フランス語に翻訳された日本の推理小説/ミステリ

2010年6月5日作成
  • 2010年12月19日大幅更新

 日本の推理小説の仏訳本のリスト。

 Amazon.frで適当に日本の作家名を検索し、そこから「この商品を買った人はこの商品も買っています」をたどっていくことでリストを作っている。そのため、フランスで刊行された日本のミステリを網羅する完全なリストではない。
 数バージョン刊行されている場合は、表紙画像があるものに優先的にリンクしている。たとえば、『悪魔の手毬唄』は、唯一表紙画像がある1998年5月に刊行されたものへリンクを貼っているが、これはこの作品の初訳が1998年だったということを意味しない。
 また、まず作家で選んで、それぞれの作家について翻訳状況を書いているので、なかにはミステリではない作品も含まれる。

2010年12月19日追記

 Twitter上でフランスにおける日本ミステリが話題になったのをきっかけに( 「Togetter:フランスで読まれている日本のミステリ」 )、今まで中途半端なまま放置していたリストを一応完成させた。
 リスト作成の作業中に、坂本浩也氏による「フランス・ミステリ通信2 「メスプレード事典」 をめぐって」(2003年11月8日、Webサイト「本棚の中の骸骨:藤原編集室通信」の投稿コーナー「書斎の死体」に掲載)という記事に行き当たったので、リンクを貼っておく。2003年にフランスで刊行されたミステリ大事典を主題にしつつ、現代フランスミステリやフランスでの日本のミステリの受容について簡潔にまとめた非常に有用かつ興味深い記事である。以下で示しているリストは、Amazonから抽出した単なる情報の羅列に過ぎないので、フランスでの日本のミステリの受容について知りたい方には、まずはこの坂本浩也氏の記事のご一読を勧めたい。

 「フランス・ミステリ通信2 「メスプレード事典」 をめぐって」で挙げられているフランスで刊行された日本ミステリのうち、長尾誠夫の作品については刊行を把握していなかったので、この記事を読んだ後にリストに加えさせていただいた。また、夏樹静子作品と西村京太郎作品に一部、原題が分からないものがあったので、それもこの記事を参考にして付け加えた。

  ブログ「翻訳ミステリー大賞シンジケート」に寄稿した「日本のミステリー小説の仏訳状況」(2014-04-17)も合わせてお読みください。

Index

あ行

赤川次郎 (Jiro Akagawa)

フランス語版Wikipedia
Le piège de la marionnette /『マリオネットの罠』(1977)
  ISBN 2877301915 (Rose-Marie Makino-Fayolle訳、Philippe Picquier、1998年5月)
  ISBN 2877303861 (Rose-Marie Makino-Fayolle訳、Philippe Picquier、1999年4月)
Meurtres pour tuer le temps /『ひまつぶしの殺人』(1978)
  ISBN 2877302423 (Aude Bellenger-Sugai訳、Philippe Picquier、1998年5月)
  ISBN 287730387X (Aude Bellenger-Sugai訳、Philippe Picquier、1999年11月)

 『マリオネットの罠』は『本格ミステリ・フラッシュバック』でも取り上げられている名作。

綾辻行人 (Yukito Ayatsuji)

Meurtres dans le decagone / 『十角館の殺人』(1987)
  ISBN 2953396217 (Otsu Masami、Olivier Paquet、Patrick Honnoré訳、Karasu、2009年11月)

伊坂幸太郎 (Kotaro Isaka)

La Prière d'Audubon / 『オーデュボンの祈り』(2000)
  ISBN 280970242X (Corinne Atlan訳、Philippe Picquier、2011年2月)
Pierrot-la-gravité / 『重力ピエロ』(2003)
  ISBN 2809703086 (Corinne Atlan訳、Philippe Picquier、2012年1月)

 新潮ミステリー倶楽部賞を受賞したデビュー作『オーデュボンの祈り』と、映画化もされた『重力ピエロ』が翻訳されている。またほかに、漫画版『魔王』が翻訳されている。

石田衣良 (Ira Ishida)

Ikebukuro West Gate Park /『池袋ウエストゲートパーク』(1998)
  ISBN 287730776X (Anne Bayard-Sakai訳、Philippe Picquier、2005年4月)
  ISBN 2809700419 (Anne Bayard-Sakai訳、Philippe Picquier、2008年5月)
Ikebukuro West Gate Park II /『少年計数機 池袋ウエストゲートパークII』(2000)
  ISBN 2809701148 (Anne Bayard-Sakai訳、Philippe Picquier、2009年5月)
Ikebukuro West Gate Park 3 - Rave d'une nuit d'ete /『骨音 池袋ウエストゲートパークIII』(2002)
  ISBN 2809701555 (Anne Bayard-Sakai訳、Philippe Picquier、2010年2月)

 『池袋ウエストゲートパーク』を翻訳したアンヌ・バヤール=サカイ氏は、この翻訳で第17回(2009年)野間文芸翻訳賞を受賞している。

 ほかに、『池袋ウエストゲートパーク』の漫画版(第1巻)や、『アキハバラ@DEEP』の漫画版(第1巻)が刊行されている。

江戸川乱歩 (EDOGAWA Ranpo)

フランス語版Wikipedia
La Chambre rouge /短編集『赤い部屋』(「芋虫」、「人間椅子」、「二廃人」、「赤い部屋」、「二銭銅貨」を収録)
  ISBN 287730230X (Jean-Christian Bouvier訳、Philippe Picquier、1998年5月)
La Proie et l'ombre /『陰獣』(「心理試験」を併録)
  ISBN 287730180X (Jean-Christian Bouvier訳、Philippe Picquier、1998年12月)
La bête aveugle /『盲獣』
  ISBN 2877304396 (Rose-Marie Makino-Fayolle訳、Philippe Picquier、1999年5月)
L'Île panorama /『パノラマ島奇談』
  ISBN 287730440X (Rose-Marie Makino-Fayolle訳、Philippe Picquier、1999年6月)
Mirage /『押絵と旅する男』(「虫」を併録)
  ISBN 2877304957 (Karine Chesneau訳、Philippe Picquier、2000年5月)
Le Lézard noir /『黒蜥蜴』
  ISBN 2877304973 (Rose-Marie Makino-Fayolle訳、Philippe Picquier、2000年6月)
Inju : La bête dans l'ombre /『陰獣』 ※訳題が1998年のものと異なる
  ISBN 2809700680 (Jean-Christian Bouvier訳、Philippe Picquier、2008年8月)

 ほかに、三島由紀夫の戯曲版『黒蜥蜴』や、丸尾末広が漫画化した『芋虫』が刊行されている。
 Wikipediaフランス語版の「江戸川乱歩」の記事に「フランス語に訳された作品」の項目があるのでそこも参照のこと。

 また、フランスの探偵小説雑誌『マガザン・ノアール』創刊号に、「芋虫」が「シエニーユ・ブローヌ」というタイトルで掲載されたという(探偵作家クラブ会報第86号、1954年7月)。

  • 関連文献
    • ジャン=クリスチャン・ブーヴィエ(Jean-Christian Bouvier、訳:梁木靖弘)「グルノーブル便り 紅毛京太郎奮戦記」(『EQ』1989年1月号、pp.178-181)
      • フランス、グルノーブルのミステリ祭(第10回、1988年)のレポート。前年は松本清張が招待されて日本代表として参加している。1988年は『名探偵なんか怖くない』と短編集が仏訳刊行されたばかりの西村京太郎が招待されたが、直前で都合により参加できなくなり、代わりにその2冊の訳者であるジャン=クリスチャン・ブーヴィエが日本の推理小説を紹介する記者会見などを行った。ブーヴィエは江戸川乱歩『陰獣』等の訳者でもある。この記事では、仏訳版『陰獣』に対する仏紙の評も紹介されている。
    • 間瀬玲子「フランスにおける江戸川乱歩と横溝正史の受容」(日本比較文学会編『越境する言の葉――世界と出会う日本文学』彩流社、2011年6月、pp.237-247)

岡本綺堂 (Kido Okamoto)

フランス語版Wikipedia
Fantômes et Samouraïs : Hanshichi mène l'enquête à Edo ※収録内容は光文社時代小説文庫版の第1巻と同じ14編
  ISBN 2877307158 (Karine Chesneau訳、Philippe Picquier、2004年4月)
  ISBN 2877309649 (Karine Chesneau訳、Philippe Picquier、2007年9月)
Fantômes et kimonos : Hanshichi mène l'enquête à Edo ※光文社時代小説文庫版の第2巻(13編収録)の前半6編を収録
  ISBN 2877308561 (Karine Chesneau訳、Philippe Picquier、2006年5月)
  ISBN 2809700400 (Karine Chesneau訳、Philippe Picquier、2008年5月)

+ 『Fantômes et Samouraïs』収録作(14編収録)
+ 『Fantômes et kimonos』収録作(6編収録)

 ほかに、WorldCatによると、1929年にパリのLibrairie Stock社の《Cabinet cosmopolite》叢書で岡本綺堂の『Drames d'amour』という本が出版されており、"Une histoire de Shuzenji"(「修禅寺物語」)、"Le double suicide du Toribeyama"(「鳥辺山心中」)などが収録されているようである。訳者はKuni Matsuoと、E. Steinilber-Oberlin。

奥田英朗 (Hideo Okuda)

Les remèdes du docteur Irabu /『イン・ザ・プール』(2002)
  ISBN 291918623X (Wombat、2013年1月)

 精神科医・伊良部シリーズの第1作。

乙一 (Otsuichi)

フランス語版Wikipedia
Rendez vous dans le noir /『暗いところで待ち合わせ』(2002)
  ISBN 2953396209 (Myriam Dartois-Ako訳、Karasu、2009年7月)
Un flingue et du chocolat / 『銃とチョコレート』(2006)
  ISBN 2745935860 (Editions Milan、2010年10月)

 ほかに、『少年少女漂流記』漫画版『GOTH』が刊行されている。

小野不由美 (Fuyumi Ono)

フランス語版Wikipedia
 小説『十二国記』が翻訳されている(最初の巻)。また、『屍鬼』の漫画版(第1巻)も刊行されている。

か行

桐野夏生 (Natsuo Kirino)

フランス語版Wikipedia
Disparitions /『柔らかな頬』(1999)
  ISBN 2268042618 (Editions du Rocher、2002年5月)
  ISBN 2264037083 (Editions 10/18、2004年6月)
  ISBN 2757837133 (Points、2013年10月)
OUT /『OUT』(1997)
  ISBN 2020789531 (Seuil、2006年5月)
  ISBN 2757804812 (Points、2007年6月)
Monstrueux /『グロテスク』(2003)
  ISBN 2020931990 (Seuil、2008年1月)
  ISBN 2757811584 (Points、2009年1月)
Le vrai monde /『リアルワールド』(2003)
  ISBN 2020981270 (Seuil、2010年2月)
Intrusion / 『IN』(2009)
  ISBN 2021034704 (Seuil、2011年9月)
L'île de Tokyo / 『東京島』(2008)
  ISBN 2021034712 (Seuil、2013年4月)

栗本薫 (Kaoru Kurimoto)

フランス語版Wikipedia
Guin Saga /『グイン・サーガ』
  1巻 ISBN 2265081248 (Fleuve Noir、2006年5月)
  2巻 ISBN 2265081507 (Fleuve Noir、2006年5月)
  3巻 ISBN 2265081515 (Fleuve Noir、2006年9月)
  4巻 ISBN 2265084263 (Fleuve Noir、2006年5月)
  5巻 ISBN 2265084271 (Fleuve Noir、2007年10月)
  6巻 ISBN 2820300030 (Kazé Editions、2011年1月)

 ほかに、沢田一による漫画版(第1巻 2009年8月)、柳澤一明による漫画版(第1巻 2010年3月)が刊行されている。

黒沢清 (Kiyoshi Kurosawa)

Kairo / 『回路』(2001年)
  ISBN 2877305937 (Philippe Picquier、2002年4月)
  ISBN 2877307387 (Philippe Picquier、2004年9月)

小池真理子 (Mariko Koike)

Le chat dans le cercueil / 『柩の中の猫』(1990)
  ISBN 2877304388 (Philippe Picquier、1999年5月)
  ISBN 2877306054 (Philippe Picquier、2002年5月)
Je suis déjà venue ici / 『玉虫と十一の掌篇小説』
  ISBN 2809700478 (Philippe Picquier、2008年9月)
  ISBN 2809702721 (Philippe Picquier、2011年6月)

さ行

島田荘司 (Soji Shimada)

Tokyo Zodiac Murders /『占星術殺人事件』
  ISBN 274362048X (Rivages、2010年2月)

フランスのミステリ作家 ポール・アルテによる『占星術殺人事件』評 (南雲堂『本格ミステリー・ワールド2011』、ポール・アルテへのメールインタビューより(p.209))

(『占星術殺人事件』を読んだかと尋ねられて)
「もちろんです。『占星術殺人事件』を手にしてすぐに、むさぼるように読みました。なんといっても、フランス語に翻訳されると聞いてから、その瞬間を待っていたのですから。ジョン・ピュグマイアー氏とローラン・ラクーブ氏は、ミステリーの傑出した専門家ですが、『占星術殺人事件』は、すばらしい傑作だと教えてくれたのです。まさにそのとおりでした!」
「『占星術殺人事件』は、特別な作品で、肩を並べるほかのミステリー作品はありません。筋立てがあまりにも魅力的で、密室の謎さえも二の次に思えてしまったほどです。」
「ミステリー・マニアにとって大満足の作品ではないでしょうか。形而上学的な仮説の中で読者は我を忘れ、芸術的なタッチによって、過去の描写は雰囲気たっぷりのものとなっています。そして、当然のことながら、結末で明かされる真実は十分に美しいもので、率直に言って天才的なものだと思います。島田荘司氏には脱帽です。なんと、本作が処女作なのですね。」
「出版された書評はまだ読んでいませんが、私も入っているアマチュアのミステリー愛好会では、頻繁に話題にのぼっています。フランスのミステリー・マニアは皆、この作品が大好きで、マスター・ピースだと考えています。さらに、島田さんが同じくらいの霊感に満ちたほかの作品を書いていることに、誰もが注目していて、フランス語に翻訳されるのを待ち望んでいます!」

鈴木光司 (Koji Suzuki)

フランス語版Wikipedia
Ring /『リング』
  ISBN 2266121235 (Pocket、2002年3月)
  ISBN 2265077224 (Fleuve noir、2003年9月)
Double hélice /『らせん』
  ISBN 2266121243 (Pocket、2002年5月)
  ISBN 2265077216 (Fleuve noir、2003年9月)
La Boucle /『ループ』
  ISBN 2266121251 (Pocket、2002年11月)
Birthday : Ring zéro /『バースデイ』
  ISBN 2266130706 (Pocket、2003年3月)
Dark Water /『仄暗い水の底から』
  ISBN 2266131567 (Pocket、2003年3月)
  ISBN 2265081175 (Fleuve noir、2005年6月)

 ほかに、『リング』の漫画版なども刊行されている。

た行

高木彬光 (Akimitsu Takagi)

 『本格ミステリー・ワールド2011』(南雲堂、2010年12月)に掲載されたメールインタビューでポール・アルテが、『刺青殺人事件』の仏訳が2011年に出版される予定で楽しみにしていると述べている(pp.209-210)。ただ、その後結局出版はされていない。
 『刺青殺人事件』はすでに英訳はあり、ほかに英語圏では『ゼロの蜜月』と『密告者』が出版されている。ドイツ語訳はない。

高見広春 (Koushun Takami)

フランス語版Wikipedia
Battle Royale /『バトル・ロワイアル』
  ISBN 2702136737 (Calmann-Lévy、2006年8月)
  ISBN 2253122351 (Le Livre de Poche、2008年2月)

 ほかに、『バトル・ロワイアル』の漫画版も刊行されている。

戸川昌子 (Masako Togawa)

Le baiser de feu /『火の接吻』(1984)
  ISBN 2869303491 (Rivages、1990年5月)

 『本格ミステリ・フラッシュバック』でも取り上げられている作品。この『火の接吻』は欧米の多くの国で刊行されている。

な行

長尾誠夫 (Seio Nagao)

Meurtres à la cour du prince Genji /『源氏物語人殺し絵巻』
  ISBN 2877303047 (Karine Chesneau訳、Philippe Picquier、1998年5月)
Le prince des ténèbres /『黄泉国の皇子』
  ISBN 2877303691 (Karine Chesneau訳、Philippe Picquier、1998年6月)
  ISBN 2877305775 (Karine Chesneau訳、Philippe Picquier、2002年1月)

 1986年、『源氏物語人殺し絵巻』でサントリーミステリー大賞の読者賞を受賞しデビュー。この作品は、週刊文春ミステリーベスト10で第7位にランクインした。

中村文則 (Fuminori Nakamura)

Pickpocket / 『掏摸(スリ)』(2009)
  ISBN 2809703930 (Myriam Dartois-Ako訳、Philippe Picquier、2013年1月)

夏樹静子 (Shizuko Natsuki)

Meurtre au mont Fuji /『Wの悲劇』(1982)
  ISBN不明 (Librairie des Champs-Élysées、1986年)
La promesse de l'ombre /『第三の女』(1978)
  ISBN 2702418996 (Editions du Masque、1989年6月)
Hara-Kiri, mon amour /『訃報は午後二時に届く』(1983)
  ISBN 270242130X (Editions du Masque、1991年2月)
La femme au bout du fil /(英訳すると「The Woman on the Phone」)
  ISBN不明 (Editions du Masque、1997年1月)
Marianne /『わが郷愁のマリアンヌ』(1986)
  ISBN 2702428533 (Le Masque、1998年11月)

 『La femme au bout du fil』(The Woman on the Phone)は、米国『エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン』1990年5月号に掲載された夏樹静子「The Woman on the Phone」を表題作とする短編集か?

 『第三の女』の仏訳版は、1989年にフランスの 冒険小説大賞 (フランス犯罪小説大賞、ロマン・アヴァンチュール賞)を受賞している。その前年の受賞作はポール・アルテの『赤い霧』(平岡敦訳、ハヤカワ・ミステリ、2004年)。
 『Wの悲劇』、『第三の女』、『訃報は午後二時に届く』は『本格ミステリ・フラッシュバック』で取り上げられている。

西尾維新 (NISIOISIN, Nisio Isin)

Death Note: Another note: L'affaire B.B. des meurtres en série de Los Angeles / 『DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件』(2006)
  ISBN 2505005729 (Kana、2010年9月)

西村京太郎 (Kyotaro Nishimura)

長編
Les Dunes de Tottori /『ミステリー列車が消えた』(1982)
  ISBN 2020222736 (Seuil、1993年5月)
Les Grands détectives n'ont pas froid aux yeux /『名探偵なんか怖くない』(1971)
  ISBN 2877303268 (Philippe Picquier、1998年5月)

短編集
Le Maître chanteur bienveillant
  ISBN不明 (Futuropolis、1983年)
Petits crimes japonais
  ISBN 2869309422 (Rivages、1995年6月)

 『Le Maître chanteur bienveillant』は収録作不明。『Petits crimes japonais』の収録作はこちらのサイトを参照のこと(リンク切れ)。

+ 短編集『Petits crimes japonais』収録作

 ポール・アルテによると、西村京太郎はフランスでは「日本のフレデリック・ダール」と呼ばれているとのこと(『本格ミステリー・ワールド2009』南雲堂、2008年12月、p.126)。
 『ミステリー列車が消えた』と『名探偵なんか怖くない』は『本格ミステリ・フラッシュバック』で取り上げられている。

  • 関連文献
    • ジャン=クリスチャン・ブーヴィエ(Jean-Christian Bouvier、訳:梁木靖弘)「グルノーブル便り 紅毛京太郎奮戦記」(『EQ』1989年1月号、pp.178-181)
      • フランス、グルノーブルのミステリ祭(第10回、1988年)のレポート。前年は松本清張が招待されて日本代表として参加している。1988年は『名探偵なんか怖くない』と短編集が仏訳刊行されたばかりの西村京太郎が招待されたが、直前で都合により参加できなくなり、代わりにその2冊の訳者であるジャン=クリスチャン・ブーヴィエが日本の推理小説を紹介する記者会見などを行った。

は行

原尞 (Ryo Hara)

フランス語版Wikipedia
Nuit sur la ville /『そして夜は甦る』
  ISBN 2226069437 (Editions Albin Michel、1994年11月)
  ISBN 2877306569 (Philippe Picquier、2003年6月)

 『ミステリマガジン』1995年6月号の「洋書案内」コーナーで例外的に取り上げられている。

坂東眞砂子 (Masako Bando)

Les Dieux Chiens / 『狗神』(1996)
  ISBN 2742773614 (Actes Sud, Actes noirs、2008年2月)

東野圭吾 (Keigo Higashino)

La Maison où je suis mort autrefois / 『むかし僕が死んだ家』(1994)
  ISBN 2742789510 (Actes Sud, Actes noirs、2010年4月)
  ISBN 2330001320 (Actes Sud, Babel noir, 2011年11月)
Le Dévouement du suspect X / 『容疑者Xの献身』(2005)
  ISBN 2330001398 (Actes Sud, Actes noirs、2011年11月)
  ISBN 2330013140 (Actes Sud, Babel noir, 2012年11月)
Un café maison / 『聖女の救済』(2008)
  ISBN 2330006136 (Actes Sud, Actes noirs、2012年5月)
  ISBN 2330018800 (Actes Sud, Babel noir, 2013年11月)
La Prophétie de l'abeille / 『天空の蜂』
  ISBN 2330019580 (Actes Sud, Actes noirs、2013年5月)

 『容疑者Xの献身』の刊行にあわせて『むかし僕が死んだ家』の新装版が出たようだ。
 なお、東野圭吾の欧米やアジアでの受容については「東野圭吾『容疑者Xの献身』の英訳版、エドガー賞候補に」(2012年1月22日)でまとめた。
 「【エドガー賞の前に】東野圭吾『容疑者Xの献身』のフランスでの評価やいかに」(2012年4月14日)も参照のこと。

ま行

松井今朝子 (Kesako Matsui)

Les mystères de Yoshiwara / 『吉原手引草』(2007)
  ISBN 2809702969 (Philippe Picquier、2011年10月)
  ISBN 2809709483 (Philippe Picquier、2013年10月)

松本清張 (Seicho Matsumoto)

フランス語版Wikipedia
Journal local /短編集?「地方紙を買う女」
  ISBN 2737654211 (Futuropolis、1985年)
Le rapide de Tokyo /『点と線』
  ISBN 2702413773 (Editions du Masque、1986年3月)
Tokyo express /『点と線』
  ISBN 2877300188 (Rose-Marie Makino-Fayolle訳、Philippe Picquier、1989年)
  ISBN 2877301885 (Rose-Marie Makino-Fayolle訳、Philippe Picquier、1998年5月)
Vase de sable /『砂の器』
  ISBN 2876220105 (Rose-Marie Makino-Fayolle訳、Philippe Picquier、1987年)
  ISBN 2877303284 (Rose-Marie Makino-Fayolle訳、Philippe Picquier、1998年5月)
La Voix / 短編集、表題作「声」
  ISBN 2877302601 (Philippe Picquier、1998年5月)
Un endroit discret / 『聞かなかった場所』
  ISBN 2742795367 (Actes Sud, Actes noirs、2010年11月)

 『La Voix』(声)は6編収録。収録作は英訳短編集『The Voice and Other Stories』と同じ(収録順は少々異なる)。

+ La Voix 収録作

水上勉 (Tsutomu Mizukami, Tsutomu Minakami)

Le Temple des oies sauvages / 『雁の寺』
  ISBN 2877302172 (Philippe Picquier、1998年5月) - 最初の刊行は1992年?

 ほかに『越前竹人形』のフランス語訳 Poupées de bambou(1998年版2000年版)が刊行されている。

宮部みゆき (Miyuki Miyabe)

フランス語版Wikipedia
La Librairie Tanabe /『淋しい狩人』
  ISBN 2877302288 (Philippe Picquier、1995年6月)
  ISBN 2877304418 (Philippe Picquier、2001年12月)
Une carte pour l'enfer /『火車』
  ISBN 2877305619 (Philippe Picquier、2001年10月)
  ISBN 2809709254 (Philippe Picquier、2013年6月)
Brave Story /『ブレイブ・ストーリー』
  1巻 ISBN 2266180304 (Pocket Jeunesse、2008年1月)
  2巻 ISBN 2266181858 (Pocket Jeunesse、2008年3月)
  3巻 ISBN 2266181866 (Pocket Jeunesse、2008年5月)
Crossfire /『クロスファイア』
  ISBN 2809700451 (Philippe Picquier、2008年8月)
  ISBN 2809701865 (Philippe Picquier、2010年6月)
Sang Sur la Toile /『R.P.G.』
  ISBN 2809701857 (Philippe Picquier、2010年6月)

 連作短編集『淋しい狩人』は日本では6編収録だが、フランス版は5編しか収録されていない。「歪んだ鏡」がカットされている。また、収録順も変更されている。

+ フランス版『淋しい狩人』収録作

 ほかに、漫画版『ブレイブ・ストーリー』(第1巻)が刊行されている。

森博嗣 (Hiroshi Mori / MORI Hiroshi)

フランス語版Wikipedia
The Sky Crawlers /『スカイ・クロラ』
  ISBN 2723478149 (Glénat、2010年9月)
None But Air / 『ナ・バ・テア』
  ISBN 2723480046 (Glénat、2011年3月)

 ほかに、森博嗣の小説を原作とする漫画が「Les chefs d'oeuvre de Hiroshi Mori」(The masterpieces of Hiroshi Mori)というシリーズ名で4巻まで刊行されている。

God save the Queen /漫画『女王の百年密室』
  ISBN 2849463949 (Soleil Manga、2006年3月)
Le labyrinthe de Morphée /漫画『迷宮百年の睡魔』
  ISBN 2849465224 (Soleil Manga、2006年7月)
F The perfect insider /漫画『すべてがFになる』
  ISBN 2849464333 (Soleil Manga、2006年5月)
Meurtres en chambre froide /漫画『冷たい密室と博士たち』
  ISBN 2849466328 (Soleil Manga、2006年10月)

や行

山田風太郎 (Futaro Yamada)

フランス語版Wikipedia
Shinobi /『甲賀忍法帖』
  ISBN 2702138470 (Calmann-Lévy、2007年11月)
Les Manuscrits Ninja /『柳生忍法帖』
  1巻 ISBN 2809701709 (Philippe Picquier、2010年4月)
  2巻 ISBN 2809701954 (Philippe Picquier、2010年9月)

 ほかに、『甲賀忍法帖』を原作とする漫画『バジリスク』(第1巻)が刊行されている。

山村美紗 (Misa Yamamura)

Des cercueils trop fleuris / 『花の棺』(1975)
  ISBN 2877303837 (Philippe Picquier、1999年4月)
La ronde noire / 『黒の環状線』(1976)
  ISBN 2877303772 (Philippe Picquier、1999年5月)

 両作とも『本格ミステリ・フラッシュバック』で取り上げられている。

夢野久作 (Kyusaku Yumeno)

フランス語版Wikipedia
Dogra Magra /『ドグラ・マグラ』
  ISBN 2877306453 (Philippe Picquier、2003年4月)
  ISBN 287730857X (Philippe Picquier、2006年5月)

横溝正史 (Seishi Yokomizo)

フランス語版Wikipedia
La hache, le koto et le chrysanthème /『犬神家の一族』
  ISBN不明 (DENOËL、1985年1月)
  ISBN 2070380661 (Gallimard、1988年9月)
  ISBN 2070783049 (Gallimard、2007年1月)
La Ritournelle du démon /『悪魔の手毬唄』
  ISBN 2877302237 (Rose-Marie Makino-Fayolle訳、Philippe Picquier、1998年5月)
  ISBN 2809709270 (Rose-Marie Makino-Fayolle訳、Philippe Picquier、2013年6月)
Village aux huit tombes /『八つ墓村』
  ISBN 2877304590 (Philippe Picquier、1999年11月)

 ポール・アルテによると、横溝正史はフランスでは「日本のアガサ・クリスティ」と呼ばれているとのこと(『本格ミステリー・ワールド2009』南雲堂、2008年12月、p.126)。

  • 関連文献
    • 間瀬玲子「フランスにおける江戸川乱歩と横溝正史の受容」(日本比較文学会編『越境する言の葉――世界と出会う日本文学』彩流社、2011年6月、pp.237-247)

吉田修一 (Shuichi Yoshida)

Park Life /『パーク・ライフ』
  ISBN 2877309622 (Philippe Picquier、2007年9月)
  ISBN 2809701474 (Philippe Picquier、2010年1月)
Parade /『パレード』(2002)
  ISBN 2809701504 (Philippe Picquier、2010年1月)
  ISBN 2809703051 (Philippe Picquier、2011年10月)
Le mauvais /『悪人』(2007)
  ISBN 2809702977 (Philippe Picquier、2011年10月)

アンソロジー・関連書籍

Les noix, la mouche, le citron
  ISBN 2877304086 (Philippe Picquier、1999年5月)
江戸川乱歩「鏡地獄」収録

Trains du mystère : 150 ans de trains et de polars
  ISBN 229607667X (L'Harmattan、2009年2月)
鉄道ミステリの評論本。第9章(pp.215-226)は日本の鉄道ミステリを扱う章になっている。

フランス語の無料月刊誌『ZOOM JAPON』創刊号(2010年6月号)(pdf
  • 日本ミステリ特集号(pp.4-7)。権田萬治氏および、作家では綾辻行人・宮部みゆきへのインタビューが掲載されている。

更新情報

  • 2011年4月29日:新たに刊行された伊坂幸太郎と、リストから漏れていた山村美紗を追加。乙一『銃とチョコレート』、森博嗣『ナ・バ・テア』追加。
  • 2012年1月24日:リストから漏れていた東野圭吾『むかし僕が死んだ家』を追加。新たに刊行された東野圭吾『容疑者Xの献身』、伊坂幸太郎『重力ピエロ』を追加。
  • 2012年2月7日:リストから漏れていた綾辻行人『十角館の殺人』を追加。『ZOOM JAPON』2010年6月1日号(日本ミステリ特集号)の情報追加。
  • 2012年2月11日:リストから漏れていた夏樹静子『わが郷愁のマリアンヌ』、水上勉『雁の寺』を追加。
  • 2012年4月28日:昨年刊行の桐野夏生の『IN』と、東野圭吾の近刊『聖女の救済』を追加。坂東眞砂子『狗神』、黒沢清『回路』を追加。
  • 2013年11月11日:リストから漏れていた松井今朝子『吉原手引草』、西尾維新『DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件』を追加。
  • 2013年11月15日:奥田英朗、小池真理子、中村文則、吉田修一を追加。