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えちぜん鉄道
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名称
- えちぜん鉄道
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えちぜん鉄道(通称えち鉄)は福井のメジャートピックなんだけど、俺はえち鉄になって以降の勝山永平寺線に乗ったことが無く、「コメントしようがない」状態だったんだが、このたび勝山永平寺線を経験してやっと書けることになった。
えち鉄名物
今回は行き帰りともに運良くアテンダントさんが見れた。女性評価みたいなことを書くのは気が引けるが、えち鉄名物の一つなんで今回は良い事にする。
こう言っては悪いが、えち鉄なんて事故連発の挙句、廃線間際に拾われた田舎のしがない赤字3セク鉄道。それにアテンダントとは言うものJRや、ましてやJALやANAのCAとは別格のはずだ。それなのに、えち鉄のアテンダントさんは若くて結構かわいかったりする。別に絶世の美女だのモデル級だのとは言わないけれど、修学旅行のバスガイドさんだったとしたら「ラッキー♪」と思える感じの女の子だったりするのだ。
こう書くと蟹あたりから「お前がオッサン化したから若い子が頑張ってると、反射的にかわいいと感じるだけだ!」というクレームが聞こえてきそうだが、実際のところ若い子が頑張ってる姿はかわいいに決まってるんだから、その意味でもえち鉄のアテンダントさんは若くて結構かわいかったりするというのは、事実関係としては間違いではない。
若くてかわいいに加えて、ちゃんと客との応対が出来る女性といえば、現下の労働市場では引っ張りだこの存在だ。それが俺たちのような数百円の切符を買っただけの、いかにも物見遊山の下層民風な客に愛想を振りまいたりしてくれる。ストーカーor業務妨害にならない範囲なら多少の世間話もOKな雰囲気で、それだけでお得と言っても良いだろう。
やっぱたとえ田舎のローカル線でも、乗り物のアテンダントって女の子にとっては特別な響きなんだろうか?それとも普段は経理とか総務の人が、交代でアテンダントもやるのだろうか?別に答えは知らないし指摘することもないので、これ以上は引っ張らないが…。
全体の印象
乗ったのは昼間だったが土日のせいかお客は結構乗ってた。俺は電車には滅多に乗らないのだが、たまに三国芦原線に乗ってもそれなりにお客がいる印象だ。さすがに平日の真っ昼間はガラガラなんだろうが、そんな時間帯は東京のど真ん中を走る電車だって余裕で座れるわけだから、特別に問題視するような事ではないともいえる。
電車の内外装もリフォーム済って感じでそれなりに小ぎれいな感じだし、駅はさすがに古臭いけれど、味があるという切り口で誤魔化せる範囲内だ。運行本数は多くは無いけど30分ごとに定期的に来るから分かりやすいし、田舎の電車で30分に1本なら及第ラインだろう。終電だって田舎の常識から考えれば十分遅い時間まである。
という感じで、少なくとも利用者目線で「どうにかしろよ!」と言いたいような問題点は見つけられない。えち鉄は開業前は前途多難という悲観論が蔓延してたが、予想に反して乗客数は順調に伸びている。報道によれば「サービス重視で2006年度の利用者数は2005年度より約12万人多い291万8,449人、単年度黒字化まであと一息」ってあたりにきていて、3セク鉄道のモデルケースと評されている場合もある。
上下分離方式という経営負担が軽い形態をとり、サポーターズクラブなどを通して地元の協力もそれなりに得ている。加えてコンサルと称して店やメディアや公共サービスにケチを付ける性質の悪い輩(俺ら)から見ても「別に悪くないんじゃね?」というレベルのサービスを提供し、それらが空回りせずに利用者増という一定の成果をあげている。…にも関わらずそれでもまだ黒字化すらできないってあたりがまさに最大の問題点なんだろう。それに関して本格的な対策とか言い出すと、大手不動産デベロッパーでも手を出せない領域になりそうだ。
しかしそんな事言ってたら書くことが無くなってしまう。鉄道事業者には色々規制があるから、思いついたことがすぐに実行できるって訳でもないが、あくまでプラスアルファの範囲で問題点を探して対策を考える。
疑問点や問題や対策
■朝夕のダイヤ
プラスアルファの範囲といいつつ、解決しようも無い単線の問題が絡むダイヤというか輸送力の話。「複線化しろ!」などと無理難題を言うつもりはないが、現在の単線状態で朝のラッシュ時にどれぐらい便数を増やせるのだろう?福井市中心部に通うとして、現在の朝7~8時台のダイヤは1時間に3~4本。しかも一部は始発駅が西長田や永平寺口だし通過してしまう駅もあったりして、これでもギリギリなのかなあという印象だ。
現在でも通勤通学客を中心に朝はそれなりに混雑している。福井県民は都会のような「超スシ詰め電車での通勤通学」は甘受しないだろうから、輸送力も無いのに無闇に客を増やしても仕方がない。車両を増やすという手もあるが、全駅プラットホーム延長は難しいだろうから、やはり2両編成が限界。って訳で、これ以上の朝の増便が難しいのなら、やたらと通勤通学客を増やすのは筋が悪い話になってしまう。
まあ通勤通学客は学校自体移転しちゃうとか、通勤手当の出し方を変えるとか、始業時間に幅を持たせるとか、大なり小なりの政策的な誘導で、増やしたり利用時間を分散させたり出来る分野。行政や経済団体などの偉い人が当事者意識を持って取り組めば何とかなる問題ってことで、ここでは深入りせず昼間の客を増やす方向を考えたい。
■料金設定とフリー切符
初乗り150円は頑張ってると言っていいだろう。でも京福時代に比べれば安くなったとはいえ、遠距離の料金はまだチョット高いような…。ちなみに俺は1日フリー切符(800円)を使った。チョット遠方まで往復すれば元が取れるわけで確かにお得なんだが、何しろ土日しか使えないという問題がある。
そもそもなんで土日しか使えないのか?毎日利用する通勤通学客がフリー切符に流れると困るから?
コンサル的にざっと考えるとフリー切符を土日のみとすることでえち鉄が得ているメリットは想像以上に小さいんじゃないかなあという感触だ。通学客は主に高校生だろうが、三国や勝山の生徒でも土日に部活があったりすればフリー切符より定期のほうが安いし、土日フル活用しなくてもフリー切符との差額は大きくない。ましてや春江や松岡とかの中間地点なら定期が有利に決まってる。通勤定期だと若干状況が違うが、それでも驚愕するほどの差ではなく、大の大人なら気にならないレベルだろう。三国や勝山から平日週2~4回福井に通うって条件の人が一番割を食う感じだが、そんな人は基本的に車を使ってると思う。
一方で平日にもフリー切符が使えればメリットは大きい。平日昼間に電車での外出を想定できる人って、お年寄り、専業主婦、産休育休中の人、ニート、自営業など自由のきく仕事の人って感じ。経済的にも弱い立場の人が少なくないから高額な正規料金は抵抗感があるだろう。仕事がサービス業なら休みは平日って場合がほとんどだし、有給休暇を活用して空いている平日に出掛けようという人にとっても、平日の正規料金では乗る気にならない。こんな感じのターゲットの中にも、乗り放題800円なら車より電車が得と考える人は結構いると思う。
平日昼間に利用可能にすればビジネス利用も多少は期待できる。「期待できる」といっても別に皆が喜んで進んで使うって意味じゃないが、勝山や三国方面の会社や役所の人が会議などでAOSSA(アオッサ) やユアーズホテルに来るというケースは少なくないだろう。1人で出張の場合に限られるが、往復800円ならガス代+駐車場代と比較しても妥当な範囲だ。温暖化防止も踏まえて、会社や役所が組織として積極的に電車を利用するという方向性も出しやすいから、協賛の意味を込めながらフリー切符売り込みの営業をかけることも出来る。買う側としても利用促進に協力するために従業員の通勤手段を変えさせるなんていう、「社内の和を乱すようなお願い」に比べれば取っ付きやすい。
そして何よりも面倒な利用制限が付いているフリー切符はPRが難しい。広告しようにも平日利用不可というネガティブ情報を告知しないとトラブルの元だが、そんなんじゃ「いっぺん乗ってみるか」って気にはならない。逆に「なんか面倒くさそうだし、下手すると大損させられそう」という印象を与えるだろうし、平日にフリー切符で乗る気満々でやって来てNGを食らった客は「騙された…」とさえ思うだろう。そんな目にあったら客はもう二度と帰ってこない。
この状態では安心して友人に勧めることも出来ずクチコミだって期待できない。恐竜博物館や三国エリアの主要施設の人も、利用制限付では案内し難いだろうし、URALAとかフリーペーパーとかがフリー切符利用前提で「えち鉄でお得な一日散歩♪」みたいな特集をやろうものなら、「お前ら!皆が皆、土日休みだとでも思ってるのか!!」なんてクレームが付くこと請け合いで、これまた抵抗感がある。
結論としては、三国花火というスペシャル中のスペシャル日に制限が付くのは仕方ないとして、平日の利用制限はさっさと撤廃した方が良い。そうすれば黒字化するとまでは言わないけど、トータルでマイナスには作用しないはずだ。
俺が高校生の時に平日OKのフリー切符があれば、三国や勝山をほっつき歩いたりするのに使ったかも。まあ学校サボって駅前で待ち合わせして三国に出掛けてカルナのジェラートを食べて海を見るのが福井の高校生カップルの定番初デートコースって具合になればいいんじゃないかなあ。
えっ不謹慎だ?つーかそんなの土日にやれ?しかし、地域活性化やまちづくりの本質や肝の部分って、結局公の場で議論できないようなところにあるんだよねえ。他の項目にも言えることだが、この辺りを理解しないお役人や年寄り連中が、協議会だの委員会だの組織だけ作って議論という名の四方山話を重ねても展望なんて開けるわけがない。
■コーヒー(おまけ)
主な駅の待合室ではコーヒーメーカーが置いてあって、セルフサービスで100円入れて飲むようになってる。しかし、実際のところどれくらい稼動してるんだろう?俺なら煮詰まり具合も良く分からないコーヒーなんて飲まない。100円とる以上、自宅で入れたネスカフェレベルくらいはクリアすべきだとおもうが、そんな品質管理はしていない印象。安いコーヒー豆でやってる分には、そんなに売れなくても損はしないんだろうが、全体としてマイナスの印象を与える。ここは素直に自動販売機で良いと思う。
(以上越070927)
(以上越070927)