夜道をすっとこ歩いていると、壁のような感触にぶつかってそれ以上進めなくなることがあります。無理やり突破しようとしても、ドゥドゥドゥというドラクエ的な効果音が闇にこだまするばかりで1マスとて進むことができない。ここを通らないと次の町にたどり着けないというのに、なんという致命的バグ。ドゥドゥドゥ。デバッカーは一体何をしていたのだ!

 ……などと怒ってはいけない。短気は損気とはよくいったものだ。これはバグなどではなく、ぬりかべというモンスターの特殊攻撃なのです。そして昔の人はいくつかの攻略法を用いてこの攻撃をうまく回避したものでした。

 一番簡単なのは元の町へ戻り、10ゴールド払って宿屋に泊まること。朝になればモンスターは消え失せ、無事ぼうけんの旅を再開できるという寸法だ。しかしこれではモンスターを倒したことにはならないのでベストな攻略法とは言い難い。
 ぬりかべをきちんと倒してから先に進みたいという律儀な君は、宿屋のとなりの武器屋で装備を調えるのがよいだろう。そこには角付きの鉄仮面をかぶったあらくれ親父が店番をしているが、恐れず声を掛けてみよう。親父は「ここは武器の店だ。どんな用だい?」なんてことをフランクな口調で言ってくるから、「ひのきのぼう」が所望であることを伝えて代金の5ゴールドを支払おう。すると親父は「さっそくそうびするかい?」と訊いてくるので、「はい」を選択し、あらくれ親父に手とり足とり棒っきれを装備させてもらう。そしてひのきのぼうを装備した状態でフィールドマップに出て、さっきのイベントが起こった地点へもう一度行ってみよう。すると先ほどと同じようにぬりかべが現れてプレイヤーの進行を妨げるので、手にしたひのきのぼうで足下のあたりを素早く何度か払うんだ。するとぬりかべは何度か点滅を繰り返したすえ消え去ってしまうので、晴れて次の町へと向かうことが出来るというわけ。われわれ攻略班は、モンスター図鑑の項目を埋めることができるこの方法での攻略を強くオススメするぞ。

 この「ぬりかべ」、筑前遠賀郡に現れる妖怪だそうですが、柳田國男の「妖怪談義」によれば壱岐島にも同様の攻撃をしてくるヌリボウという妖怪がいるらしいし、また水木しげる先生は戦時中ラバウルでこの妖怪に遭遇したと述懐しておられる。日本のみならず世界各地に存在するワールドワイドな妖怪なのですね。この世にフィールドマップのあるかぎり、妖怪ぬりかべはどこにでもあらわれる!


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