ベネズエラのエル・モノ・グランデ渓谷に棲息すると言われるUMA。「モノス」とはスペイン語で「サル」の意。海外での通称は「de Loys' Ape」。提唱された学名は「アメラントロポイデス・ロイシ (Ameranthropoides loysi)」。

 1920年、スイスの地理学者フランソワ・ド・ロワがベネズエラとコロンビアの国境付近を探検中の出来事。エル・モノ・グランデ渓谷付近で探検隊がキャンプを設営していたところ、突如二頭の怪物の襲撃を受けました。怪物の身長は1.5メートル程度で全身毛むくじゃら、手にした棒を振りかざし探検隊を急襲。ロワ隊長はとっさに危機センサーを発動させてライフルを発砲、怪物の一匹を撃ち殺したため、残る一匹は恐れをなして逃げてゆきました。
 隊長は「おいー、わんぱくなサルだなー。よーし、先に進もうー」などと藤岡弘ライクな落ち着き払った態度で怯える隊員たちを鎮めました。そして『ロッキー』のファンファーレがバックに鳴り響くなか、射殺した怪物の記念写真を納めたのだそうです。

 7年後。隊長の探検アルバムを眺めていた人類学者の友だちが偶然その写真を見つけてびっくらこいた。友だちはその怪猿が未知の類人猿であるとして大発表。
 しかし、本邦の探検唱歌『ゆけ!ゆけ!川口浩』でも「こんな大発見をしながら けっして学会には発表しない 川口浩の奥ゆかしさに 僕らは思わず涙ぬぐう」と歌われているとおり、“クールな探検隊は学会と距離をおく”というのが探検の浪漫主義を保持するためには必須のルール。翻って人類学者の友だちのしたことはこの前提を無視した無粋な行動であり、案の定学会からは総スカンを食らいます。UMA愛に満ち溢れた研究家アイヴァン・サンダーソンにさえ「でっけークモザルじゃね?」の一言で片付けられてしまったというのだからかわいそう。

 ちなみに。時がくだって1954年、エル・モノ・グランデ渓谷に再びモノスが現れました。英国人のハンターが、やはり二頭の怪猿に襲われたのだそうです。ツーマンセルが彼らの基本狩猟パターンらしく、一頭のモノスがハンターを押し倒し、もう一頭が足をつかんで茂みに引きずりこむという見事な連携を披露。なんだか手慣れてますよね。人さらいがルーティンワーク化してるよこいつら。ベネズエラこわい!

 喉元につっかえ棒をして死体を座らせる、という写真の構図はいかにも斬新で、UMAキッズならずとも心奪われるスナップですよね。いかにも探検隊の隊長が考えそうな雑でクールなアイディアだ。まあ折角ですから、ここまでお読み頂いた皆さんも、今日はひとつ勉強して帰って頂いてですね、たとえば大往生したお爺ちゃんが、生前に「魂を取られる」とかほざいて写真を撮らせなかったせいで遺影が一枚もない、なんて場合はね、死後硬直が始まる前に爺を椅子に座らせてね、クイックルワイパーかなんかを顎につっかえてフジカラーでパチリ、なんつったりしてね、そんなかんじで日々の生活にモノスの構図を活用してみて下さいよ。あ、くれぐれも撮った写真は学会に発表したりしちゃいけませんよ。ただでさえ皆さんエテ公みたいな顔なのに、学術的にもクモザルの孫として認定されちゃいますからね。なんつったりして、おあとがよろしいようで。よくねえか。








  • でっけークモザルにしても、立花兄弟ばりのコンビプレイといい、このでかさといい、只者ではないですね、モノス。 - XASH 2009-06-22 13:15:23
    • しかも雄雌のコンビなんだそうですよ。リア充だっ! - ヒモロギ 2009-06-23 21:06:57
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