岩手の雫石村にやたら可愛い女子がおりまして。その女子のもとに、いつの頃からか若い男が忍んで会いに来るようになりました。娘が男の氏素性を尋ねても男は一切返事をしなかったのだけど、彼女にとってはそれがむしろミステリアスな男の魅力として好意的に解釈され、娘はますます男に惹かれてゆきます。そしてある日、とうとう燃え上がるような二人の恋は、彼らを肉欲という名の惑溺の淵へと深く沈めるに至ったのでありました。

 その晩、娘の親父が寝る前におしっこをしようと外に出たところ、軒下で何者かがやんやか囁きあっている。耳を澄まして聞いてみると、まず男の声で「宿願かなって、ついに人間に子種をおろしたぞ、おまいら」みたいなことを呟く者があり、それを受けて
「キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!! 」
「鰻男キタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(  )━(。 )━(A 。)━(。A。)━━━!!! 」
「もうだめぽ……」
「衛生兵ーーーーっ!」
みたいな理解不能な謎の符丁が行き交う。
「ありがとう、おまいらのアドバイスのおかげです」
「もちつけ、鰻。ここでお前の正体がバレたら今までの努力が全て水の泡だぞ」
「そうだそうだ。五月節句の五色の薬草を飲まれでもしてみろ。お前が種付けした子種があぼーんだからな」
「エルメスたんにはぜったい秘密にしておけよ」
「sage進行だ」
 そんな奇怪なやりとりが、何スレッドにもわたって夜中じゅうえんえんと続くわけ。親父はたいそう驚きつつも、なぞの暗号の解析を行い、判明したレシピどおりに薬草を調合。そしてエルメスに薬を飲ませ、ほどなく腹の中の妖怪の仔は流れたのだそうです。

 過去スレによれば、鰻男の正体は近くの沼に棲む古鰻。なお、エルメスの家の戸の桟には鰻の脂がねっとりとこびりついていて、毒男のキモさを体現するかのごとくだったとの由。



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