2010年4月17日
どこかの出版社で邦訳してくれないかなあと個人的に思っている作品のタイトルをただ並べていくコーナー。
1.長編
すでに邦訳が出ている水天一色(すいてんいっしき、シュイティエンイースー)の長編と、上でもあげた杜撰の長編を挙げる(未読)。
水天一色
杜落寒シリーズ
『校园惨剧』(校園惨劇)(学校の惨劇) 内蒙古人民出版社、2008年
『盲人与狗』(盲人と犬) 内蒙古人民出版社、2008年
- 学生探偵の杜落寒(ドゥールオハン)が活躍するシリーズ。
- 作者の水天一色は1981年生まれ。
- 日本で『蝶の夢』が刊行されている「乱神館記シリーズ」は、中国でもまだ1作しか刊行されていない。
杜撰
『时之悲』(時之悲) 北京出版社、2010年9月
- 不可能犯罪ものの短編を書いていた杜撰の初の長編作品。
2.短編集
(1) 御手洗熊猫 (ユーショウシー ションマオ、みたらい ぱんだ)
『御手洗浊的流浪 - 御手洗浊探案集 Mitarai Daku is Wandering』
(御手洗濁の流浪)
北京出版社、2009年4月
- アジア本格リーグの水天一色『蝶の夢』巻末や『本格ミステリー・ワールド 2010』で紹介されていた、非常に気になる筆名の推理作家の短編集。現在までに、御手洗熊猫の作品で単行本として刊行されているのはこの1冊のみ(『蝶の夢』巻末で紹介されている長編ミステリ『島田流殺人事件』は未刊行)。
- 作者の御手洗熊猫は、この短編集が出た時には上海師範大学在学中。
- 収録作品(5編)
「二十角館の首なし死体」、「世俗辺縁的歌者」、「奇想天外の瞬間移動マジック」、「人体博物館謀殺案」、「消失的詭計不見了」
- 探偵役は御手洗濁(ユーショウシー ジュオ、みたらい だく)。
- 筆名や探偵役の名前から考えて、ふざけた感じのパロディなのかと思っていたらそんなことはなく、トリックやロジックを重視したしっかりとした本格だった(と思う。読解力の都合上、断言はできない)。
- 巻頭の作品「二十角館の首なし死体」では、脚注に高木彬光、島田荘司、綾辻行人、有栖川有栖、京極夏彦、森博嗣らたくさんの日本の推理作家の名前が登場する。
(2) 杜撰 (ずさん、ドゥージュアン)
『纯属杜撰』(純属杜撰) 内蒙古人民出版社(のちに台湾でも2分冊で刊行)
『纯属杜撰2』(純属杜撰2) 北京出版社、2009年4月
『第五元素』 北京出版社、2009年
- 各8編収録。「不可能犯罪」ものの短編を書き続けている作家だと、『本格ミステリー・ワールド 2010』では紹介されている。
- 作者の杜撰は1984年生まれ。
- 『純属杜撰2』に収録の「美人鱼之恋」(人魚の恋)では、ホテルの一室から女性が消える密室トリックを扱っている。
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最終更新:2011年06月22日 19:49