何者だろう。もしや、あれが世に聞く森ガールというやつかな」
 男はたいへん愚かしい推論をくだし、「これこれお嬢さん。ここは下北沢ではなく北海道の胆振地方なので、雑貨屋めぐりやカフェでまったりしたいのならもっと南におゆきなさい。なぜって、ここは雑貨といっても熊の木彫りしかないフェミニン文化不毛の土地だから」みたいな検討外れなことを語りかけるのですが、女はそれを無視してとつぜん手拍子を打ち鳴らし始める。すると奇怪なことに、檻の中のこぐまは少年に変化し、女の手拍子に合わせて陽気に踊りだしたのである。
「こぐまをわんぱくキッズに変えたばかりか、かくもファンキーでダンサブルなポルカを踊らせるとは、果たしてこの女、ただのゆるゆるワンピース好きな森ガールではあるまい」
 男もようやく女の正体は人間でないことを察し、翌日悪魔払いの熊祭りを開催。熊祭りっつっても、まったくもって陽気で建設的なおまつりなどではなく、こぐまを生贄にして叩き殺すという陰惨で身も蓋もない式次第だったので、なんというか……解決策としては下の下策ですね。しかもこぐまを殺してみると、その死骸はリスに変化したということで、この話の意味するところはいったいなんだったのか、説明している僕にもシュールすぎてよくわからない。


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