2010年5月24日
2009年(正確には、2008年12月~2009年11月)に韓国で刊行された日本の推理小説全98作品について、韓国ネット書店にリンクを貼りました。自分のひいきの作家さんが翻訳されているか、また、どんな表紙絵で刊行されているのか、興味がありましたらどうぞ見ていってください。
韓国推理作家協会編のミステリ専門誌『季刊ミステリ』(年4回刊行)は、毎年冬号で、1年間の推理小説の刊行状況を振り返る特集を組み、その1年間に刊行された推理小説の全リストを掲載しています(正確にいうと、対象期間は前年の12月から当年の11月まで、以下同じ)。
『季刊ミステリ』26号(2009年冬号)(奥付けは2009年12月、実際は遅れて2010年4月刊行)によると、韓国でのミステリの刊行状況は以下の通りです。
■最近4年間の韓国でのミステリ刊行状況
2006年 147(韓国オリジナル20、英語77、日本語32、その他18)
2007年 235(韓国オリジナル17、英語111、日本語72、その他35)
2008年 267(韓国オリジナル27、英語103、日本語96、その他41)
2009年 294(韓国オリジナル38、英語125、日本語98、その他33)
基本的に、英語圏からの翻訳が最も多く、日本からの翻訳が約3分の1を占めるという状況が続いています。
2006年と比べると、その後のミステリの刊行冊数が急激に増えていて、特に日本からの翻訳が2006年と比べると現在は約3倍になっているというのが分かります。しかし一方で、韓国オリジナル作品はまだ少ないようです。
■2009年(2008年12月~2009年11月)の刊行作品数ランキング
9作品 東野圭吾
5作品 宮部みゆき
4作品 恩田陸、津原泰水、(米 ジョン・ディクスン・カー、マイクル・コナリー、ディーン・クーンツ、パトリシア・ハイスミス)
3作品 石田衣良、石持浅海、乙一、貫井徳郎、(米 アン・ライス、チェルシー・ケイン、スティーヴン・キング)、(韓国 キム・スンオプ)
数え方が難しいのですが、松本清張も7冊刊行されています。
7冊 松本清張(『点と線』、短編集『黒い画集』(日本での初刊行時と同じ3分冊)、『松本清張傑作短篇コレクション』(全3巻))
以下で、『季刊ミステリ』26号で日本の「推理小説」(の翻訳)とされている98作品(作家でいうと58人+1アンソロジー)を挙げます。「広い意味での推理小説」とされており、日本ではあまりミステリだとみなされていない作品も一部あります。
- 韓国語のタイトルが大幅に変わっている場合は、その直訳も示す。
- 【初訳】と書いたものは、その作者の韓国での最初の単行本。(ただし、それ以前に雑誌掲載などはあったかもしれない)
- 前年12月発売のものにはその旨注記した(6冊)。
- ミステリ以外の作品が期間内に翻訳されている場合はなるべく注記したが、すべては網羅していない。
あ行
か行
さ行
た行
な行
は行
ま行
や行
わ行
アンソロジー
芥川龍之介ほか『日本ホラー傑作選』(韓国オリジナル編集)
http://www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8970137300
以下の収録作品は、韓国語のタイトルから推定。直訳の場合は明確だが、タイトルが少々変更されている場合があり、誤った推定をしているものもあるかもしれない。
岡本綺堂「幽霊花火」
小泉八雲「幽霊滝の伝説」
坂口安吾「桜の森の満開の下」
夢野久作「(死を呼ぶ新聞)???」
宮沢賢治「注文の多い料理店」
夏目漱石「(悪霊の音)???」
都賀庭鐘「黒川源太主山に入ツて道を得たる話」
芥川龍之介「地獄変」
上田秋成「吉備津の釜」
泉鏡花「春昼」
最終更新:2011年02月09日 03:33