勝手にコンサルティング福井
座・タイムリーふくい(20080503)
最終更新:
c291
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定点観測
観測対象
- 座・タイムリーふくい(2008年5月3日放送分)
テーマ
- 外の目、人の目 福井はこう見られている!
持ち家率が高く貯蓄も熱心で、「住みやすい」とよく言われる福井県。果たして全国からはどう見られているのだろうか。
この春県外から赴任してきた「新福井人」と旧今庄町出身の写真家土田ヒロミさんを招いて、外から見た福井の実力や今後の情報発信のあり方やなどについて討論する。
出演
司会
- 松枝隆一(福井テレビアナウンサー)
- 名越涼子(福井テレビアナウンサー)
ゲスト
- 日本銀行福井事務所長 上川卓苗
- キリンビール 福井統括支社長 富川祐一郎
- 福井県立大学教授 中沢孝夫
- 写真家 土田ヒロミ
観測結果
いわゆる勝ち組・負け組って事なら、司会の2人とゲスト4人の全てが勝ち組と言って良いのかもしれないけど、支配する側・支配される側と考えると話は別。という訳で今回の参加者のうち、唯一の支配者階級である上川氏の存在感は突出してた。…って言い方はチョット大袈裟かもしれないけど、まあ現役大臣の夫で、自身も東大卒のセントラルバンカーとなれば、揺るぎ無い地位のエスタブリッシュメントという見立ては、別に的外れじゃないと思う。
今回の議論自体は特に面白くは無かったけど、個人的に引っかかったのは上川氏のような立場の人が、道州制の導入を当然の前提として発言している点。氏の意見ではなく企業経営者の行動を説明するという形をとっていただけに、ある種巧妙。もちろん上川氏には福井県民を洗脳してやろうなんて意図は無かっただろうけど、氏の発言がどのような影響をもたらすかはまた別の話だ。
何でそんな話するかといえば、以前も道州制で書いたけど、俺は道州制の話は胡散臭くて、あまり好きじゃないから。でも、遠くない将来に道州制で日本はバラ色という洗脳が本格的に始まって、訳も分からず導入する羽目になるんだろう。なんかここ10数年そんな事を繰り返してるなあと考えると、何か暗澹たる気分になった。
いつもの若者流出の話について
と、愚痴ばかりでも何だから、Uターン促進策について多少は建設的な意見を。
止まらない若者の流出については、「魅力的な企業が無い」という定番の結論だった訳だけど、全国区の有名企業と比べて、明らかに就職先としての魅力が劣る福井の中小企業に残された処方箋は、もう情報公開しかない思う。特に給料とか残業とか実際の仕事の状況とか職場の雰囲気の実態を包み隠さず明らかにしていくしか、都会から人を呼ぶのは不可能じゃないかなあ。
いつもは田舎の中小企業はみんな土砂降りみたいな書き方をすることが多いけど、実際には会社によって色々というのが実態だ。でも、その色々の部分が外部、特に県外からは見えないから敬遠されてるケースは少なくないと思う。
これは福井の会社に限らない話だけど、就職先を決めると言う人生を左右する重要な場面でも、一般求職者には十分な情報なんて提供されない。「死ぬ気で一生懸命働きます!!」的な建前の話ばっかりで、本音ベースの話は一切出来ず、給料や休暇取得の実態どころか、下手すりゃ何をやるのかさえ白紙委任させられるような雇用契約が横行している現状では、とりあえず安心を求めて有名大企業に希望者が集中するのは当然だと思う。
ありていに言えば田舎のオーナー経営の中小企業のイメージって、
- 超がつく安月給が当たり前。人生設計もままならない。
- 社長がルール。オーナーが法律。労働法規なんて一切無視。
- オーナーやその親族はやりたい放題。苦情を言えば「じゃあ辞めろ!」
- 気に入られなけりゃ嫌がらせの嵐。下手すりゃセクハラも横行。
- 不正やインチキも不利な情報も、田舎経営者同士でかばい合いの隠蔽体質。
- 救済を求めて垂れ込んでも、有名企業じゃないからマスコミや役所も相手にしてくれない。
って感じ。実際には↑みたいな会社はごく稀で、多くの田舎の会社はフツーにちゃんとしているんだと思うけど、いざ就職活動って場面になれば、やっぱり↑的なリスクが脳裏をよぎる。それを避ける手っ取り早い手段が都会の有名大企業ってことなんだと思うんだよねえ。だから田舎の会社は↑みたいなことは絶対に無い!って事を全力で証明することがまず重要。仕事の魅力をアピールなんて、その次の話だと思う。
あと、番組中盤以降は何故かいつもの「まちづくり」の話題がチラホラ…。中沢先生がいきなり中心市街地の地権者バッシングを始めたのは驚きだった。以前出演してた京都府立大の宗田先生と言い、大学の先生って公共事業で得する側の人が大嫌いなんだね。
(以上越080505)
(以上越080505)