勝手にコンサルティング福井
サーベイ福井
最終更新:
c291
-
view
名称
- サーベイ福井
価格
- 税込1,600円
出版元
- 昭文社
サイズ
- A5判 / 335p
発行年月
- 2007年5月
概要
福井県内での聞き取り調査をもとに、評価の高かった施設を掲載。利用者側の評価とそれに対する事業者側のコメントも記した、まるごとホンネのガイドブックです。福井県、及び社団法人福井県観光連盟のご協力のもと、ふくい観光サーベイ委員会(委員長:南保勝福井県立大学地域経済研究所准教授)の監修にて作成いたしました。福井県内の主要観光地など約 30 か所において、観光客及び県内に在住されている方へ聞き取り調査を実施。回収した15,342 件ものアンケートから、地元有識者による「ふくい観光サーベイ委員会」が 900 施設を選択。その施設を調査員が一軒一軒取材を行い、利用者側の声を伝え、それに対する事業者側のコメントも頂いています。誌面にはその利用者側の声、事業者側のコメントを各施設ごとに掲載しています。利用者の評価によって掲載施設が決まり、また利用者側と事業者の本音が紹介された、今までにないユーザー本位のガイドブックです。※昭文社サイトより
ふくい観光サーベイ委員会メンバー
- 南保勝(委員長・福井県立大学地域経済研究所准教授)
- 安宅道人(委員・京福バス株式会社 貸切事業部長)
- 飴田彩子(委員・福井エフエム放送株式会社 アナウンサー)
- 榊原由恵(委員・福井県観光特使)
- 清水義巳(委員・口名田郵便局長)
症状
15,342件もの聞き取り調査を実施したという事は、生まれたての赤ん坊から死にかけの老人まで福井県の全人口を対象にしても53人に1人は関っているはずなのに、私の周囲(媒体関係者・自治体関係者含む)には、そのアンケートを体験した者はおろか、存在を知っている人物すら皆無である、というリアリティの無さ。
- 弁護→「データは15,342件であり15,342人とは言っておりません。調査対象には観光客も含んでいますので、県人口÷クチコミ件数の計算値を基にした批判は当たらないと思います。
エリア分けの基準が曖昧で、ただでさえ面積も情報も大きい福井市エリアに永平寺町を含めてみたり、あわら市と坂井市(全36頁)はひとまとめにしたかと思うと勝山市(全14頁)と大野市(全16頁)は別々だったり。「武生・鯖江」(全40頁)というエリアでは鯖江市・越前町・越前市・池田町・南越前町を一緒くたにしてみたり。さらには「越前海岸」という「他エリアとプチかぶりな存在」まで有り、なんか解りづらい。
- 弁護→「大野と勝山の仲の悪さに配慮した結果でございます。鯖江武生とその周辺は単純に丹南としたいところでしたが、丹南って響きを嫌う人もいらっしゃいますので。越前海岸エリアの設定は「福井といえばカニだろ!」という一般論を尊重いたしました。」
各エリアの「食べる」の項目に必ずと言っていいほど「秋吉・○○店」が入っている(全部で7店舗)のだが、秋吉は比較的店舗による味や値段やサービスの差が少ない店。そんなチェーン店をエリアごとに載せるのであれば、よほど「店舗によってかなり色々違ってくるヨーロッパ軒」をしっかり載せた方がしっくりくる。
- 弁護→「ヨーロッパ軒の店舗毎の違いは把握しておりますが、なにぶん福井市と敦賀市に集中しておりますので、編成の都合上、秋吉を取り上げた次第です。」
「越前海岸」というエリアを無理からに作っておきながらMAREを「福井タウン」エリアに掲載するのはいかがなものか?
- 弁護→「越前海岸エリアの設定については越前カニを基調としておりますので。MAREのメニューにカニカレーが登場すれば越前海岸エリアの頁に移すことも検討いたします。」
「福井タウン」のラーメン軍団に「てっちゃんラーメン」や「らーめん世界」や「壺水天」は選ばれているのに、「8番ラーメン」がノミネートされていないのは歴史的観点から見てもかわいそうだ。もっと言えば、この本全体を通しても8番ラーメンについては一切触れられていない。
各項目で対象となる店の「資格の有る無し」が微妙。いつも流行っていて大人気のマクドナルドや吉野家などが「チェーン店という理由で対象外」なのであれば、「炭一鉄」だって「らーめん世界」だって「来来亭」だって「いちや」だって「Aming」だって「ぽるとがる」だってチェーン店な訳だが、そのへんどうなの?
各項目で対象となる店の「資格の有る無し」が微妙。いつも流行っていて大人気のマクドナルドや吉野家などが「チェーン店という理由で対象外」なのであれば、「炭一鉄」だって「らーめん世界」だって「来来亭」だって「いちや」だって「Aming」だって「ぽるとがる」だってチェーン店な訳だが、そのへんどうなの?
- 弁護→「らーめん世界や壺水天がチェーン店ということをご存じない福井県の方が多いという状況も込みって意味で掲載に踏み切りました。8番ラーメンや吉野家についてはさすがにチェーン店ということをご存知だったからか、アンケート結果に出てきませんでした。」
この本のルールでは「回転寿司店」は、たとえ賑わっていたとしても「飲食店」として認められていないようだ。
「明月館」や「やすきち」や「ひばち」や「とんとん」や「大市」などの「実際によく『良い噂』を耳にする店舗」が、なぜかこの本の中には見当たらない。
「明月館」や「やすきち」や「ひばち」や「とんとん」や「大市」などの「実際によく『良い噂』を耳にする店舗」が、なぜかこの本の中には見当たらない。
- 弁護→「回転寿司屋も含め、そのような良い店をご存知なら、是非アンケート調査にご協力ください。多くの賛同する意見があれば、次回は掲載したいと思います。なにしろクチコミによって掲載が決まりますので。」
単純に「集まったアンケート(口コミ)の人気上位のもの」を掲載するのであれば「ふくい観光サーベイ委員会のメンバー(南保勝・安宅道人・飴田彩子・榊原由恵・清水義巳)」など必要ない筈。しかし最終的に900施設に絞り込んだのはこの5人らしい。であるならば、その「たった5人によって取捨選択された経緯」は実に怪しい。この5人が「民衆の心を把握している根拠」も極めて薄い。
とにかく、どこからどう読んでも「利用者の評価によって掲載施設が決まっている」とは思えない。
とにかく、どこからどう読んでも「利用者の評価によって掲載施設が決まっている」とは思えない。
- 弁護→「利用者の評価で掲載施設を決めているのは事実です。ただしどのような評価を受ければ掲載にいたるかにつきましては企業秘密とさせて頂いております。」(苦しい。。)
- 地元目線で「なんであの店が載ってないのか?」という意見はあるが、「なんでこの店がお勧め!?」って店が比較的少ない点はまあ評価して良いと思う。コメントを100%真に受けるのはお勧めしないが、福井に転勤になった人などザクッと概要を把握できるガイドが欲しい人には向いてる。
- 「評価の声」欄は波風立たない程度の無難な内容。やはり署名なしのクチコミでは限界があるか。クチコミ=信用できるって発想も、今やフィクションに近い気もする。
(以上越)
処方箋
■案A
- 15,342件も集まった、というアンケートの質問内容を明確にする。
- 15,342件も集まった、というアンケートの実施日時と場所を明確にする。
- ふくい観光サーベイ委員会を無くして、単純に人気順で紙面構成する。
■案B
- 最終選択権を持つ委員会の5人の著書にする。
- 最終選択権を持つ委員会の5人が「なぜこの5人なのか」を明確にする。
- 最終選択権を持つ委員会の5人の「趣味・嗜好」を明確にする。
(以上蟹)
- 蟹の案Bに近いが、匿名クチコミではなく、特定個人が極めて個人的な感想も含めながら店を勧めるガイドにする。ふくい観光サーベイ委員には誌上で10店を見開きで紹介する権利を与え、その委員の人選が公平かつ読者が納得するものとなることに出版社として全力を注ぐ。また、どのような理由と過程でその委員が選ばれたかも誌上で公開。少年ジャンプばりに委員の人気投票とかもやって、下位の委員には次回は退場してもらう。
(以上越)
期待される効果
■案A
- 「利用者の評価によって掲載施設が決まるガイドブック」としてワイワイ文句を言ったりしながら楽しく読むことが出来る。
■案B
- 「ふくい観光サーベイ委員会」の5人のメンバーの好みによって作られたガイドブックとして冷ややかに読むことが出来る。
(以上蟹)
- 何年も繰り返していけば、結果的に多数読者の信任を得ている委員がズラリと並ぶことになる可能性もなきにしもあらず。
(以上越)